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障害者就労支援士検定についての雑感
厚生労働省の肝いりで障害者就労支援士という資格が制度化され、将来的に国家資格になるのだが、今のところ詳細は不明なので、分かる範囲で雑感を書く。
障害者就労支援施設には就労移行支援、就労支援B型、就労支援A型の三種類あるが、それぞれの違いはこの記事では省略する。
まず総じて言えるのは、三障害という設定自体が厚労省のミスと言うか偏見で、賃金形態においても作業内容についても、明らかに知的障害者や身体障害者に合わせるようになっており、社会常識があり就労経験のある精神障害者にとっては何の利益にもならない制度になっている。
そういう中で、就労支援施設の設立要項自体が知的障害、身体障害、精神障害および難病という形態になっており、この部分にもかなり異論があるが、今回は障害者就労支援士という資格制度について中心に書きたい。
僕にとっては精神疾患は障害であると言う前にまず疾患として捉えるのが妥当だという考えがあるのだが、それは別にしても、今までの障害者就労支援施設の職員が無資格の素人であるという側面は指摘するとともに非難もしておきたい。疾病に関する意識が皆無で精神疾患を患う人間の能力は低いと思い込んでいる職員も多々いるというのが現状だし、様々な職場を転々としたあとに障害者就労支援施設の支援員になってすぐに退職するケースも見受けられるので、今回の資格制度の設立は遅きに失したという点は大きい。
精神疾患に関連して考えると、精神保健福祉士や作業療法士、ケアマネージャー、ホームヘルパー等の人々が関わると考えられるが、ホームヘルパーにしてもホームヘルパー三級に始まり介護福祉士まで試験がある。他の職種にしても同様。
なぜ専門的な障害領域や疾病に関する知識や技能を習得しておかなくてはいけない障害者就労支援施設の支援員だけが無資格で、必要なのはサービス管理者の講習のみというのは他資格と比べても公平ではない。
そもそも三障害という設定自体が問題視されるべきだろうと思うのだが、それを横に置くとしても、障害者就労支援施設の職員の質を担保する意味でも、今回の資格検定の設立は僕に関しては望ましいと思える。
今までは無資格の職員が自分の見立てで好き放題やっていたのだから、この資格試験に合格できない人間はいずれ退職してもらうことぐらいは考えるべきだろう。ホームヘルパーですら資格はあるし、看護師も国家資格に受からなければ単なる看護助手である。
社会的公平性を担保するという意味でも、利用者というか施設ユーザーの人権を保障するという意味でも、今回の障害者就労支援士検定の国家資格に向かう流れは望ましい限りだと思う。
この点は20数年前の精神保健福祉士試験設立時に似た混乱はあるような気がするが、当時の状況を知るものとしては五〜六年すれば状況は落ち着くと思う。
ようやく障害者就労支援施設や制度が正常化の方向に向かうのであるが、きちんとした職務上の対応ができる職員のみが残るべきだと強く感じる。
それから、僕の友人は「忙しい業務の間に資格試験の勉強なんて気の毒だ」と言っていたが、資格試験や昇進試験等を業務のあとに勉強することなど社会ではザラだし、そこのところの変な温情は無くすべきだ。まずは、障害者就労支援施設のサービス向上につながる制度に成ることを望みたい。反面、職員の社会的立場の安定につながる面が強いと思うので、彼らの身分保障という面でもこの資格および検定試験には価値があると考えている。
必要な検定の内容変更は厚生労働省が中心になって随時行うことを希望して終わりにしたい。
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