【自家製サッカー概論】99 足元とスペース。そして気持ちの部分
カタールで開催中のU23アジアカップ。
グループステージ最終戦で、日本は韓国に敗れた。
敗戦はいつも悔しいものだが、これは一段と心に重い。
相手は明らかに疲れていた。前線の中心選手が足を痛めて後半途中交代し、より韓国のパワーがダウンした、…と思ったらセットプレーで失点。
その後、反撃むなしく無得点でホイッスル。
(あーあぁ…)。心の中で無念のため息が出る。
意外だったのは、韓国の強さに日本が結構対応していたこと。
日本にプレスを掛けられた韓国は、それをいなすことが出来ず、日本の背後にロングボールを送って来た。
以前はこれに大いに手を焼いたものだが、結構対応していたのである。
韓国のフィジカルに、日本も対応できる様になってきたのかな…。
これも日本サッカーの成長だと言えると思うのだが、もっと多くの人の感想を聞きたい次第である。
さて、この試合について、興味深い記事を見つけた。
「松木玖生U―23日本が黒星 松木玖生『ステーションパスが続いた』 今大会初の無得点に終わった理由」
相手の陣形を崩せなかった攻撃を「ステーションパス」と表現し、止まりながらのパスで相手が動かなかったと表現した訳である。
なでしこが、パリ五輪予選で北朝鮮と第一戦目を戦った時も「ステーションパス」が多かったと思う。
相手の陣形をなぞる様にサイドに展開し、そこからサイドの選手の足元にパスを出す。
そこを狙われ、攻撃が停滞した。
足元にパスを出すのは悪いことではない。だが、これが続くと相手はタックルに入るタイミングを見つけやすい。
そこで対応となるが、足元が狙われるなら、スペースという手がある。
走り込む先にボールを送る。こうすることで相手の当たりをかわす訳だ。
或いは、日本選手が先に走り込んでいく。走る選手に相手マークが付けば自然とスペースが生まれるという訳だ。
こうして、スペースを作って行く。
松木選手は攻撃の停滞に対する対策として「サイドチェンジ」と「ポケット」を挙げた。
「全員がボールに関わりながら『ポケット』だったり、そこから個の突破だったり色んなものを持っている選手が多い」ので、攻撃を活性化させられるという。
そのために「サイドチェンジ」を使いながら、「ポケット」を攻略していければという訳だ。
さらに、こちらとしては「野心」や「挑戦」する気持ちについても必要だったのではないかと思った。
韓国戦を観て、こちらが感じたのは、「リスクを減らして点を獲りたい」といった雰囲気である。
「なんとしても点を獲る!」。そんな気迫を前半から見たかった。
結局、一番感じたのはこれなんである。相手に襲い掛かって行く感じ。これがどうも薄い様に見えるのだ。
次戦は25日の準々決勝、相手はホームのカタールである。
自国有利や中3日と中2日のリカバリー問題等々、有利不利といった話しは山積みとなるだろう。
だが、それ以上に見たいのは、日本選手の「絶対に勝つ!」という姿勢、気概である。
そこに期待したいと思う。