流行りの『職住一体』書斎があればいいの?
『職住一体』という住まい方はコロナ禍以前からあったのですが、私達の様な自営業やフリーランスの仕事をしている人達に特化していました。コロナ禍以降、テレワークであったり副業など多様な働き方をする人たちが増えてきているようです。そこでハウスメーカーなどは挙って『職住一体』の住まいを提案していますが、書斎となる個室があるだけ、家事スペースがあるだけ、これで本当に仕事がしやすいのか?
我が家の職住一体生活10年の例を紹介します。
一人暮らし→二人暮らし ~2LDKアパート編
所謂一般的な木造アパートで奥の部屋を寝室に、手前の一室を仕事部屋にしていました。仕事場を建具で閉じることができたので、デスクワークをする分には十分でした。ただ、リビングからの続き間だったので来客時には一度リビングを通らなければならないのが欠点でした。
結婚し、二人暮らしになり多田のパソコンデスクも並ぶようになりました。デスクと書棚しかないので二人で仕事するには十分すぎるスペースです。
仕事中二人とも仕事部屋にいればリビングでくつろいでいる人がいるわけでもないので、来客があってもまだ困る時期ではありませんでした。ダイニングテーブルで打合せも出来ますし。
三人暮らし ~2LDKアパート編
その後長男が誕生し、3人家族になりました。ベビーベッドは当然奥の寝室に置くことになり、仕事部屋は兼通路という状況に。
赤ちゃん時代はベビーベッドでおむつも替えるので、一日何回も仕事部屋を通ることになります。リビングも片付かなくなりますし、赤ちゃんがいるリビングを通らなければ事務所に行けないという動線にも不都合が出てきました。
子供が歩けるようになると、今度は仕事の邪魔をするようになってきました。寝室とリビングの間にある事務所スペースを閉め切るわけにもいきません。
そろそろ2LDKのアパートで仕事を続けていくことが限界になり、引越しを検討します。ちょうど長男も元気に飛び跳ねるようになり、木造アパートの2階に住んでいる事も難しくなってきました。
三人暮らし ~貸家編
次の住まい探しですが難航しました。リビングを通らず入れる部屋がある賃貸物件が見つからず、職住分離も考えました。しかし、二重に家賃を払うのに、二人で同じ仕事をしていて同時にどちらかの物件は使っていない状態になる、というのは非常に無駄に感じました。
そんな時、運よくちょうど良い貸家に出会う事が出来ました。キッチンだけ別の二世帯住居の貸家です。元々おばあちゃんが使っていた部屋を事務所としました。玄関ホールから直接入ることができるので来客があるときでも大丈夫です。一軒家なので「静かに!」と子供を叱らなくてすみます。
ただ、引越してきた時点で子供は1歳半、私たちふたりで事務所で仕事をし、一人遊びをする。というわけにはいきません。結局どちらかは子供のお世話に付きっきりなので1馬力です。
四人暮らし ~貸家編
長男が2歳半の頃、次男が誕生しました。
次男は長男より手が掛からずよく寝る子でしたが、それでも起きている時はお世話に忙しくなります。そうすると退屈になった長男は事務所の方へ。「ねーパパーこれ見てーこっち見てー」と開口部から中に入らないまでもずーっと話しかける始末。
あ、ちなみに両親共自宅で自営業なんて保育園に全く引っかからない低ポイントでした。
結局午前中は齋藤が現場や役所など外の仕事をし、ない時は多田が子供を連れて散歩等。
午後からは車で10分程の多田の実家へ子供たちを連れて行き、猫たちに遊んでもらったり買い物等、就業時間を過ぎてやっと家に帰り夕食の支度。この形でしばらくやるしかありませんでした。
職住一体の住まいを探したつもりだったのに、間取りとしては問題ないのに『職』か『住』時間帯でどちらかしか使えない。
正直この体制はとても大変でした。幼稚園に行くようになれば…と思ったら幼稚園って14時頃に終わるんですよね!(実際は認定こども園になったので夕方まで預ける事が出来ました)
貸家も追い出されることになったし(オーナー夫婦が住むことになった)ここから土地探し、自邸設計となりました。
四人+一匹暮らし ~自邸編
大変だった土地探しや家づくりはまたの機会に書くことにして、無事何とか現在の自邸が建ちました。
長男が幼稚園の年中、次男が未就児クラスに入るひと月前の事でした。
事務所は二坪と小さいですが、窓からは中庭を介して住宅の中が見えます。仕事をしながらも子供たちの様子が見えてお互いが安心です。住宅の玄関も事務所から見えるので、学校から帰ってきた姿も見ることができます。
子供が大きくなったのもありますが、お互い見えるのでそうそう邪魔には来ません。
あ!最近増えたもう一匹の家族は関係なく邪魔しに来ます(笑)
まとめ
ながらで出来るタイプの仕事なのか、集中しないとはかどらない性格なのか、子供は一人遊びが得意なタイプか、元気な子か、いつどこで仕事をしたいか…等々色々な事を考えてワークスペースをしつらえないと、結局宝の持ち腐れで、ただの趣味部屋か納戸になってしまいます。
小さくても落ち着く空間、仕事がはかどる空間、間取りではなく空間設計が非常に大切だと思います。
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