「須磨シーワールドに思うこと」に思うこと

タイトルは誤字じゃないです。

6/1に須磨シーワールドが開業しましたなぁ。
以前の須磨海浜水族園を民間に委ねた結果、なんかすごいものになってて、開業日前後、メディアが報道してて、こりゃ人気も出そうだなぁと端から見ている状態。

僕自身は中・高・専を神戸で過ごしてきて、その後大阪に住むものの、つい最近神戸に出戻ってきたという事情があります。
須磨海浜水族園にそこまで思い出があるかと言われると・・まぁ数回行ったことがある程度だったりします。

なので以前の須磨海浜水族園の栄華をそこまで知らないんですよね。
小学生の時は山の向こうの三田に住んでていて、水族園に遠足といえば須磨海浜水族園だったんですが、そんなしょっちゅう行くものでもなかったですし。
学校以外だと、須磨海浜水族園よりは宮津の丹後魚っち館にやたらと連れて行かれた覚えがあります。
ということで、須磨海浜水族園にそこまで思い入れがあるかと言われると、うーん・・という感じだったりします。

なので、正直な話「須磨シーワールドは須磨海浜水族園と全く違う」「子供が学ぶ場ではない」という意見を見たときに、そこまで興味は持たなかったです。

でも個人的に一番考えちゃったのは「水族館がただのエンタメの消費地に成り下がった」という意見。
んー。
だめなの?w
というか、エンタメの消費地に「勝手」にしているのは大人であって、子供がそこまで思うわけ無いと思うんですけどねぇ。もし子供にそうさせているのであれば、それは大人である親の責任だと思うので。
それに時代が求めているものに飛びつくのは、決して悪いことではないと思うし、頑なに変えないことが必ずしも正解かどうかは分からないと思うんですよね。ってか、正解ってなんなんだってのもあるんですけども。

あと子供視点で考えたとき、老朽化したところよりもキラキラしたところの方が興味を持つと思うんです。そりゃ誰しもそうでしょうよ。

老朽化したものを長く残すことが大事で、それをぶっ壊すのは悪である、みたいな(行き過ぎた)レトロ懐古主義と言わんばかりの人たちのほうが、個人的には害悪だなと思います。そういえば王子動物園のリニューアルでもそんなこと言ってた人がいましたね。(ただ大学誘致については個人的に思うことはありますが。)
古いものを維持するには手間とお金がかかります。それは歴史的な建物でもそうだし、行政が運営する施設でもそうだったりします。
それを維持できないとなったとき、新しい設備にして、人を集める。メンテナンスも少し楽にできるようにして、あとついでに維持費以上に稼げる施設にしたいはずです。
民間への委託とはそれを税金で全部やらずにそこまでさせるということなんだと思います。まぁ、これがレトロ懐古主義な人たちには良くは見えないので悪だと決めつけられちゃうわけですが。

あと「淡水魚が減った!」と長文で嘆く水族館オタクの人がいたので読んでみたけど、水族館はオタクのために運営しているわけでもないし、オタクの主義主張がまかり通った施設を求めるなら、もう自分で作ったら?と思わざるを得ないです。あんなのただのオタクのワガママ。
もちろん展示されていない淡水魚達に日の目を浴びてほしいってのはあるけども、それを須磨でやる必要は果たしてあるのか?ということ。そしてそれが子どもたちに興味をもたせることに必ずつながるのかということです。
淡水魚の水槽は水族館の中でも正直、ちょっと地味なエリアになりがちです。でも須磨シーワールドは展示数は減ったものの、魅力的な展示をしているようなので、種類を多く展示することがすなわち興味をもたせることなのか、という疑問は出てきてしまいます。
もちろん生物には多くの種類がいるので、限定して展示するのは良くないのかもしれないでしょうが、きっかけとしての水族館にそこまで望む必要はあるんでしょうか。

おそらくですが須磨海浜水族園を今まで通り神戸市で運営していたら、これほどまでのリニューアルはできなかったでしょう。税金投入ガーって絶対に言われます。
それに住んでいる人の税金で運営している施設を、住んでいない市外の人、ましてやインバウンド観光客にも同じ低料金で利用させるっていうのは、なんだか理不尽に思えてならないんですよね。
それならば民間に委託して「稼げる施設」にしてもらう方が僕は今後に生きてくると思います。
「稼げる施設」になった結果、もしかしたら日の目を浴びていない、バックヤードにいる淡水魚たちを展示できる別館が作られるかもしれないわけで、だとしたらネガティブな話題ばかり発信してどうすんの?とも思ってしまうわけです。

あと、レトロ懐古主義もたいがいにしたほうがいいでしょうね。
正直、今の神戸はこれにとらわれがちだと思います。
でも神戸って「新しいものを先んじて取り入れる街」だったわけで、それが開港後の発展や「株式会社神戸市」のような大胆な開発をどの街よりも先にやってきた自負があるはずです。(功罪はありますよ、もちろん)
しかしバブル崩壊に加えて震災があり、その自信を失ったことで、近隣の街に人が流れている状況が今もなお続いています。
ここ最近、ようやく三宮やベイエリアの再開発が始まり、大阪などからしたら何周遅れだと言われそうですが、街の自信を取り戻しつつあります。

だからこそ、いつまでもレトロ懐古主義な意見ばかりに流されないようにすべきだと思うんです。とくにいつまで震災引っ張ってんの?もう30年だよ?と思うわけですよ。
忘れるべきではないけども、いつまで1995年1月17日で止まってるの?と。で、それを大事にし続けた結果での人口流出なんだったら、レトロ懐古主義者のせいだと言いたくもなります、正直言って。いち納税者としては思うわけですよ。

須磨シーワールドが神戸の「都市としての自負」を取り戻す第一歩となればいいなと、個人的に思います。

というわけで、近々行ってみようと思いますよ。
やっぱり行かないとわかんないもんね。
行かずに批判ばかりするだけの人にはなりたくないもんなぁ。


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