【自家製サッカー概論】44 コロンビア戦、ザックリ雑感
世間では「新年度」の話題で持ちきりの中、キリンチャレンジカップ・コロンビア戦の雑感を取り上げる。
この遅さ、逆に誇らしい…、もういいから、早いところ始めよう。
注目点はボール保持についてだろう。鎌田選手のボランチ起用など前回から変化した点もあった。
だが、結果的に見れば、「上手く行かなかった」と、言っていいだろう。
これについての雑感である。
ポイントは2つ。「どうやったらボール保持が上手くいくのか」、そして、「相手のプレスのかけ方」について。
先に、「相手のプレスのかけ方」について。
ウルグアイとコロンビア、そして日本、前線の守備には違いがあった様に思う。
日本は、前線2人が相手センターバックを牽制しながら、縦パスを締め、サイドに追いやろうとしていた。
対して、ウルグアイとコロンビアは、1トップと中盤が日本のセンターバックに対して、「中間ポジション」を取り、次の展開を牽制していた。
「中間ポジション」とは、例えばセンターバックとボランチの間にポジションを取り、「どちらにも行ける態勢」を取ることである。
これに嵌ったのが、センターバックに起用された伊藤洋輝選手。
パスを出せずにボールを持つ時間が長かった。
あれは伊藤選手から見れば、「パスの受け手が狙われている」と見えるからだろう。
ウルグアイ・コロンビアの前線の守備を見て思うのは、日本陣内深く前線から守備を敷いていたこと。
対して日本は、ハーフェーライン辺りから守備が始まっている。
この日本の意図は、前線から最終ラインまでコンパクトを保つ、ということだろう。
ウルグアイとコロンビアの両チーム共が「中間ポジション」を取りながら、前線から守備をしてきたのは偶然とは思いづらい。
こうした前線の守備に対するボールの動かし方を改めてチェックする必要はあるのではないか。
そして、もう一つのポイント。
「どうやったらボール保持が上手くいくのか」
結局、「中間ポジション」を取りながら守備をしてくる相手をどう崩していくか、になるだろう。
センターバックが出し所に困るうちに、ウルグアイやコロンビアは日本のサイドやFWを嵌めていき、日本の出し所を潰しに行っていた様に見えた。
そうなる前に、ボールを動かして相手に的を絞らせない様にしたい。
そのためにどうすれば――。
ごく単純に、リターンパスを受けながらボールと人が動いていけばいいのではないか。
表現を変えるなら、「釣り球」を使い、「相手を喰い付かせ」たりして、「相手を動かす」のである。
例えば、伊藤選手が鎌田選手や守田選手に当てるのである。
相手がそこに喰い付いてくれば、リターンを貰う。その瞬間、相手は動いており、パスコースが空く。
その時に、伊藤選手が一歩動くなり、身体の向きを変えるなり、視野を変える。
こうしたことで、状況は変わると思うのだが、どうだろうか。
伊藤選手から中盤に当てて、また、伊藤選手に帰って来る。
結局、ボールは動いていない。だが、相手は動かしている。
伊藤選手がずっとボールを持つよりも、局面を打開できる可能性は高くなると思う。
さらに言えば、この一連のプレータイミングで、前線の選手に飛び出してもらえば、ロングボールも入れられる。
中盤が最終ラインに落ちてボール保持をするやり方もあるが、こうした「相手を動かす」やり方もある。
仮定の話ではあるが、もし吉田麻也選手だったら、こうした「相手を動かす」ボール保持は出来たのだろうか。
日本代表が求めるセンターバックの素養・資質をもう一度チェックしてみてもいい様な気がする。
ボール保持をするなら、足元に自信があり、捌きの上手いディフェンダーを、年齢・所属クラブに関係なく、呼んでみてもいい様な気はする。
それと同時にJリーグではどうやってボールを保持しているか。
そこもチェックすべきだろう。
判官びいきではないが、Jリーグのポゼッションだって、レベルは低いとは思えない。個人的にはそう思っている。
(だから、アジアできっちり勝って欲しいなぁ…、とブツブツ考えてみたり…)
さて、次回の代表では、誰が呼ばれ、どんな試合になるのか…、期待したいところである。
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