見出し画像

朝でもなく夜でもなく大根を煮る

11月某日      


平日休みの日。
まだ真っ暗な時間に猫が顔を踏みつけて起こしに来る。猫が頭の上を行ったり来たりしても目を覚まさずにいると、額を頬にゴリゴリと擦り付けて鳴く。絶対にこの人はこれで起きると確信している鳴き方をする。人たらしめ、そう思いながらも、やっぱり今日も起きてしまう。
夜中の3時だった。

真っ暗な部屋でイマジンという映画を見る。
視覚障害を扱った映画だからなのか音の輪郭がとてもくっきりしている気がする。もしかしたらこの時間に見たせいもあるかもしれない。

来週分の晩ごはんの作り置き
・カレー(羊肉、トマト、じゃがいも)
・大根と里芋と手羽先を煮た
・玉ねぎをクタクタになるまで炒めたのに焼いた鶏肉を合わせた
・もやしを茹でた

まだ家族は誰も起きていない朝の5時20分、もう3日くらい休まずに働き続けている気持ちになる。今日が何月何日なのか、シーソーのぐらぐらする真ん中に立ってバランスをとっている感じになった。

午前中爆睡。

お昼過ぎ「こちら●●市防犯センターです。昨日午後●時頃より●●町の●●さん●●歳の行方がわかりません(わかりませんじゃなかった気がする)」というお知らせが聞こえてくる。でも肝心要の特徴の部分がはっきりしない。名前がぼんやりとしか聞き取れなくて●●さんが男性なのか女性なのかもわからない。その地域放送は、何度も何度も繰り返し繰り返し放送される。4度目くらいで、緑色の靴を履いていることがわかり、5度目で茶色のジャンパーを着ていることもわかる。
4時半頃「見つかりました」という放送に変わる。

夜 イカと鶉の卵と豚肉とチンゲン菜を炒める、湯葉の間にゴマペーストが挟まった何か(新製品)大根の味噌汁

K氏が帰宅してからずっと猫は自分の小さなベッドでカブトムシの幼虫みたいに丸くなって寝ていた。


いいなと思ったら応援しよう!