03 浜辺ステップ
スティールパンと言う楽器は20歳の頃にヤン富田氏の音源で知ってはいたがその後リトル・テンポ(来岡の時に南国気分の前身バンド「リトモ・デ・コラ」でオープニングアクトもさせて頂いた)で生音を聴き、今では心の師匠とも言える大変お世話になっている関西のスティールパン&パーカッション奏者「山村誠一氏」へと繋がっていく。あの独特の「ポワン ポワン」と言う音はなんとも無重力を感じさせてくれる。
「もしかしたら音楽とは重力への反発と言う行為なのでは無いか?」
などと常々妄想したりする僕にとってこの楽器は非常に興味深い。そして明るい音色。嫌いなわけが無いのである。すごく不思議に思うのだが「レゲエとスティールパンって相性良い筈なのにあんまり有名な曲って無いよね?」レゲエのルーツはスティールパンを産んだトリニダード・トバゴのカリプソも非常に関わっていると聞く。僕がそう言う曲を知らないだけなのかもしれないが…
曲調はアジア的な旋律にジャマイカのレゲエのリズム。。。「めっちゃ良いやん!」この頃から何かと何かの音楽ジャンルを勝手に混ぜるのがクセになっていく。
「その音楽が産まれた土壌も理解せずにそれってリスペクトしてるって言えるの?」
など賛否は両論だが僕にはそう聞こえて来てしまうし、それがとても豊かで面白いと思うので仕方が無い。混ざるのは最高なのだ!爆発なのだ。僕だけの持論かもしれないが。。。
曲のイメージは子供達が浜辺で走り回ってる様子をスローモーションで見てる雰囲気。ドラムのスプラッシュシンバルで波打際のしぶきを、ギターリフとベースラインが寄せては返す波を、スティールパンが子供達のはしゃぐ足どりを表現出来たら素敵だと思った。
レゲエの事。
後のジャンプブルースのくだりでも書くが20代前半「ブルース以外の音楽は音楽じゃねぇ〜!」と息巻いてた時期が有った。確かにブルースは素晴らしい音楽でよくぞアメリカの黒人達は素晴らしい音源を多数残してくれだと思う。だが今思えば恐ろしい偏屈さ加減だ(笑)「僕はバカですバカなのです!」と言ってるようなものだ。ギターパンダ「山川のりお」さんに「嫌な人だったんですねぇ。。。」と先日セッションの場で言われたりもw。。。全く若気の至りも甚だしい。。。そんな僕を見兼ねてか仙台時代に働いていたブルースバー「ハリス(後のライブハウスヘブン)」の瀬戸さん(その頃はみんなオヤカタと呼んでいた)が仙台から岡山に旅立つときに渡してくれた一本のテープがボブ・マーリー&ウェイラーズのLIVE!だった。「タケオ!これも良いから分かるまで聞いてみろ!ブルースも勿論良いけどこれも絶対良いから。。。」といつものように本音を言う時は少しはにかみながら…でも目の奥は少し優しく。。。最初は全然分からなかった。それでも何度も聞き返していくうちにとんでもない音源だと分かってくる。ただの音がこれ程のエネルギーに満ち溢れてるなんて…そして人生で1番聴いた音源はオヤカタに貰ったボブ・マーリーのLIVE!のテープである。その後に勿論スカやロックステディにもハマっていくのだが、なんだか軽過ぎて中々馴染めなかった覚えがある。勿論今となってはどちらも大好物過ぎるのだが…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?