キングオブコント2024を観て思ったこと

何と言おうとめちゃくちゃ面白かった今年のキングオブコントの感想を書きます。



【観る前に思ったこと】

何だかんだKOCも「今年は余計なことせんとってくれよ」と願いながら決勝を待ち構える、という時期も最早懐かしいくらい、ここ数年、特に審査員が松本人志+過去王者で固められるようになってからは、所謂大会のガワの部分での不満は概ね無く、これでKOCも安心して楽しみにできるなぁと思っていたんですが、今年はまさか、松っちゃん不在の芸能界がこんなにも長期になるとは思っておらず、松本人志は審査員に必要だと思っている身としては、今年の審査員どうなるんだろうというのは気になるところでした。結果的に過去王者からシソンヌじろうが加わっての5名ということで、個人的には申し分ない選出でめちゃよかったですね。勿論う大さんでも最高だったけど、説得力という意味ではじろうさんも同じくらい最高なので、ここは胸を撫で下ろしました。

あと、決勝10組に関して、一応準決勝を配信ですが観て、自分なりに決勝来そう、観たいと思う組を思い巡らせていましたが、“概ね”期待と下馬評どおりで、準決観て特に面白かった組、とんでもなくウケた組がほぼほぼ順当に進出していて、ここも基本は安心する結果でした。中でもロングコートダディは本当に準決勝の仕上がりがエグくて(実際決勝観た後だからわかってもらえると思いますが)、正直今年はロングコートダディの年になると、この時点で全然そう思ってました。
ここまでちょっと含みをもたせた表現をさせてますが、実は僕の中では、準決観てから決勝進出者発表までは、「今年はロングコートダディとしずるの年になる」と確信していて、何なら「しずるとロングコートダディの年になる」と思ってたくらい、しずるの決勝返り咲きを信じて疑っていなかったので、その1点だけは正直心残りではありました。しずるの準決勝2本とも僕はマジでめちゃくちゃおもろすぎて笑いまくったので、今年落ちたのは正直何でよでしたが来年以降も同じネタでリベンジしてほしいくらい、今年の2本は決勝でぶちかましてほしかったっすね。決勝行って披露できなかった幻の2本目とかじゃなく、一度準決で落とされたネタをまた準決にぶつけてもまた落とされるだけなのかもしれないけど、そんなことを思いたくなるくらい、今年のしずるマジでおもろすぎました…

まぁでもそんな後ろ向きな嘆きは決勝進出者発表当日に散々自分の中で消化しきって、あとは決まった10組を全力で楽しみにして決勝当日を迎えました。ということで、次段落からが決勝の感想になります。これでも毎回ネタの感想以外は極力文字数削ぎ落とすつもりでやってますがこの時点で既に1000文字超えてました。ここに書いても意味ないんですが全然この辺の戯言は飛ばしてもらっていいので、そのための目次なので、初めて読んでいただいた方は次回以降、もしまた読んでいただけるなら、憶えておいてください…


【1stステージ】

  ロングコートダディ

いやちょっとマジでめちゃくちゃ面白すぎる……
1組目1本目にやるにはあまりにも勿体ないと思ってしまうくらい、僕が思うコントとしてのクオリティーがめちゃくちゃ素晴らしくて、何より、大好きなお笑いでした……
花屋で店員さんにおまかせしといて実際出されたものを否定し続ける、という大筋はめちゃくちゃシンプルながら、客の謎にマウントとって否定するスタンス、しかも否定するくせに具体的な提案は一切せず店員に任せ続けるという、絶対に一緒に仕事したくないタイプを演じる兎のイヤらしさが最高に面白いし、それに直接キレるとかじゃなくしれっと相手を煽る感じで抵抗していこうとする店員さんのスタンスも堂前の飄々とした感じが活きてて最高だし、余計なセットとか大胆な構成とか極力使わず舞台中央のやりとりのパターンだけでチクチク笑かされる感じ、それこそロコディの漫才とかでもある感じだけどめっちゃ面白いよな〜〜と思ってたところで、最後に店にトラック突っ込んできて店員さんを客の兎が助けに戻ってくるっていう急展開からの、堂前店員の「まだ、マイナスです」の一言、めちゃくちゃシビれましたね。
舞台中央での2人の会話のやりとりだけだと、実際は小道具とかもあるから漫才と一緒とまでは言わないものの、コントとしてはそこまで栄えないというのも正直あって、僕はそれだけでも内容が充分面白ければそれでいいし実際充分面白かったから何ら減点とは思わなかったけど、最後にここまで大きい展開、爆笑を起こして終わっていくって、コントの構成としてもめちゃくちゃ凄いし、何より一言であこまでの大爆笑を生み出せるのが、お笑い的にも最強で、最高のコントでした。

