海のアウトドア―意外な登山との共通点
自然環境リテラシープログラム,尾鷲コース 第1回 2020年11月14日・15日
みなさんこんにちは、はじめまして。私は「自然環境リテラシー学プログラム」に参加している学生、Takeと申します。私の自己紹介的な話は本文で少しずつしていきます。ですので早速本文へ・・・
と、その前に、まず私が参加するコースを紹介します。「①尾鷲"海と森”コース」は全5回にわたって三重県尾鷲市の様々な自然を体験するコースです。前半3回はシーカヤックリテラシープログラム、つまり海を中心とした活動です。そして後半2回は山や川を中心としたアクティビティを行います。
この記事は尾鷲第1回の内容がメインです。ただ、実は尾鷲第1回の内容の詳しい記事はもう仲間が書いているんですよね...(笑)
ハイクオリティな記事なので、ここでは概要は割愛します。時系列形式で分かりやすい記事二本のリンクを載せておきますのでぜひこちらも読んでみてください。
はじめての海のアウトドア
読者のみなさんは海のアウトドアを体験したことはありますか?海のアウトドアは私たち尾鷲班で体験しているシーカヤックなどが例にあります。
少し幅を広げてウォータースポーツという括りにすれば、「⑤大台町"森にとまる・水とあそぶ"コース」がSUP(スタンドアップパドルボート)を体験しているようです。
このほかにも、ウェイクボードやスノーケリングといったものがあげられるでしょうか。
私はこれらのウォータースポーツについて何も体験したことがありませんでした。今回初めてシーカヤックを体験したのですが、まず感じたのが、常に濡れる危険があるという恐怖です。日常生活で予期せず濡れる危険を感じることは急な雨の時ぐらいですが、これらのウォータースポーツはいつ全身濡れてもおかしくない、という状況にあるのです。ウォータースポーツ初心者の自分にとって、冬の冷たい海水をかぶるかもしれない、というのは間違いなく恐怖。特に最初は、どの程度バランスが崩れると転覆するのか、という感覚がわからないのでそうした恐怖感はとても大きかったです。まあ、慣れれば「意外と安定してるじゃん!簡単に転覆しない!」という気持ちになって楽に漕げるようになります。(ん?このフラグ回収はいつだろう・・・)
そして次に驚いたのは、その場で止まれない、ということです。体が水上にあるのである意味当然ですが、何もしなくても動いていきます。ガイドの方の話を皆で聞くときも知らぬ間に流されていきます。
そんな時は皆で横一列に並びカヤックを支えあう「いかだ」を作ります。
こうしたことは海のアウトドアならではのことです。陸上でのアウトドアでは常に濡れる危険があることも、知らぬ間に流されていることも、絶対にありません。
それではここで一旦脱線して、陸上のアウトドアの話も少ししてみることにしましょう。
山とアウトドアと私
さあ、この段落では余談として、私のアウトドアの過去を紹介します。実は私は高校時代「ワンダーフォーゲル(通称ワンゲル)部」に所属していました。「ワンダーフォーゲル」が聞きなじみのない言葉かもしれないので少し補足。
ワンダーフォーゲル【(ドイツ)Wandervogel】
《渡り鳥の意》グループで、山野を徒歩旅行する活動。青年運動として、20世紀初めドイツで始められた。ワンゲル。
(Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > ワンダーフォーゲルの意味・解説)
ワンゲル部、と言っても色々なアウトドアをしている部活もあれば、登山に特化した実質登山部のような部活もあり、様々です。私の高校のワンゲルは後者でした。
私はその部活の中で、高1の時には日本で二番目に高い山・南アルプスの北岳(3193m)を登頂、高2の時は北アルプスの燕岳、大天井岳、常念岳の縦走をいずれもテント泊で行いました。
登山というのはある意味苦行ばかりです。あらゆる設備の整った街を離れ、便利なものが何もない険しい山の中を容量80L、時に20kgを超えるザックを背負ってひたすら登るのです。何度も「早く帰りたい、もういいや。」と思います。
ではなぜ、強制されているわけでもないのにそこまでして登るのか、それは絶対に街で見ることができない景色、味わえない達成感を得られるからです。その体験をしてしまうと、どんなに苦しい体験をしたとしても再び登りたくなってしまうのです。
しかし、高3では受験に専念するため登山はできず。その後も新型コロナウイルス感染症の流行などが理由で数年アウトドアができていませんでした。そんな中飛び込んできた知らせがこの「自然環境リテラシー学プログラム」。参加するしかないでしょ、そんな経緯で、私はこのプログラムに参加しているのです。
さて、余談が長くなりました。そろそろ「自然環境リテラシー学プログラム」の話題に戻りましょう。
登山とシーカヤックの共通点
ここからは登山をかじったことのある私が感じた、登山とシーカヤックの共通点を紹介していきます。海のアウトドアならではの出来事は紹介しましたが、共通点も実はいくつか感じたことがあるのです。
まず、隊列を組んで伝達を行うという点です。登山では、狭い登山道を一列で進む必要があるので数十人のパーティの場合、自然と列が長くなります。そこで、私の所属していたワンゲルでは4,5人程度のグループ分けをした上で登りました。登山では誰かが遅れたり、休憩を入れたり、他の登山者に注意を促す際に連絡が必要となります。そんな時は、グループで一つのトランシーバーを用いて、あるいは伝言リレーをして連絡をとっていました。
今回のシーカヤックでも参加学生を3~4つの学年(ここではグループの意)に分け、ツーリングを行いました。途中で誰かが遅れたり、休憩を入れたり船が近づいた時には、シーカヤックでも情報を共有する必要があります。そんな時は前の人から後ろの人へ、または後ろの人から前の人へ伝言リレー。私はひそかに「うわ、登山とまるっきり一緒だ!」と一人で感動していました。
他にも、登山とシーカヤックで似ているな、と感じたことがありました。それは、もうキツイ、からのまた漕ぎたい、という衝動です。前述したように登山は苦行ですがまた登りたくなる不思議なものです。それはシーカヤックでも同様でした。
尾鷲第1回の2日目はシーカヤック歴2日目にしては長距離で、追い波のコンディション。うまく波をとらえることができず悪戦苦闘。かなり体力を消費し、こんなにキツイのか、と海の厳しさを知りました。そして、もうしばらくシーカヤックはいいかな、という気持ちになりました(笑)
それでもしばらく経つと、「自分の力で海の上を移動する」という爽快な感覚が恋しくなってくるんです。人間の記憶は美化されるとよく言われますが、本当にその通りです。不思議ですね(笑)
こういう感覚も登山とシーカヤックの共通点として私は感じました。ある意味、シーカヤックは海の登山なのかもしれません。
プログラムはまだ始まったばかり
尾鷲第1回では、たった2日間シーカヤックを体験しただけなので、他にも共通点は存在するのかもしれません。そんなことも探しつつ、残りのプログラムも楽しんでいきたいと思います。そして、第2回尾鷲では大事件も発生しました。次回の記事ではその詳細を書きたいと思います、お楽しみに(!?)
そして、新型コロナウイルス感染症が流行している中、万全の対策を講じてプログラムを実施していただいてる教授、ガイド、スタッフの方々にも、この場を借りてお礼申し上げます。
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!