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【スキ御礼】鑑賞*しばらくは人の高さを石鹸玉 十六世紀の西欧の絵画では、シャボン玉が人の命の儚さの象徴として描かれています。 これは、古代ローマの諺「人間は泡沫である」homo bulla、「人間の命ほど壊れやすく、束の間で、空虚なものはない」という人生観に基づいたものだとされています。 それを表す実際の絵画をご紹介できないままでしたが、Nao Masunaga さんが、イタリア ペルージャのウンブリア国立絵画館で催されたシャボン玉をテーマにした特別展のレポートの中で紹介さ
松浦 加古 句集『探梅』所収。平成二十四年作。 春を過ぎて咲く桜は余花。 春を前に梅を探すのは探梅。 桜は過ぎゆく春を惜む花。 梅は来るべき春を喜ぶ花。 桜は散りゆく姿を見に行きたくなる。 梅は開きはじめを見に行きたくなる。 だから、出逢う梅の花は一輪でいい。 (岡田 耕) 【スキ御礼】「鑑賞*星のぞく聖樹飾らぬ家あれば」
目上の人から親しく言葉をかけてもらうということは本当に嬉しいものである。それが労いの言葉であったり励ましの言葉であったりする場合はなおさらである。そして、敬愛の念は一気に加速し、この人のためには何はさておき役に立ちたいという思いが全身に広がり、「身命を惜まぬものなり。」といった献身的な行動をも厭わないことになっていく。 「大将は人に言葉をよくかけよ。」と言っているように、リーダーたる者、グループの構成員一人一人に日頃から心を配り、きっかけを見つけてはこまめに言葉をかける
人は自己の存在に意義を感じ、充実感に満たされているとき、幸福を実感する。「生きがい」を感じる瞬間でもある。 自分の持ち味、能力が存分に発揮され、それが周囲に十分に評価されることによって「生きがい」は生まれるものならば、打ち込んで悔いの残らない道をまず選ぶことである。 またたく間に過ぎ去ってしまう人生の、限りある命を燃焼しきることこそ生きた証でもある。 常朝は、ともすれば若者が好きなことだけして、自分の意に添わないことには一切振り向かないという浮薄な考えでこの言葉
古代日本の色の概念は、4原色だった その色とは「赤」「青」「黒」「白」の4つ。なぜなら、この4色だけは形容詞としても使える色だから。 「赤い」「青い」「黒い」「白い」 「黄い」と言わないし、「緑い」とも言わない。形容するときは「黄色い」「緑色っぽい」と“色”をつけて表現する。さらに、2つ重ねて表現できるのもこの4色のみ。「真」をつけるのもこの4色のみ。 「赤々と」「青々と」「白々と」「黒々と」 「真っ赤」「真っ青」「真っ白」「真っ黒」 紅白が対の概念になったり、緑の
前回は「古代人と木」、「天然材料と人工材料」についての話でした。 針葉樹と広葉樹 樹木を大別して、針葉樹と広葉樹に分けられることはいうまでもない。この区分は、植物学的な立場からの立木としての分類であるが、一方木材を工芸的に使う実際上の立場からみても、同じような違いがある。このことは木材の造形的な性質を考えるうえで、とくに留意しておかなければならない点である。 〈 感 想 〉 針葉樹と広葉樹の違いといっても、通常あまり意識されてないかもしれません。大まかに言うならば、針葉樹
著作者名:中野孝次 発行所:株式会社集英社 2000年12月20日発行 良寛、凄い人だ。中野孝次に、こう言わせている。「雪の中の五合庵を見ながら、おれにはとてもこの暮しはできない、とつくづく思った。」 また、中野孝次は、こうも言っている。「貧乏でなければ道を悟れない、というのか。恐ろしい思想だ。」 「良寛のすごさは、人生のごく早い時期に、物、名誉、地位、金銭、権力などのために生きる生の空しさを痛感して、はやばやとそれを捨てたところにある。」 良寛は、「身は黒衣をまとう