このネタ準決では2日目にやってて、個人的に決勝10組の2本ずつの中でもトップクラスに笑ったネタでした。そしてロコディの準決1日目のネタ(結果的に決勝2本目)もめちゃくちゃ面白くてキャッチーさもあったから、この序盤一見地味めな花屋のほうは2本目に置いておいて最後の最後「まだ、マイナスです」の大決定打で優勝、という筋道が僕の中では見えてたつもりだったので、まさか1本目、しかも1番手でいきなりこっちやってまうんか〜って、最初正直思っちゃいましたが、1stの結果としては1番手とは思えない高得点がついて、このネタ大好きの僕としても安心しましたし、寧ろ終わってから考えるとトップバッターだったらこの花屋を1本目にしたほうがよかったのかもしれないですね。それでまた昨年に続き1番手から激高得点が出たことで、結果今年は昨年以上にものすごい僅差での争いが起こることになるという、今年の大会の動向を左右する結果を導くことにはなりましたが、大会全体の盛り上がりに一役買ったことは間違いないし、何よりめちゃくちゃ面白かったので、それもまた一興ではあったと思います。とにかく、このコントの面白さがしっかり評価されて、最高すぎました。
 

  ダンビラムーチョ

マジでおもろすぎる!!めちゃくちゃ笑いまくりました…
「冨安四発太鼓」という、実在してもギリおかしくないけど本当に実在したとしたらめちゃくちゃ変っていう絶妙な架空のローカル伝統芸能が、四発のタイミングへたくそっていう実態含めておもろすぎるっていう、この設定思いついた時点でもうだいぶ勝ちっていえてしまうくらい最高でした。ほんでこの設定に大原のクソジジイの演技が抜群にマッチして、裏方に当たり強かったり余計なことしてしまう感じだったり、地元のリンゴだから大丈夫だったり、そら後継者おらんようなるわっていう悲壮感のない残念さが、めっちゃイヤなんだけどそれがめっちゃおもろかったし、後半で客の原田フニャオが体験することになって結局5発以上叩いたの制止しつつ「いいな〜」と言っちゃうところも、めっちゃ好きでしたね。そんな原田フニャオのほうも、ツッコミ役ではあるし一応まともな役柄のはずだけど、こいつはこいつでそれこそ「太鼓大好きなんだよな〜」の台詞だったり何かちょっと変っていう、何かネタ中ずっと何してんのっていう空気感が充満してて、何も考えずにアホほど笑いまくれる、最高のお笑いでした。

2組目でロコディとはまた、要素としては微妙に相通ずる点もありそうだったけど笑いの取り方としては全然違う感じの仕上がりになっていて、おもろさ・ウケでは正直言うほど負けてはなかった印象もあり、ここでどっちが高得点取るかで今年の大会の方向性が決まっていきそうな気配も個人的には感じていたんですが、やはり点数としてはロコディには少し及ばず、となってしまい、最終的に順位も6位に着地する感じでした。でもこの順位で1位と10点も離れてないし、こういうお笑いが大好きな層もいっぱいいると思うので、ダンビラらしいアホ楽しい笑いを充分カマせたように思います。
因みにダンビラの2本目、準決では1日目にやってた、幻の今年4本目になったかもしれない野球部のコントも、個人的にはそっちのほうが(準決で初見だったこともあり)より笑いまくっていたので、こっちもまた来年以降持ち越して決勝で披露してほしいと思ってます。野球部コントはもうやりにくいかもですが。
 

  シティホテル3号室

めちゃくちゃ面白かった!今年もまだ面白すぎない組出てこなくてヤバい!
テレビショッピングの予定調和っていう、お笑い的にはかなりベタな設定を、行くところまで行き切るどころか完全に常軌を逸したやりすぎ度合いで見せる、というところでも普通に面白いネタだと思いますが、それを表向きは過剰にやられてる、販売元の社長側のほうが仕掛けた台本だったっていう裏切り、最高に面白いですし、それがネタバラシされた上で2品目にいったときに見える全然違う景色、抜群の構成だったと思います。そんな構成のキレイさに加えて、値下げ交渉のエスカレートのさせ方も非常に狂気的で面白く、構成上の裏切りという観る側の想像を超えて見せた後に内容のエスカレートでまた想像を超えてくるという、両面の裏切りが気持ちよくハマってて、マジでめちゃくちゃ良いコントでした。

マジでめちゃくちゃ面白かったし審査員の評価もかなり高く、ただ近年のえげつないレベルの高さの中では結果的に少し埋もれてしまった感はあったかもしれないです。でもやっぱりめちゃくちゃ面白かったのは間違いないので、ここはしっかり言っていきたいですね。
シティホテル3号室は、それこそABCとかも決勝経験あるし実力あるコント師のイメージはもってるけど、個人的に普段観てるライブ等で観る機会も少なく(これは僕の観るところが偏ってるだけ)、僕の中ではまぁまぁ名前を見かけない存在になってしまってましたが、今年このネタを観て、いやめちゃくちゃ面白いんかい!て、改めてこの実力をしっかり印象づいたので、この決勝進出を契機に、更にいろんなところで目に触れる機会が増えたら最高だと思っています。
 

  や団

ここもめちゃくちゃ面白かった!もう4組目なのに全然息つく暇もない面白すぎさでエグい!
工場内での泥棒を疑って正義感強すぎる奴が過剰に取り調べを行っていくという、これぞや団みたいな狂気とバイオレンス溢れる面白さが見応え抜群で、でもそういう荒々しい面白さだけじゃなく、子どもの描いた絵だったり誕生日だったり、全ての要素がフリになっててちゃんと回収される気持ちよさとか、ロングサイズ伊藤の役の奴が犯人でもないのに肛門に2000円札入れてた意味不明さとか、ボケのパターンも豊富で、流石決勝常連の凄みを感じました。3人のキャラとか関係性としてはや団が最初にKOC決勝来たときの死んだふりした奴をマジで埋めようとするネタに通ずるものがあり、や団の真骨頂をぶつけてきたという感じでアツかったです。

