【自家製サッカー概論】84 高校サッカーから ロングスロー雑考
青森山田高校が全国高校サッカー選手権大会で見事優勝!
2023年度の高円宮杯U-18プレミアリーグに続くタイトルで、まさに“常勝”の快進撃。
本当におめでとうございます。
さて、今大会。
度々耳にしてきたのが「ロングスローへの賛否」である。
ロングスローを多用する高校が多かったのがその背景だ。
そのロングスロー否定意見を要約すると、「ロングスロー何て邪道だ!」みたいな感じである。
様々な意見を記事で見かける中、「おっ」と思う意見があった。
去年まで鹿島を指揮していた岩政大樹氏のコメントである。
高校サッカーでロングスローが多用される件について「ロングスローに対しての守り方に問題があると思いますね」と答えていたのだ。
さらに、「日本サッカーで、地上戦と比較して空中戦の議論がかなり置いていかれてしまっている現状が招いている」と付け加える。
まさにその通りだと思う。
こちらでも、以前から「日本サッカーは空中戦に弱い」と書いて来た。
ロングスローから得点が生まれるのは、「空中戦の守備が弱いために得点が生まれる」からだと思う。
岩政氏も「そもそも(ロングスローが)チャンスになりえなかったら、これほど高校サッカーで流行する訳がないですからね」と指摘している。
実に正論。
チャンスになるからロングスローを多用するのである。
逆に、チャンスにならず、跳ね返されるばかりなら、徐々に減って行くのではないか。
ただ、これは大いなる実験だとも思う。
これからもロングスローが多用され、ロングスローを放る選手と中央で仕留める選手のレベルが上がれば、それは大きな武器になる。
こうしたチームが出てくるかどうか。
Jリーグでもそんなチームはないと思う。
と思ったら、昔、松本山雅の岩上祐三選手がロングスローを入れて、何点か取っていたことがあった。
昔は結構ロングスロー戦術はあったのかも知れない。
だが今は、ロングスローを放る選手がいても、それがなかなか得点機にならないのが現状だと思う。
今後、ロングスローから高確率で得点機を作るチームが現れる可能性はあるのか。
そんな視点も面白いのではないか。
いずれにしても、高校サッカーに限らず、日本サッカーは空中戦のレベルをもっと上げる必要があると思う。
今年はパリ五輪があるが、世界大会で空中戦の粘り強さが日本にあるかどうかは注目点だと思う。
(……その前に予選を突破しないとね)
話は変わるが、今週からアジアカップが始まる。
日本代表には力を出し切って一つずつ勝利を重ねて行ってもらいたいものである。
今大会のポイントの一つに選手起用があると思う。
選手の消耗を少しでも減らすためのやりくりである。
どの試合でどの選手を起用するか。
そのための、“選手を多数起用したこれまでの強化試合”だろう。その点での森保一監督の手腕にも注目したいと思う。