やってはいけない(逆効果)店頭演出

 客数や店前通行量が少ないお店では、なんとかもっとお店を目立たせなくては、とあれこれ工夫を凝らします。
ところが、せっかく工夫した結果、期待とは逆に前よりもめ,目立たなくなってしまうお店がよくあります。
本人は、目立たせようと考え、目立つだろうと考えた工夫ですから、逆効果になっているとは気づかないかも知れません。

目立たせたいのはは山々ですが「やってはいけない店頭演出」がいろいろあります。

まずは列挙してみましょう。
1.のれん
2.ノボリ
3.ガラスへのポスター、チラシ貼付
4.出しっ放しのワゴン
5.植栽、花壇
これらはお客の眼からお店を遮蔽する効果しかありません!

店頭歩行者が無意識のうちにあなたのお店に視線を向けるのはほんの数秒間、その間にお店に関心を喚起するのはどうしたらよいか?
「通行量増大」を入店客・得意客増大に結び付けるには、必ずやっておかなければならない準備があります。

歩行者を入店客に変えるには、歩行者が無意識のうちに投げてくる視線をキャッチして、意識を伴う凝視に変えることが必要。そのためには〈売り場の情報〉を一瞬で伝えなければならない。店頭演出の役割です。上記5項目、店頭演出の努力であることは間違い無いが店頭演出の趣旨的には如何なものか。

歩行者がお店に向けた視線が5項目的情報をキャッチした時、意識はさらにその奥にある情報に向かいたいと思うでしょうか、それともその時点で情報を消化、次のアイキャッチへ向かうでしょうか?
あなた自身の経験では如何ですか。店頭演出5項目に旧みを喚起されて入店した経験がありますか?

ではここであらためて、歩行者がお店を認知してから入店してくるまでのプロセスを見てみましょう。
0.店前道路を歩いている
1.店の存在に気づく
2.近寄って確認する
3.興味がそそられる
4.入店を決意する
5.お店の入口に現れる
ということになりますね。

 実はこのプロセスにはトリックがありまして「5」から遡及したもの。
0や1から5に至るまでの間では、本人も気づかないかも知れない多くの〈評価・意志決定〉が行われています。途中で〈つまらない、わざわざ見るほども無い〉と判断したらその時点でアウト、次の段階に進むことは無い。

 0~1,1~2,2~3,3~4という進行には評価と意志決定が行われます。
これをクリアしないと〈入店〉というお店が期待する行動は生まれません。
あらためて、「店頭演出・やっては行けない5項目」を見てみましょう。
これらの演出は、歩行者を 0~1~2と誘導する機能を果たしていますか?

 お奨めは、売り場遮蔽5点セットを即時・無条件ですべて撤去すること。
寂しくなった、物足りない、というのは主観的な判断。一見の歩行者はそんなことは考えない、まっすぐ店内・売り場の情報がキャッチ出来るかどうか、でしょう。

 小売業は、お客に売り場を見てもらってなんぼ。
いつも売り場の奧から外を眺めるのではなく、時には通りの向かいから自店の「顔」を観察しましょう。通っている人が思わず近寄ってみたくなるような店頭演出が出来てますか。

 店頭演出の目的は、通りから売り場の様子(大まかな品揃え・レイアウト・予想される接客サービスなど)が判断出来るような情報を提供することです。
通りの左右からお店に接近して来る歩行者に対して、どの距離でどのような情報を提供しているか? 自分で歩いて確かめてみましょう。

 店頭に立ち止まって売り場全体をチェックする歩行者がいたら、近くに来るまでにキャッチした情報がOKだったと考えられます。NOなら視線は既にお店を通過してしまっているはず。
ということで、売れる売り場づくりの第一歩、「店頭演出」について。

 通行量が少ないからなるべくお客の視線をキャッチしなくては、とノボリなどを立てるのは逆効果だと考えましょう。自分の経験に照らせば簡単ですね。
店頭に何か不足しているものはないかと考え、他店を見えて真似をするのは」止めましょう。店を目立たせるため、不足していると思われるものを次々に付け加えることを〈加上〉と言います。〈上に加える〉ですね。
ゼッタイにやってはいけないことです。
加上は繁盛の敵、と考えましょう。

〈売れる売り場づくり〉の合言葉は、〈お客に見える売り場づくり〉。どう見せるかの前に「物理的」に見えているかどうかが大問題。
商店街からポスタ-、ノボリ、花壇などが配られることがありますが、例外無し・「撤去」です。そんなお金があったら〈お客に見える売り場づくり〉の勉強に使いましょう(^_^)


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