はつゆき

１２月某日

仕事場に着くとＫ氏からラインのメッセージが入っていた。
開くとふ、ふ、ふ、ふふと画面に雪が舞っていた。スタンプで返事をするとすぐにスタンプが返ってくる。

エアコンが不調で寒いせいか（部品を取り寄せているらしい）職場内の会話が少ない。自分も含めて皆、なるべく口を開けないでコミュニュケーションをとろうとしている気がする。
このまま寒い状況が続くと、職場内だけで新しい東北の方言みたいな言語ができそう。

昼　ゆで卵まるまんま挟んだだけのパン
塩と流れ出ないギリギリのゆで卵を挟んだぜいたくなぜいたくなパン、オレンジ色のてらてらした黄身が見えてくると初日の出に出会った時より嬉しい。
誰にも見せないようこっそり食べた。

家の扉を開けると、青林檎の香りでいっぱい。
前の日に林檎が一箱届いて、家で一番寒い玄関脇に置いたせい。

夜　南瓜のカレー

はつゆきは「既読」の上にやわらかく指でたどった夫婦のあしあと