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ポンコツは毎日出るわけではなかった
うまくいかなくて、少しうつむき加減になったひとり旅初日。
ゲストハウスデビューをはたして、旅人たちと一期一会のおしゃべりも体験。ひとり旅も調子が出てきたかも? 備忘録も兼ねて、そんな旅の中日(なかび)を綴りました。
宿に到着
宿は淡路島北西部にあるゲストハウスを選んだ。ハイシーズンでホテルはどこもびっくりするくらいの高額。
ゲストハウスで検索して、「あ、ここいいかもー」と、直感的に思ったところを2泊予約した。
CHITEN
chiten_awaji
オープンして2年。ちょい呑みBAR併設の、素泊まりゲストハウス。キレイでスマートな感じ。肌に合いそうだ。
到着してすぐシャワーを浴びて、早速BARへと繰り出した。カウンターには同世代のオジ様ライダーがすでに着席。家族をおいてひとり旅だそうで私と同じだ。スタッフの方も交えて会話がはずむ。
普段飲まないビールとおつまみを注文して。すっかりいい気分。お腹も満たされた。やっと旅らしい雰囲気に包まれて、瞼も重たくなってきた。
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3日目。
ひとり旅、調子が出てくる
朝起きてゲストハウスのリビングに行くと「朝ごはんですか?」とスタッフさんが声をかけてくれる。
ゲストハウスだから食材を買ってきて自分で調理もできるのだけど、2日間の滞在だとかえって食材を、余らせてしまう。コンビニで買ってこようかと…と言うと、近くに朝から開いてるカフェがありますよとのことで、さっそく向かうことにした。
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ゲストハウスの目と鼻の先。廃校になった小学校をリノベした施設『SAKIA』。宿泊エリア、コワーキングスペース、カフェがあり、ハイシーズンでなければ一泊7千円ほどで泊まれる。
うーん、これはリピートの予感。会社のみんなでとかどうだろう?
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朝食にはサラダとパンとコーヒーのセットをオーダー。マヨで和えた卵とオレンジママレードがたっぷりついて560円。安い!
パン屋さん(ローカル湯だねパン しまのねこ)も併設されていて、ふわふわパンがおいしかった。
ところで気になっていたのが、宿の隣にあるスヌーピーアート。これ、権利関係大丈夫なの?ってツッコミたくなるのだが、どうやら「落書きです!」で通している様子。まあ営業行為をしているわけではないからいいのかな。
写真を撮りに立ち寄る観光客も多くいるようだ。スヌーピーファン50年の身としては少し複雑な気持ちになりつつ、私も写真に納める。
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スヌーピー描くのは縮尺とバランスがけっこうムズカシイ。
宿に戻り、今日はどこに行くのかとスタッフさんに聞かれ、ノープランなことを伝えると、いくつか近場のおすすめスポットを教えてくれた。
やはり地元の人との会話は旅の臨場感を生む。言われたままにカーナビをセットして出発した。
でもその前に
前日、宿に向かう途中「ここには行かないと」と思っていた場所があったことを思い出した。
日本最古の神社『伊弉諾神宮』である。
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『伊弉諾神宮』
『古事記』・『日本書紀』の冒頭「国生み神話」に登場する、国生みの大業を果たされた伊弉諾尊(イザナギ)と伊弉冉尊(イザナミ)の二柱をお祀りする神社。『古事記』・『日本書紀』に記載がある中では全国で最も古い神社。
「夫婦楠」
境内には、イザナギ・イザナミの二神が宿る御神木として、夫婦円満、安産子授、縁結びなどの御利益があると信仰されている樹齢約900年の夫婦大楠がある。
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夫は天国だけど夫婦円満を祈願した
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初めて御朱印帳を買って御朱印をいただいてきました
(SNSなどにアップするのはNGらしい)
ボタボタと大粒の汗をかきながら、参拝。日本で最初に神様が降り立った場所だということで、気を引き締めて手を合わせる。
帰宅後古事記の冒頭を読み直した。色々なことを忘れていて、高校のときにいかにいい加減に学びをしていたか思い知った。
イザナギ・イザナミは兄妹であり夫婦。神様の時代は血縁の結婚はよくあることとして描かれている。喧嘩したり、ズルしたり、ワガママだったり、いい加減だったり…古事記に描かれている神様は人間より人間らしいなあと、後日古事記を読み直して感じた私でした。
島めぐりを楽しむ(山編)
宿のオーナーさんのおすすめ。まず向かったのはこちら。
農家レストラン『陽燦燦』(はるさんさん)
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人材派遣会社パソナ 「パソナ農援隊」が運営するレストランで、自社農園や淡路島の採れたて野菜を主役にしたメニューが味わえます。この日はお盆ということで限定メニューのみ。節約旅のはずが、いたしかたなく(?)コースメニューのオーダーとなりました。おかげで諦めていた淡路ビーフともご対面。こんなにたくさん、一人で食べられないかも!と思っていたけど、スルリスルリと胃の中へ。完食でした。
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・クラフトコーラ、あとこれにデザートがついてました
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教えてくれたゲストハウスのオーナーさんに感謝!
