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【自家製サッカー概論】17 ポゼッションからゴールへの道筋
9月27日のエクアドル戦は、メンバーを入れ替えて臨んだ。そのメンバー構成で、連携のスムーズさに期待するのは少し酷と言うものだろう。
逆に、そんな状況だからこそ、日本チームの地力が見えてくる。
前半は攻撃がほとんど機能しなかった。そこで、我慢の時間帯となるが、見えてきたものがある。
それは、「日本のベースはポゼッション」だということ。
前半の終盤、両サイドの三苫選手、堂安選手が低い位置にポジションを取り、ボールを引出そうとしていた。
これで少しポゼッションが落着いた様に見えた。
これを見て、日本のベースはポゼッションではないかと思ったのである。
これがJリーグなら、堅い試合の入り方は「守備から」というのが定石となる。
それが日本代表ではゲームを落着かせるのに、「ゲームを組み立てる人」の人数を増やしサイドの位置を低くし、ゲームを落着かせたのである。
これは評価しても良いと思う。
ワールドカップ(W杯)でも日本代表の戦い方として通用するのではないか。
それ以上に、「ポゼッションの洗練」、これが、これからの日本の戦い方のベースになるのではないか。そう思ったのである。
問題はここから先である。
後半は上田選手がターゲットマンとなり、そこにボールを送った。
だが、前半はポゼッションでゲームを落ち着かせても、そこから前にボールを送る術が見いだせなかった。
ポゼッション攻撃の要諦はここだと思う。
つまり、ポゼッションでボールをつなぎ、相手を動かし、スペースを作り出し、そして、ゴール前にボールを送る。
これが出来るかどうか。これが出来なければ、ポゼッションは「ただボールを繋ぐだけ」になってしまう。
日本代表に話を戻すと、ポゼッションでゲームを落ち着かせても、そこから先へどうボールをゴール前に送るか。
そのイメージが共有出来ていない様に見えたのである。
三苫選手や堂安選手、伊東選手らのサイド攻撃は日本の武器だろうが、相手のプレッシングをかわせず、サイドに送っても、サイドで詰まるだけである。
サイド攻撃を効果的にするにも、敵を引き付けてダイナミックなパスでアクションを起こす、といった前フリが大事になる。
そういった「ポゼッション(相手を揺さぶる・動かす)→ゴールへ向かう」というベクトル変換が必要になるだろう。
「ポゼッションからゴールへの道筋」。
これは、ポゼッションサッカーを標榜するどのチームにも必要な戦略・戦術となるだろう。
W杯本番で、日本代表がどんな攻撃を見せてくれるか、期待したいところである。