タイE-VISA申請体験記 2025年1月
2025年1月1日より、タイの滞在ビザを申請から受領までオンライン上で行うE-VISAの運用が開始された。観光目的や短期出張などでタイに行く場合は、日本のパスポートの場合、60日以内の滞在であればビザなしで入国ができる。それ以上の滞在期間の場合は目的にあわせてビザを取得する必要があり、現在、バンコクでタイ人の妻と子供たちと暮らしている私は、ノンイミグラントのカテゴリーO(以下Oビザ)と呼ばれるタイ人配偶者/扶養を目的としたビザを取得している。このOビザは90日間の滞在が可能で、90日以降は、タイ国内で更新の手続きが可能だ。今回、諸事情があり、新たにOビザを取得し直す必要があり、前述のE-VISAを利用して申請を行った。
オンライン上でビザ申請
そもそもビザとは、タイに入国するための許可証であるので基本的にはタイ国外で取得する必要がある。これまではタイ国外のタイ大使館に直接パスポートや書類を提出してビザ申請をしていた。東京だと目黒にあるタイ大使館に出向いて手続きする必要があった。それが、今年1月1日から、申請から受領までをオンライン上で行うE-VISAの運用が開始された。タイ外務省が管轄するE-VISAの公式サイト(https://www.thaievisa.go.th/)上で必要書類をアップロードして、申請から支払い、審査、受領の流れとなっている。
E-VISAもこれまで同様に、タイ国外にいる場合のみ申請が可能で、タイ在住の私は、一旦出国して隣国ラオスの首都ビエンチャンに向かった。
夜行列車で一路ラオスへ向けて
1月12日(日)20時25分発、バンコクのクルンテープ・アピワット中央駅よりラオスと国境を接するタイ東北地方ノーンカーイ駅行きの夜行列車に乗り込んだ。車両クラスは1等個室寝台、2等寝台の2種類があり、私は2等寝台の下段ベッド(994バーツ)をタイ国鉄のサイトで事前購入した。
*1バーツ:約4.5円(2025年1月)
https://dticket.railway.co.th/
ひとつの車両に36床のベッドがあり、折りたたむと向いあった座席としても利用が可能だ。きつめの冷房がかかっており毛布は用意されているものの一枚羽織るものは必須。170センチ90キロの私が言うのだから、かなり寒いということだ。列車は定刻通りに出発、サラブリ、アユタヤ、コーンケーン、ウドンタニなどを経て、翌朝6時25分に到着する約10時間の旅だ。
縦揺れ横揺れのなか、思いのほか熟睡でき、ほぼ定刻通りに終点の地ノーンカーイ駅に到着。最近のタイ国鉄は遅延が少ない。列車を降りると、その寒さに驚いた。気温8度。中国からの気団の影響で気温が低下しているとはいえ、バンコクから来た47歳の体には堪える。ノーンカーイ駅からラオス国境まで乗ったトゥクトゥクの5分間は凍えそうだった。早々にタイ側で出国手続きをして、バスに乗り大河メコンを超えてラオス側に着いた。
ラオス入国から大使館へ直行
日本人はラオス入国に際し、15日以内の滞在の場合はビザなしで入国が可能だが、在ビエンチャンのタイ大使館サイトにはこう書いてある。〝ビザ申請の処理時間は、ビザ代の支払い日から10~15日営業日がかかる” 例えば、受領までに15営業日がかかったとしたら、ラオスのビザなし滞在期限を超えてしまう。滞在期限前にラオスから一旦出て、再度ビザなしで戻ってくるという方法もがあるが、ビザ申請中にそれが可能なのかにも不安があった。今回は、念には念をで、国境でラオスのアライバルビザ(30日間滞在可能)を取得した。取得に際しては、証明写真1枚と40USドルまたは1,700バーツが必要となる。
在ビエンチャン・タイ大使館サイト
https://vientiane.thaiembassy.org/en/page/applying-for-a-visa?menu=63bcd64c12bee0714f516833