つぎに向かったのは、県立公園『あわじ花さじき』。
花畑がありますよと教えてもらった場所だ。花畑の向こうに海が見えるという絶景。ひとり旅なのを忘れて「わーすごーい、きれーい、すてきー」と心の声が出まくりました。ひまわりのお花畑、一度体験してみたかったので、もう満足度急上昇。
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島北西部の山側を満喫し、海の方へと降りる途中、風力発電のプロペラが見えてきた(運転中なので写真撮れず)。ものすごく大きくてびっくり。調べたらコレ台風で倒れたことあるそうな。こんなでっかいの倒れたらコワイ。
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途中、北淡震災記念公園(野島断層保存館)にも立ち寄った。前の晩、Barでの会話で、南海トラフ地震の警戒中だったこともあって地震の話題となり、阪神淡路大震災の震源地がすぐ近くの淡路島北部(明石海峡付近)だったことを知り、断層を見てみたいと思ったからだ。
震災で地盤は水平方向に最大210cm、上下方向に最大140cmズレたらしい。
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見ることができる
香りの島、淡路島
淡路島北西部のシーサイド沿いには、全席オーシャンビューのパンケーキのお店(幸せのパンケーキ淡路島リゾート)やハローキティのショーが楽しめる施設(https://awaji-resort.com/)などがあって大人気。お盆ということもあってたくさんの人が訪れていた。混雑スポットには目もくれず、日も傾きはじめたので、ハーブのお風呂が楽しめる『パルシェ香りの湯』へと向かった。ここも宿のオーナーさんのおすすめ。瀬戸内海を眺めながら(露天風呂)ゆっくりお湯につかることができた。
淡路島は日本におけるお香発祥の地としても知られていて、海沿いには『枯木神社』というお香の神様を祀った神社がある。
そした土地柄もあってか、淡路島にはお香を製造する会社や販売店がいつくかあるようだ。伝統的なものから現代の生活に合わせたものまで様々なお香があるそうで(宿のオーナーさん情報)、調べたら生産シェア全国一位(70%)!なんだそうだ。知らなかったぁ。
『日本書記』によると推古天皇の時代(595年)に淡路島の海に香木が漂着し、薪として燃やしたところ素晴らしい香りがたちこめたため朝廷に献上され、聖徳太子もこの香木を、観音像をつくる材料として活用したのだとか。香木は現在も神社の御神体として祀られている。
海沿いを散策
入浴後にいったん宿に戻り、車をおいて急いで外出。
なぜかというとこれを見るためです。
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宿から徒歩5分くらいでサンセットスポットへ到着。
新しくできた複合施設の中にはハンモックに揺られながら夕陽を眺めることができる場所もあった。
FrogsFARM
協賛企業を募り、「食」を中心とした地方再生プロジェクトを行なっている。朝ごはんを食べた施設SAKIAもそのプロジェクトのもの。
ドッグランや犬と泊まれる施設もあってなかなかの賑わいでした。
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モニュメントの向こうにはエモ写真撮影中の女子たちがいたよ
とてもステキでした
今日はポンコツは出てこなかった
夕陽で心は満たされても、お腹は満たされない。お昼ごはんあんなにたくさん食べたのに…。
淡路島の魚介を食べたいなと思いFrogsFARMの中にある回転寿司「悦三郎」さんに入った。カウンターだけだから一人でも入りやすい。
「らっしゃい! 何名様ですか?」と聞かれ、人差し指をたてて一人であることを表現すると、店員さん何やら驚き顔。
「一人ですか? あーひとり? 一人ですかぁ」と3回くらいリフレインしたのち「ちょっとお待ちください」と待合の椅子に案内された。5分ほどまって別の店員さんが出てきて「ひとり?」ってまた聞くので、悔しいから真面の笑で「そう、ひとりたび〜♪」とご機嫌で答えたら、若干失笑された。回転寿司でひとり旅客レアなんですかね?費用対効果悪いから?…。ちょっと意外な反応でした。
でもまあ、高級回転寿司店なので、何皿も食べられません。ハイ、サクッと食べてすぐ失礼しますから!と、この心の声はさすがに声には出さず、タブレットをポチポチ操作して注文。
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あとビールの中で一番好きなハートランド(生)
なんとか2,000円以内におさめました。
お腹も心も満たされて宿に戻ると、リビングが宿泊客で賑わっている。子どもたちもたくさんいて、ボードゲームに興じていたり楽しそうだ。
その様子を眺めようとBARでもう一杯だけ、紫蘇のマリネで割った焼酎をいただいた(写真撮り忘れた(涙))。めっちゃおいしい…(涙)。紫蘇マリネ、家で作ってみよう…。
そしてBarカウンターの隣の席に、とてもすてきなご婦人がいらっしゃって、聞けばこちらもひとり旅。東京から車で淡路島まで来たとのこと。おそらく私より10歳ほど年上の、とてもオシャレで話しやすい方だった。
このあと、海岸で行われる『海ほたるショー』に行くというので「私も行ってもいいですか?」とご一緒させていただくことにした。
淡路島でネイチャーガイドやワークショップをやっている「淡路島ネイチャーガイド&リトリート」さん主催のショー(要予約・ギリギリセーフで予約できました。これも宿のオーナーさんのおかげ)で、海ほたるの生体を学びながら、実際に触ったり、捕まえたりできるようになっていて、大人も子どもも楽しめる内容でした。
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とってもキレイでしたー
無事に1日を終えられそうな予感。目立ったポンコツも出てこなくて「やればできるじゃん」と少し自信を取り戻した私。
明日はいよいよ東京に帰ります。 さて…(つづく)