マンパワーに依存しがちなチーム作りの限界
基本的に、継続して結果の出ていないチームって
キチンと投資してないよね
という事が目立ちます。というのも、12球団見ても大分路線の違いが出てきているから。
単純に言って、ホークスはお金を出して常勝チームにしよう、という方針が明確。孫さんが世界一になる、という目標を持っているからなんでしょうね。そしてファイターズは、
費用対効果を最重視する
という方針が感じられる。だから旬が若干過ぎたあたりでドライにトレードや放出などして、育成環境を維持していく。選手もどういう立ち位置になったら外に出ていくことになるか、わかるので決して悪いことじゃない。
こういう意図が伝わってくる球団は安定的な成績を挙げている。ライオンズも選手の育成が基本、というものがあってFAなどでの外部からの補強はしない。だから、生え抜きの選手も内部での競争に打ち勝たないといけない、となる。この辺りは下にまで方針が浸透できるかどうか、というのが重要だなと感じさせてくれますね。
一方、結果の出てない・不安定な球団の場合大体が
方針がハッキリ見えず、二転三転する
ことが多い。前に触れたような、オリックスやタイガースの場合が該当する。一方、方針は同じでももはや限界にきているな…と感じるところもある。それが
スワローズやマリーンズ
なんですよね。
マリーンズの場合、まだいいんですよ。千葉という土地だから、インフラを整備しようと思ったら、土地のコストが低くて済む。投資しやすい環境という余地がある。だから、マリーンズは今はまだ深刻な問題にはなってないと思う。
一方、東京に本拠を構えるスワローズは私はもう限界だな…と思います。というのも、他球団の中で方針とその継続、それによる底上げが実現しつつある球団(=カープ)や、資金力によって差を生み出せる球団(ジャイアンツ)、経営方針を明確にすることで今後の方向性がブレない球団(ベイスターズ)、といった形でかなり個性がハッキリ出てきた。
その中で、ドラゴンズの場合は森さんのコネクションによる外国人依存でチームを支えている構図。さらに自前の球場や施設を持つため、ここでもインフラについて悪い訳ではない。今後課題は出てくるしょうが、まだゆとりはある。
スワローズはそういう条件で見ていくと、
1:本拠は神宮で借り物、自前ではない
2:東京という場所柄、施設を持つことも作ることも極めて困難
3:親会社であるヤクルトの資金力にも限界がある
これら三つが特にクローズアップされるところでしょう。
私が見るに、スワローズが最近非常に不安定な成績(Aクラスに行くと思ったら翌年大負けする)になっているのは
今までのやり方の限界
が背景にあると思います。
スワローズの方針は、
基本育成、足りないところを外国人で補う
というものだと思う。しかし、育成といっても育成契約が少ないし、リハビリの選手を置いておくため、といった経費節減だろ?と思しきやり方をする。球団の施設としても、神宮が自前でないため、クラブハウスといっても球団だけで賄っている領域がどこまであるのか。その辺りも疑問符が付くことが多いんですよね。
スワローズが最近こうした大負けしやすくなってる構図の根本原因は単純で、
単に抱えている人数というパイが小さいから
でしょう。ホークスみたら分かりますが、あれだけけが人が出てもチームが壊れないのも、育成も含めた人数というパイがそもそも広いからだし。そこから一気に一軍にまで駆け上った実例があるから、たとえ二軍・三軍にいても選手自身が
もしかしたら俺も…
となる。だからこそ、デビューしてもある程度の活躍ができるんだと思う。
こういう人材供給のサイクルができているため、ホークスがチームとして崩れることはないんですね。外国人についてだって、いろんなケースを想定して抱えている。グラシアルにしたって、来日当初はひょろっとしてて今の様にパワフルな選手じゃなかった。この辺りも、鍛えれば化ける、と見込んだからだろうし。
こうした見込みや見通しの下に人材の獲得・配置をしているから、あのような成績になってる。きわめて合理的でわかりやすい、と私は思います。それだけに、スワローズのやり方は
レガシー(チームの遺産)に頼りすぎ
なんだと思う。
そもそも、限られた中でやりくりして一定以上の水準を出す、というのはある意味日本人的な長所でしょう。しかし、相手も同じ日本人なら、同じように努力したら結果は同じ。もしそこで、相手の方が自分よりゆとりがあったら?そりゃ相手が勝つでしょう。要はそういう事なんですね。
スワローズに恨みはありませんが(苦笑)、最近の状況を見ているとけが人とかがすごく多い。ピッチャーの酷使もかなり気になるし、最近はずっと防御率が悪い。これは単純に
廻せる人数が足りてない
からってだけでしょう。
だからこそ、スワローズに対しては経営としての判断を求めたくなる。それは
1:育成環境を整備するため、本拠地移転
2:3軍制を敷いて、育成契約を本来の意味で使う
3:一社保有をやめ、資本を増やしてチーム作りに生かす
ということ。1については最低限二軍以下の施設を安価な土地に構えるなら、神宮は試合するための場所、と割り切ればよい。
スワローズに関しては山田哲人選手の様に素晴らしい選手がいる一方、投手は酷使によって不安定なまま。投手の枠を増やすべく、人をもっと雇っておかないとブラック企業みたいになりかねないと思う。
穴埋め、やりくり発想の限界
を感じますね、スワローズの荒れっぷりを見ていると。