や団は3年連続決勝でしかもずっと上位、最初はファイナル進出できたものの昨年と今年は僅か数点差で1st敗退という、芸歴的にも今の出場者の中でもだいぶ上のほうになってきてるから早よ抜け出したいでしょうに、こんなにもめちゃくちゃ厳しい戦いをずっと強いられていて、それでもやっぱり決勝に戻ってくるっていう不屈の精神はマジで凄すぎるので、マジでがんばってほしいです。
僕個人としても、決勝来れるようになる前から本間さんをバッファロー吾郎A先生せきしろさんとともに観させてもらってるユーモアファンとして、応援したいですし、何より決勝常連組となるまで本業のトリオ活動が飛躍されているのがめちゃ嬉しいです。
 

  コットン

流石に面白くなかったとまでは言えず、面白いコントではあったと思いますが、ここでガクッと点数が下がってしまうのは、正直納得感ありますね。
やってること自体は勿論面白いですし、人形劇がドラマすぎて見入って感極まったきょんが劇に割り込んでしまうタイミングとかその演技とか、かかるBGMとか、ペットボトルのギミックとか、何だかんだ笑っちゃう部分も間違いなくあるんですが、ただただ「こうなるんだろうな」のとおりに進んで終わった印象で、流石にこの激激ハイレベル決勝の中では、そら埋もれるわっていう感じでした。勿論予定調和ならではの面白さって軽視できないし、絶妙なJPOP BGMでエモさを演出するのも、客ウケも保証されてるし僕だって結局笑っちゃうような確実性のある手法だとは思うけど、如何せん数年前のトレンド感は否めず、年々賞レースのレベルがおそろしく上がっていってる中で、それこそコットンは2年前に決勝来たときと同じくらいのことをやっていたような気がして、これを決勝に上げてしまったらそらこうなるやろなって、結果論でもなく準決の時点で思っててホンマにそうなってしまいました。

感想に嘘をついてもしょうがないと思って正直に書いたらネガティブなものになってしまいましたが決してコットンが嫌いということではなく、寧ろ今のポジション的にここまで賞レースがんばらなくても活路が見えているように思えるコットンが、未だに劇場に所属してテレビとかのデカい仕事と同じくらい日々のライブにも注力してネタづくりにも手を抜いていないというのは、芸人として凄いことをしてるしマジで尊敬できるレベルです。ただ、あくまでも今年のKOCでの仕上がりという意味では、決勝レベルでは厳しかったというだけなので、勿論ここに到達できているだけでめちゃくちゃ凄いことではあるのですが、まぁ他の決勝組と比べてということになるので、仕方ないですね。
今後コットンが、KOCとか、M-1とかも、どういう向き合い方をしていくのかは全然知らないですが、引き続き挑戦を続けるのであれば、マジでがんばってほしいです。
 

  ニッポンの社長

おもろすぎる!!!!!しぬほど笑いまくったし、惚れ惚れするくらい純度の高いお笑いだったように思います。
ケツ演じる一見軟弱そうな野球部の新入生が、打っても投げても守っても全部抜群に上手くて、でも声はめっちゃ小さい、それに「声小さいねん」とバットでどつく、バットが激しく折れる。このシンプルな構図ながらえげつない緩急の笑いの獲り方、シビれまくりっすね。勿論途中で挟まる、自ら足に自信あると言うといて走るのはちゃんと遅いっていう細かい裏切りとか、自分語りの声小さすぎて感動のBGMに全負けして、内容分からんまま急に闇落ちしたり馬乗ったりすんのとか、+αの発展のさせ方もめちゃ面白いし、でも基本は声小っちゃいっていうボケ1種類で突き通すっていうのが、僕的にはとにかくおもろいことやったらそれでええがなっていう気概を感じ取れて(実際本人がそう言ってるとかではないけど)、あまりにも最高すぎました。

中身は全然違うけど、とにかくおもろすぎるのみっていう意味では、今回の審査だとダンビラ同様意外と点数伸びない感じになりそうかもと思ったら、思った以上に点数伸びなかったですね、主に飯塚の点数が。
飯塚の点数が相対的には低かった理由はその場でコメントされたとおりで、なぜか今年急にトレンド急浮上した「審査員の好み」については最後に言及するかもですが、これは別に好みとかではなく、飯塚さん自身に確固たる理想のコント論があって、それに相反する部分があったから、他と比べて点差・順位をはっきりさせて審査する上で、点数を下げるという判断だったんだろうと思いますし、審査員としては至極真っ当な姿勢だと思います。
その点、これは審査員でも何でもない素人の僕のただの好みの問題なんですが、僕は、折れまくる大量のバット、そしてベンチや給水器までも壊しまくる、その素材が明らかに発泡スチロール的なリアリティの欠片もないものっていうのが一瞬でわかるっていう潔さがめちゃくちゃおもろいって思いましたし、最後ケツが掃除しとけって言われてその粉々になった元野球道具の発泡スチロールをトンボで片すっていうところで、若干メタかもしれないけど、これらの発泡スチロール製の道具類がコントを演じる上でご都合主義的に用意された小道具ではなく、あくまでもコントの世界観の中にきちんと存在しているものなんだと思えて、必ずしもコントのノイズのようなものとは言い切れないと思って、飯塚さんの言いたいこともわかるけど、そんなん超越してめちゃくちゃおもろかったんやからそれでええやん、と、思いました僕は。

