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プロモーション競争に乗り遅れない必勝パターン
コロナのような予期せぬ脅威、競合の動きに大きく左右されるプロモーションの世界。ほんのちょっとでも未来を予測できたら、他社よりも一手先に動き競争にかてるのに!そう感じた事はありませんか?
私自身も、渾身の企画を考えたのに、ほんの数日差で他社に先を行かれてしまい、チャンスを逃した経験があります。
過去を分析すれば今後のプロモーションの流れが見えてくる
これから業界内でどの様な競争が起こるのか、未来の予測なんて不可能だと思っていませんか?もちろん、完璧に予測する事はできません。しかし、プロモーションの競争過程は、ある一定の法則に沿って段階的に変化していきます。
そして、過程は過去のプロモーションの流れを分析する事で見えてきます。
企業は『モノ・技術』→『機能』→『情緒・価値』の順番に競争する
実は、企業間のプロモーション競争のほとんどが、このサイクルで行われています。航空業界の流れは特に分かりやすいので、事例を交えてご紹介します。
航空業界の歴史は大まかに下記の通りです。
1970年 ジャンボジェット登場=モノ・技術
2000~10年 LCC登場・Wifi整備=機能
2020年~ 手ぶら旅行・シェア旅(新しい旅の創造)=情緒・価値
『手ぶら旅行』や『シェア旅』は、移動手段として飛行機の機能を訴求するのではなく、新しい旅のカタチを謡う様になりました。
ANAトラベラーズさんの取り組みが参考になります。
どちらも、『あなたらしい旅』や『手ぶらでオシャレ旅』等の、新しい旅の価値を情緒的に訴求しています。
手ぶら旅行https://www.ana.co.jp/ja/jp/domtour/theme/recommend/teburatravel/
シェア旅
https://www.ana.co.jp/ja/jp/domtour/theme/recommend/lookforyourstyle/
『モノ・技術』→『機能』→『情緒価値』というサイクルでプロモーションが変化していませんか?モノや技術が誕生して多くの企業が参入し、機能で勝負する、そして、追加可能な機能がなくなれば、『情緒価値』を示して差別化を図るようになるのです。
自動車業界であれば、自動車の誕生→速度などの機能→Maas等の移動手段としての価値へと訴求内容が変化しています。
成熟しきった、缶コーヒー業界のキャッチコピーは下記の通りです。
『世界は誰かの仕事でできている』『ろくでもない素晴らしき世界』等、職場におけるコミュニケーションシンボルとして訴求しています。
業界のプロモーションステージを見極めて先手を打つ
このサイクルを知っていれば、業界のステージを理解する事が可能です。
プロモーションの成熟段階を理解できれば、未来に備えての準備ができる様になります。
他社が参入し始めている段階であれば、一手先に『機能』に着目して仕込み始める。また、『機能競争』が起こり始めているのであれば、一手先に『情緒価値』に焦点を当てた準備を進めるのです。