サッカーと陸上
高校のときに陸上部に入っていたらよかったかもなぁと最近になって思うようになった。
小2でサッカーを始めた。運動神経は悪くない方だったので田舎の弱小クラブの自分達の代では中心選手になれて、何度か県大会に勝ち進んだりと楽しかった。
中学も相変わらず弱小だったけど、一個上の代が2人、自分達の代が17人という部員数で、自分含め2年のうちから試合に出て多くの経験を積めたこともあり、県制覇したいと本気で思うようになった。毎朝7時に家を出て自転車を漕いで朝練に打ち込んだ。新人戦で優勝した中学と冬に練習試合をして引き分けたことで、より一層目標が現実味を帯びた。結局最後の中体連はしょうもない逆転負けで初戦敗退に終わったけど、充実した日々だった。
高校も当然サッカーを続けるつもりで、春休みのうちから練習参加した。全く通用しなかった。井の中の蛙という言葉がまさか自分のことだったとは思いもしなかった。青天の霹靂という言葉が身に降りかかってくるとは。
なぜ自分が通用しなかったのかはいろいろな要素があるけどそこは割愛。入部して半年くらい経った頃には「あ、自分はたぶんこのまま毎日の練習が憂鬱で顧問に怒鳴られないよう必死で楽しくないけど、でもサッカーはずっとやってきたしやめたくない気もする、それに心のどこかでまだ自分の可能性に期待しているような、でも本当はこの倦怠感を打破するほどのサッカーに対する情熱は持ちあわせていないって気づいてるんだよなぁ。」という日々を過ごすようになった。週末課題が鬼のような量出される高校でバスケ部と並んで2大厳しくて忙しい部活と呼ばれるサッカー部で、自分と同じような思いをしていたであろう同級生が1年のうちに3人やめた。
当時は「先越された。いいなあ逃げる勇気があって。」としか思っていなかったけど、今になって考えると「やめる勇気がない」という言葉で片付けていた自分は、ただ向き合うことから逃げていただけだなと思った。そして同時に、ちゃんと自分に向き合って考えていたら、陸上部に入るという選択が正しかったのではないかとさえ最近思うようになった。
(長くなってしまったので)
〈つづく〉