ニッ社は5年連続決勝進出で、これまで数々ひたすらおもろいコントをやってはそのおもろさほどの点数が伸びず(マジでちゃんとおもろさどおりに点数伸びたのは昨年の1本目くらいじゃないかと思ってます)、なかなか厳しい戦いを強いられてますが、それでもここまで決勝に上がり続けているのは、予選の審査員にこの辺で1回休みとか考えさせないくらい、おもろすぎるネタをやり続けてるからだと思うので、いつか決勝の審査員にも余計な口挟ませないくらい、圧倒的に面白いものを、見せつけてほしいですね。僕的には毎年やってくれてる認識なんですけど。
 

  ファイヤーサンダー

とんでもなく面白すぎる…ホンマに完璧と言っていいくらい何もかも良く出来まくったコントだった…
『毒舌散歩』という街ブラロケで芸人が一般人の見た目を犯罪者みたいにたとえツッコミをしまくったら、本当に一般人が皆そのツッコミのとおりに犯罪をやっていて逮捕されたっていう、この設定マジでとんでもない面白すぎさですよね。しかもこの設定のバラし方として、その芸人の自宅に刑事が訪れて、警察に連行されるのかと思いきやスカウトで警察に来てくれと言われるっていうのがまためちゃくちゃ最高で、設定バラシの爆発力としては間違いなく今年No.1だったと思います。正直この設定バラシの威力だけでも充分面白すぎるネタで勝負できるレベルだと思いますが、でもここで満足せずに、スカウトしに来た刑事に、証拠捏造とか、工作員とか、そんなたとえツッコミをいれることで、それらが事実だと次々判明していく展開、それに対する「君はたとえ過ぎた」「勘の良すぎるツッコミは嫌いだよ」の返し台詞、最高すぎましたね。ザ・悪役のありがちな台詞に「たとえ」「ツッコミ」というお笑いワードが混ざる面白さ、ここまで飛躍させられたら、そら完璧と言っても言い過ぎじゃないレベルで、最高すぎるネタだと感嘆しました。

結果的にロコディの高得点を1点上回っての1stステージ1位通過、飯塚の最高点も得て、そんな高評価も納得の最高の仕上がりで、素晴らしすぎました。ファイヤーサンダーのここに来ての最高評価は、マジで最高。
 

  cacao

めちゃくちゃ面白かった!オリジナリティーのある設定で最若手ながら堂々とカマしてて素晴らしかったです。
今決勝2本目の野球部コントは、部員が少なすぎてグラウンドも使えないというところから、部室の中で練習、『部屋練』をはじめるというネタで、最初は恐る恐るキャッチボールやりはじめるところから、時が流れ、いつしか部屋の中で思いっきり全力投球やるのが当たり前になってるっていう導入から抜群に面白くて一気に引き込まれるし、そこからの監督交えて3人での本気バッティング練習をはじめてヒートアップしていく展開、ここのテンポ感とバリエーションマジで最高ですね。勿論実際にボールは使わず音響で補完してるんですけど、それでも狭い部屋の中でイカついことしてるっていうハラハラ感はめちゃ伝わってきてめっちゃおもろいし、やっぱりこの、投げて打って捕っての3テンポがめっちゃ気持ちよくて、トリオだからこその面白い仕上がりだったと思います。
あとメインではないけど、投球練習で全力でスライダー投げて「曲がった?」「わからん」のやりとりとか、こういうリアルにはあり得ないシチュエーションでリアリティーある台詞が出てくるのとかも好きでした。

結果的に7位ではあったけど、ニッ社と同点で1位と10点も離れてないことから、決して悪い評価ではなかったと思うし、何より結成5年目の近年では珍しいめちゃ若手ながらここまでやれてるのは、マジで結果以上に凄いことです。タレント揃いの大阪NSC41期の中でもコントの雄として注目はされていたと思いますが、何気にこの全国規模の大型賞レースで決勝進出はこの代では初の快挙だし、そこでこの、堂々と質の高いコントで好評を得たというのは、ホンマに凄すぎます。まだまだ若くて将来有望すぎるし、大阪でコントがんばってるってのも素敵やんだし、これからも期待しまくりたいです。
 