初めてのオンライン申請
日本国内からオンライン申請する場合は、支払いもクレジット決済ができるが、ビエンチャンで申請する場合にはオンライン決済ができないため、申請後、直接タイ大使館に支払いをしに行く必要がある。国境から乗り合いタクシーをチャーターして30分ほどでタイ大使館に到着した。大使館横にあるWI-FI利用可能なコーヒーショップでPCを立ち上げE-VISAサイトにログイン、必要書類をアップした。Oビザ取得のためにタイにいる時に、以下の書類をJPEGまたはPDFで準備してきた。
●パスポート顔写真ページ
●証明写真
●給与証明書
●結婚証明書
●妻、子供のタイのIDカード、住居登録書
●子供の出生登録書
E-VISAサイトは大半が日本語対応のため手順通り進めていけば難しいことはなく30分程度で完了。コーヒーショップの店内には、私と同じような申請をしている人が複数名いた。申請完了後、QRコードのついた支払い書を大使館向かいにいるプリンター業者で印刷(A4、1枚20バーツ)してもらう。そのプリントを持参して大使館に入館、建物右手にある半屋外のエリアでは6名ほどが列を作っていたが、ものの10分程度で私の番になり、ビザ代2,000バーツを支払い完了。大使館職員曰く、書類が揃っていれば10日より早く出る可能性もあるかもしれないとのこと。尚、大使館への支払い自体は、月曜日から金曜日(大使館の休日を除く)の午前 9 時から午後 12 時の間に、申請者本人または第三者がタイ大使館領事部(15 Bourichan Road, Ban Phonesinuan, Sisattanak District, Vientiane Capital)で現金(タイバーツ)で支払いとなっている。
【至急!】大使館から連絡アリ
ビザがちゃんと出るのか、出たとしても何日かかるのかもわからないなか、タイ大使館を後にして、まずは今晩泊まるメコン川エリアにあるビエンチャンBBホテル(1泊、約700バーツ)に移動した。4階建てのアットホームな雰囲気の中級ホテルで、比較的新しい清潔な造りだ。荷ほどきすると、約5年ぶりとなるビエンチャンを歩いた。外資系の高層ホテル、中国資本のアイスクリーム店『MIXUE』、アディダス、iPhoneショップなどバンコクでもおなじみの風景がここビエンチャンでも目にすることができた。滞在中は韓国人観光客の姿を見かけることが多く、町中でもところどころでハングルの看板があった。そして、滞在の一番のお楽しみといえば、夕暮れ時のメコン。毎回、必ず立ち寄るSithane Rdのレストラン『SamYek Parkpasak』のテラス席でラオスのビール『ビアラオ』を片手に対岸のタイに沈む夕日を眺めた。気が付けば大瓶が3本、、、
ほろ酔い気分で、ホテルに戻りPCを立ち上げるとE-VISAの担当者より、ラオス入国スタンプページの画像を追加提出するようにとメールが入っていた。急いでE-VISAサイトにログインして手順通り追加書類を登録するとステータス確認の項目が、審査中に変わった。
ビエンチャンのホテル事情
翌日14日(火)、1泊分しか取っていなかったホテルだったが本日以降、数日間は満室が続くとのことでやむなく移動。徒歩5分のところにある中国資本のホテル『WINホテル』にチェックインした。今回、ホテル選びには頭を悩ませた。まず、想像以上にホテルが高い。ハイシーズンということもあるのか、中級ホテルの場合、700バーツは当たり前で500バーツ以下だとドミトリータイプが多くなる。今回は、何日間滞在するかもわからないため、できるだけ宿泊代は抑えたかったが、日中はホテルで仕事をする必要もあり、ドミトリーというわけにはいかなかった。1泊700バーツのホテルにで、10連泊したらいくらに、、、と不安で一杯ではあったが、夕方になると相変わらずビアラオに手を出すもんだから、本末転倒である。
巨大もち米籠との遭遇