  隣人

ここも面白かったことには違いないと思うものの、今年の決勝のメンツ・出来の中では、点数・順位の面でまぁこうなるのも仕方ないかなぁ、という感じになりますかね。ちょっとコットンと似たような方向性の感想になってしまいますが。
昨年決勝でチンパンジーのコントを披露し、そのとき未披露となった2本目もチンパンジーのコントだったという、その2本目が今年披露されたわけで、年跨ぎで同系統というかシリーズもののコントをやってのけたというのは、まだ誰も試みてはいなかったという意味では、凄いことしてるとは思います。ただ、正直僕の感覚では、やっぱりそういうメタい凄さだけで勝てるレベルの大会ではないというか、結局このネタ自体の面白さが「チンパンジーがリアルな人間みたいになってる」の範疇でしかないというのが、ちょっと勿体ないというのが、あくまでも僕の個人的な印象としてはありますね。それこそ最初にチンパンジーがTVつけて阪神のニュースで音量上げるとことかはちゃんと面白いんですが、その感じの面白さがずっと続くだけだった、というのが僕の正直な感想です。ネタ的には、今更チンパンジーっぽい動きした後急に無になって近寄っていくところで爆ウケしてましたが、僕的にはそれも想像を超えてくるようなレベルではなく、結構冷静に見てしまってました。ここに関してはじろうさんの審査コメントで、もっと溜めたほうがよかったとありましたが、確かにそういうちょっとしか見せ方の違いでより虚を突かれて笑える感じになったかもなぁとは思いましたが。その辺も含めて、やってることは凄いけど内容がやや惜しいというふうに、僕は思っちゃいました。

昨年は最後までチンパンジーの被り物を取らなかった中村遊直も、今年は審査コメント時に素顔を出していたことから、実は今年の2本目もチンパンジーだったけど来年は流石にもうチンパンジー縛りではKOCに挑むことはないのかもしれないと勝手に思いました。全然チンパンジーだけが隣人のコントじゃないので、どんなかたちであれ、ここも大阪コント師の雄として、今後とも面白コントで戦い続けてほしいですね。
 

  ラブレターズ

マジで面白すぎる…いろんな感情が乗っかってくるとんでもないネタだけど、まず何よりも「面白すぎる」と言いたい、面白すぎるコントでした…
引き籠もりの息子を抱える冷めきった夫婦という、特別新しいわけでもなく、何なら社会問題としても一般化されているようなシンプルシリアスな設定ながら、不意に息子のズボンのポケットからどんぐりが落ちたのを見つけ、そこから繰り広げられる怒涛の展開、大筋だけなぞるとストレートに感動させられそうなまっすぐドキュメンタリーで、しかもその主軸がどんぐりというノスタルジー溢れるアイテムでハートウォーミングさも演出されていながら、どんぐりを盛大にブチ撒けるド派手なギミックだったり、どんぐり笛の少年時代のあまりにも細すぎる音色だったり、溜口の過剰に感情剥き出し顔の演技だったり、随所に振れ幅のデカい緊張と緩和が織り交ぜられていて、途中何度も胸にグッとくる場面が確実にあったのに結局ゲラゲラ笑ってしまってるという、マジで最高傑作だと思いました。
やはり袋にパンパンに入ったどんぐりをブチ撒ける瞬間はこのコント最大の見せ場で断トツウケまくるところだと思いますが、見た目のド派手さは勿論、これをいちばんキレイに見せるために、自宅のリビングの設定にしても後ろの壁がデカ白すぎるっていう潔さとか、大量のどんぐりが弾け飛ぶきっかけが夫婦の桜木流川ばりのハイタッチなのとか、この瞬間を構成するあらゆる要素に面白がれるポイントがあって、あくまでもお笑いとして最高傑作なんですよね。それでいうと僕の中で結局未だに脳にこびりついて心に残っているのは、あの溜口の感極まり過ぎてる泣き顔で、絶対あこまで力まなくてもこのネタは成立するし寧ろしっかり感動もさせたいんだとしたら絶対逆効果のあの過剰な泣き顔が、最高にお笑いで、いくら感動的な本筋であっても決してお笑いを諦めないという気概が感じ取れて、僕はめちゃくちゃ大好きだったしここだけで笑いまくりましたね。

結果的にあのロコディと同点、1位ファイヤーサンダーとも1点差で2位通過という、ラブレターズの決勝5度目にして最高順位を叩き出しましたが、マジでその素晴らしい結果にふさわしい、きっと誰しもが認める、最高傑作だと思います。マジで面白すぎた…


【1stステージが終わって】

今年は大本命といってもいいロコディがトップバッターでやはり前評判どおり爆ハネし、その勢いのまま全体的に点数が跳ね上がった状態ですすんでいったのは、昨年のカゲヤマはじまりと同じ傾向ではありましたが、今年は更に途中落ち込んでしまう組がほぼいなくて、特に上位は1点差とか同点とかとてつもない僅差で順位がついてえげつない混戦状態になるという稀に見る事態で、視聴者としてはワクワクもハラハラもさせられる激シビれ展開になりましたね。この状態が良かったのかどうかというのは、正直答えは出せないけど、ただ最終進んだ3組のネタはどれも爆裂に面白すぎるコントだったので、終わってみれば当然ワクワクいっぱいの気持ちでした。


【ファイナルステージ】

  ラブレターズ

僕個人としてはめちゃくちゃおもろくて裏とかじゃなくまっすぐ大好きだけど、まさか決勝2本目、しかも1本目が横並びすぎて2本目の出来次第で優勝が決まるというこの状況の行く末が、『エディ』に委ねられるとは……
このネタのイカついのは、まず溜口演じるエディという日本語ペラペラの外国人のキャラを受け入れられるかどうかで若干人選びそう(キャラとしては分かりやすいけどそれ故に浅いと感じる人もいそう)なところに、塚本演じる女性が、女坊主且つ熱狂的ジュビロ磐田サポーターという完全に要素乗っけすぎで結果エディのほうがツッコミに回らざるを得ないっていう、だいぶ何周もしたんちゃうかっていう構図で、置いてかれる人はとことん置き去りにされてしまいそうなコントだと正直思います。
想像を超える設定バラしや展開の裏切り、伏線回収、そんな良質なコントに備わってる見応え要素は全然なくて、ただただ変な2人が変なことになってるっていう、とても賞レースで勝てるとは思えない、そんなコントなんですけど、これがめちゃくちゃ面白いのは、やっぱり、とことん変なことをやりきってるからだと、僕は思ってます。丸坊主の女性がジュビロ磐田のために敵本拠地でバリカンで頭剃ってるだけで充分変すぎるのに、それに遭遇したのが海釣り中の外国人である必要ないし、その外国人がカタコトで日本語喋れるとしても絶対こんなトシちゃんみたいな口調じゃなくていいし、こんだけキャラありきの2人なのにしっかり演技力あるし。そんな無駄に、でも隙間なく変を敷き詰めて仕上がったこの変すぎるコントを、たとえ1本目より明らかにウケ量は少なめでも、審査員の評価が高くなかったとしても、裏じゃなく表から面白がれる自分でよかった。そう思える、最高に変でおもろいコントだったと、僕は思いました。

と思ってたら意外と点数は下がらず、1本目と然程変わらないくらいの今大会全体の中でも高得点で、嬉しいけど驚きました。審査コメントでは何かダメ出しのノリになってましたけど、そら変なネタではあったので言いたくなる気持ちもわかるし、そもそも根底に面白かったっていうのがあったからこその何してんねんでのノリだったと思うので、全然受け入れられている感じでホッとしました。ただ、この後に控えてるのがロコディファイヤーサンダーなので、これで決まったとは到底思わなかったです。

でももう結果出てるから先言いますが、このままあとの2組もそこまで点数伸びきらず、マジでラブレターズ優勝するんかい!!嬉しいけど!!!
ラブレターズ優勝おめでとうございます!!!!!
 

  ロングコートダディ

めちゃくちゃ面白かったし、めちゃくちゃ壮大なセットを組みながらだいぶ小さいやりとりで終わっていく感じが、ロコディのおもろさって感じでめっちゃ笑いました。
守り神的な存在ウィザードにアイテムを捧げて呪を解いてもらうのに、やり方がずっと間違えてて、ウィザードのほうからいろいろ教えてはくれてるけど人間の言葉じゃないから全然伝わらないっていう、ファンタジーな世界観でめっちゃ現実的なコミュニケーションの障害が起こってる構図は、誰が観ても面白いと思うし、そのやりとりが、アイテムを台の上に乗せてくれってだけの話ていう、こういうのは絶対大したこと言ってないほどおもろいので、最高でしたね。あと「一撃でこんなに伝わるとは」みたいな、ウィザード側の言葉が全部意味があることじゃなく普通に独り言的なのが混じってくる感じとかも最高でめちゃ笑いました。そしてこの、言葉が全然伝わらないという面白さを客側に伝えるために、本来このファンタジーの世界観にそぐわないデカモニターを舞台に設置したというのも、それ以上にウィザードの存在感が凄かったからなのか、全然気にならなかったどころか寧ろ絶対必要だったと思うので、ナイス判断でしたし、だからこそ実際めちゃくちゃウケたと思うし、正直ウイニングランかと思うくらい、申し分ないウケと面白さでした。

ロコディも個人的には1本目のほうがネタとしては強い印象があったけど、こっちはわかりやすい面白さがあった分評価としては有利で、普通にラブレターズは上回ってくるもんやと思っちゃってたから、まさか2本目で1点下、1本目が同点やったからここで1点差で敗退決定とは… 個人的にはラブレターズとロコディで特別推し度合いに差があるわけでもなかったけど、今年はロコディの年になると勝手に思ってたところがあったし、何よりラブレターズのあんな変な2本目(めちゃ好きやけど)で勝ち残るとは思ってなかったので、かなり衝撃的な結果ではありました。
ロコディなんか実力的に絶対KOC優勝してないとおかしいレベルで、勿論実力だけで優勝できるほどお笑いは甘くないんだけど、それでも今年はだいぶロコディの感じが漂ってて、ホンマに掴み取れそうなところまで来て、まさかエディに阻まれるとは…エディが阻んでくるとは… これは正直運がなかったというか、運がラブレターズに向いたってことなんだと思います。
 

  ファイヤーサンダー

今決勝3本目の野球部コント、の殻を被った全裸フルマラソンコント、これも流石の抜群の設定でめちゃくちゃ面白かったです。
弱小野球部が甲子園行くなんて絶対無理っていう前提でヤンキーが全裸でフルマラソン走るっていうのを口約束したはずなのに、そのヤンキーが全裸フルマラソンに備えだすっていう、本当に普通のシチュエーションからちょっとズラしただけでこんなにも新しい面白さを生み出せるんかっていう、これぞファイヤーサンダーという素晴らしいコントでした。ほんでまたその設定をバラしてからのヤンキーの全裸フルマラソンへの備え方が、グラサンを変えたりタバコやめたりっていうフルマラソンそのものへの対策と、そのためのフォームだったり深夜で学校外の敷地には出ないっていう全裸への配慮っていう両面で取り組んでるっていうのがめちゃくちゃリアリティーあって最高で、ほんで最終的に野球部のピンチにヤンキーが助っ人で入り「着ることになるとは」というキレイなオチまで、ずっと隙のない、めっちゃ良く出来たコントでした。