1月15日(水)起床すると、E-VISAサイト上で進捗状況を確認。昨日と変わらず審査中のステータスのままだ。このまま、もやもやしていても仕方ないので、観光地パトゥーサイへ向かった。パリの凱旋門を模して建てられた戦没者の慰霊塔で、展望台からはビエンチャン中心部を一望できる。本日も相変わらず気温は低く、ジャンパーとリップクリームが手放せない。その後、町を歩いているとスクーターに超特大のもち米籠を乗せた女性を発見。市場でもち米とおかずを売ってきた帰りで、焼きバナナ売りのお友達とおしゃべりの最中だった。タイ人の妻がいることを告げると、「どうして奥さんも連れてこないんだい?」「ラオス人の奥さんを探しに来たんだよ」なんていう世間話をしながらも、もち米や、焼きバナナ、とうもろこしまで朝からお腹いっぱいにいただいてしまった。ラオス語とタイの東北地方の方言であるイサーン語は非常に似ている言語で、また、ラオス人はタイ語を理解する人も多い。隣国といえども、色々な意思疎通が取れありがたい。
夕暮れ時、もはや日課となりつつあるビアラオタイムを楽しんでから、部屋に戻り、明日のホテルを予約し終えた22時過ぎころ、タイ大使館からメールが届いた。無事にビザが発給されたとのこと。
メールには、パスポート情報、ビザの種類、私の顔写真、そしてQRコードが付いたPDFが添付されており、タイ入国の際、係官に提示してくださいとのことだ。10~15営業日がかかるものと思っていたが、申請から実質、中1日でビザを受領することができ、拍子抜けした感もあるが、まずは一安心だ。
タイ入国へ
翌日、1月16日(木)にタイに戻ることもできたが、もう1泊分ホテルを抑えていたため、17日(金)にラオスを出国することにした。16時頃、来た時と同じく、メコン川をバスで超えて、タイ側の入国管理局で、パスポートとQRコードを映したスマホを管理官へ渡す。同様の情報が管理官のモニターにも映っているのだろうか、画面とスマホを何度か見比べただけで、なんの問題もなく3か月滞在のスタンプを押してもらいタイに入国できた。
場合によっては2週間ぐらいラオスでホテル暮らしかと考えていたが、思いのほか早くビザが出て安堵している。とはいえ、今回これほど早く発給してもらえたのは、たまたまタイミングが良かった感が強い。ビザの種類、申請のタイミング、書類の内容など状況によっては、大使館が記載している通り、10~15営業日がかかることもあるかと思う。
タイ側の町、ノーンカーイから夜行列車でバンコクに戻る前に、メコン川沿いのレストランに寄り、今度はタイ側からラオス側を眺めた。ビアラオも良いが、タイのビアリオもこれまた良いものだ。これだから旅はやめられない。
時系列
■1月13日(月)
午前中:申請および支払い
午後:大使館から追加書類(ラオスの入国スタンプページ)の提出依頼
夜:E-VISAサイトに追加書類を登録
■1月14日(火)審査中
■1月15日(水)夜22時、ビザ発給を知らせるメール
■1月17日(金)ラオス出国→タイ入国
*ラオスの通貨はラオスキープですが、ビエンチャンではタイバーツを使えるところもあり、文中ではバーツ表記といたしました。(1バーツ:4.5円)*2025年1月
<注意>
上記リポートは、私が2025年1月に体験した情報を元に作成しております。申請から受領までの手順、必要書類、状況など変更の恐れもありますので、E-VISAサイト上で随時、確認をお勧めいたします。また、申請にかかる日数についても申請する在外国のタイ大使館、タイミング、ビザの種類、書類の内容などにより差があると思います。在東京タイ大使館のサイトにも記載があるように、15営業日を目安に余裕をもった申請をしていただくのが良いかと思います。皆様の素敵な旅をお祈りしております。
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