勿論ファイヤーサンダーは1本目があまりにも面白すぎたっていうところで、そことの相対評価だと点数はやや下がるかとは思いましたが、ここは思ったより全然低く、まさかの3位着地とは。まぁ順番とかいろんな要素が相まってのことだとは思うので仕方ないんですが、審査コメントで、暗転で繋ぐというハンデがあったけどみたいな、暗転を使ってる時点でマイナスであることを示唆する発言が、1人からじゃなく複数人から出てきて、それだけ正直ちょっとげんなりしました。暗転といえば数年前ニッ社が松本人志に否定的に言われたのが印象深いですが、今回の審査コメントを聞く限り、こういう演出として暗転を多用することが、ルール上反則みたいな、公然の減点対象になってる感じがあって、全然意味わかりませんでしたね。それこそ飯塚とかは、自分の中の主義として、時間経過や場面転換の表現を簡単に暗転に頼らないっていう、今回のニッ社でのセット壊しに対する評価と同様、自分の中の正義があるっぽいですけど、あくまでも個人の主義として否定することを明言するならともかく、「本来減点されるもの」と一般に定義されてるかのようなコメント、しかもそれに他の審査員も呼応してる感じがあったのは、僕的にはちょっと、原則はもっと内容のおもろさ最優先で審査してくれよって思っちゃって、誠実ではないと感じました。素人ながらすみませんですが。

ネタ自体の感想より審査コメントへの納得のいかなさが文字数超えてしまいすみませんが、とにかくマジで惜しくも優勝を逃してしまったものの、ファイヤーサンダーみたいなこんなにも面白すぎるコントを何本も作れるコント師は、既に優勝レベルには到達していて、あとはほんのちょっとのきっかけだけで優勝できるとマジで思ってるので、引き続き相当厳しい戦いを強いられるとは思いますが、ここで折れずに来年もまた決勝まで浮上してきて、また面白すぎるコントで圧倒してほしいですね。


【観た後に思ったこと】

何度も言うように、準決までの状況を観た上で「今年はロコディの年」とはっきり思っていたものの実際はそうならず、本当に賞レース決勝って想定どおりにはいかないなって、改めてお笑いの掴みどころのなさ、それ故の面白さを個人的に再認識させられた今年のKOCでした。僕らお笑いオタクがどんだけ想像しても絶対そのとおりの決勝にならないんだから、少なくとも僕は、願望は言っても予想は極力口にしないようにしてるんですが、それでも今年はロコディの年と思いたくなるくらいの仕上がりで、でもやっぱりそれでもそのとおりにはならないって、ホンマどんだけおもろいねんKOC……

最近のKOC決勝の傾向として、1本目に特に強いネタを先もってきて高得点を叩き出しその勢いで勝ち切るっていう戦法を取る組が増えてきたように思います。これは2本の合計得点で優勝を決めるという審査だからこそ、最後に印象審査に変わるM-1に比べて1本目が優勝に貢献する比重が増してくる、というのが徐々に浸透してきているんだと思われ、それはめちゃくちゃ理に適ってると思います。ただ今年みたいにそもそも1本目の点数自体が僅差・同点となってしまうと必然的に2本目次第となり、そうなってくると、更にM-1と違って2本目の審査も1本目と同様1組終了ごとに採点することになるから、意外とファイナルの順番は後のほうが有利というわけではないんじゃないかっていうのが、ちょっと浮き彫りになった気がしますね。実際今年の2本目だけの点数を比較すると、ラブレターズに最高得点をつけた審査員は山内のみ、ロコディ最高得点とファイヤーサンダー最高得点が2名ずつ分かれたという感じで、最終3組終わって投票ならラブレターズは優勝できてないことになります。また、ラブレターズがファイナル1番手だった利点として、他の2組の2本目との比較での採点にならなかったことで、絶対値としての点数がそこまで落ち込まなかった、というのもあると思います。実際に上位3組の2本目としてまた最初に観るネタだから1stステージと比べてそこまで点数を下げられないという意識が審査員に働いた、とまではわかりませんが、もしラブレターズが2番手3番手だったとしたら、2本目ラブレターズに最高得点をつなかった4名の審査員は更に点数自体を1点2点下げてたかもしれず、1点2点で順位が入れ替わる今年の状況だったら、全然違った結果もあったんだろうと思います。結局ここまで点数が僅差だと、運要素も絶対影響したと言わざるを得ないですかね。
 

流石にこれ以上ラブレターズの優勝を偶然の産物みたいに言うてると思われたらそれは死ぬほど誤解なのでここで切り替えて、改めてラブレターズ、5度目の決勝で、初決勝の2011年から13年越しでの優勝、しかも何気に昨年までの最高順位が決勝6位だったところから、今年初ファイナル進出でそのまま優勝、めちゃくちゃイカつい功績でおめでとうございます過ぎます。

ラブレターズは、それこそKOCの思い出でいうと2011年の西岡中学校のインパクトはめちゃ凄かったし、野球拳のネタもめちゃくちゃ好きであのときトップバッターで決勝最下位になっちゃったのめっちゃショックで、そこからはKOC的には正直過去の人みたいになりかけてたところから昨年7年ぶりの決勝返り咲き、ほんで今年連続決勝進出で遂に優勝!長くお笑いファンやってる者として、こういうキャリアで優勝に到達することを目の当たりにできたのは、めちゃめちゃ感慨深いものがあります。あと、今年の優勝を決定づけた1本目のどんぐりのネタは実は昨年披露されなかった幻の2本目で、このネタを昨年準決の配信で観てた僕としては絶対決勝でやってほしいと思ってたから、それが今年の決勝で見事披露されて嬉しかったし、たぶん今年だったから優勝できたようにも思うので、マジでこういう巡り合わせってあるんやなぁて、思いますね。
僕は今個人的に特定のコント師をめちゃくちゃ推してるっていうのはあんまりなく割とフラットにKOCを観てるつもりですが、それでもラブレターズの優勝はめちゃくちゃ嬉しかったですね。それは勿論、KOCに長い期間挑み続けてきたっていうのもありますし、僕はやっぱり、いつまで経ってもバッファロー吾郎A先生とせきしろさんのユーモアを指針にお笑い好きをやっているので、この両名のイベントで過去ギースにもラブレターズにもネタに限らず多くのユーモアで笑かしてもらってきているから、その分の思い入れは自然とありました。この2組はともにASH&Dでどうしても演劇性の高いシティ派コント師のイメージがあるけど、ユーモア系の所謂平場ライブで全力でお笑いをやってるところを見てきているから、まっすぐ芸人として結果を残す姿にはめちゃくちゃ感銘を受けるし、それが本業のコントであれば尚更、こんなにも嬉しいことないです。
賞賛は何回行ってもいいと思うのでまた改めて、ラブレターズ優勝おめでとうございます。めちゃくちゃ嬉しいです。あと優勝後に各局朝番組でどんぐりのコント披露してるときの溜口さんの泣き顔の演技引っ張りすぎてて最高です。まさにスーパースター…
 

今後のKOC、そもそも松本人志の審査員復帰が間に合うのか、という問題は引き続きありますが、M-1含めて年々審査員の動向が注目するようになってきて、今回でいうと審査員の好みの問題とか、実際結果を直接的に左右する存在ではあるからどうしてもいろいろ言われるのは仕方ないとして、いずれにせよ僕的には、審査に説得力と責任感をもたせられる方にやっていただければ、好みとかは基本的には全然出してもらっていいと思ってます。ファイヤーサンダーの2本目のときの暗転の話も、捻じ曲がって伝わってたら嫌なので再度言いますが、飯塚のように審査員自身の中の確固たるコント論、コント道があって、その正義に反するものを減点対象にすること自体は、僕は全然良いと思ってます。問題なのはそれが本当に各審査員の持論なんかっていうこと含めて正しくコメントとして伝えられていないことであって、そういうスタンスで審査すること自体は、全然あるべき審査員像だと思っています。そしてそういう各々の正義をひっくるめて「好み」と表することも、便宜上仕方ないことだと思っています。審査員が審査するときの好みは、決して世間一般の素人が何となくのフィーリングで言うてる好みとは、違うものであるはずなので。

結局は、そういう審査員ひとりひとりの好みという名の主義が、特定の1人だけ明らかに偏っていたような場合に、それが全体の審査に影響を及ぼしすぎないようにうまいことバランスが保たれている状態がベストなので、そのために複数の審査員が配置されているはずだし、各々の審査員が、必要以上に点差を広げすぎたり狭めすぎたりするような悪目立ちをすることなく、責任を他に押しつけることも逆に負いすぎることもしないように、要はうまいことやってくださいってことなんですよね。それで5人が少ないんだったら7人に増やして1人あたりの責任のウエイトを小さくしても、全然いいと思います。
あと、何だかんだ、やっぱり松っちゃんは審査員にいてほしいかもって思いましたね。松っちゃんはそれこそ言うてほしくないコメントしたり基準もブレてるやんて思うこともしばしばあるけど、今回たまたまかもしれないけどこんだけ点数が団子状態になっていまうのは、はっきり順位をつけるという面で果たしてよかったのかって思う部分も正直あって、結局松本人志という良くも悪くもはっきり差をつけて審査をする存在がいて、そのアンバランスさを補正するかたちで現役プレイヤーや過去王者の、極端に振り切らない優しさ込みの審査がある、という構成が、現状いちばん収まりがいいのかも、て、思ったりもしました。


ちょっと今年は余計に書きすぎてしまったかもしれませんが、それほどいろんなことを考えてしまうくらい、今年のキングオブコントが面白かったということで、何かこの締め方も結構な頻度で採用してしまってる感もありますが、そういうことで、来年もまためちゃくちゃ面白いキングオブコントが見られることを楽しみに生活をしていきます。

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