たけにぼ コロナ禍の影響 ~1月から3月まで~
親愛なる皆様、如何お過ごしでしょうか。にだいめです。本日も皆様の心の隙間に少しばかりお邪魔させていただきます。
さて、今日は新型コロナウイルスに関する当店の影響について書いていこうとおもますが、率直に申しますと売り上げは1/3になりました。こんなに減ったか! っていうのが本音ではありますが、まぁ、それはあまり気にしないでください。私は世知辛い話や人の感情を操る話を自らすることが好きではないので、ここで同情を頂くわけにはいきません。それに通販で皆様には本当に多くのご支援を頂いているのがあります。あくまでもこれは私がデジタルな資料と残しているという程で皆様にもご覧いただければ幸いです。
・1月 〜既に危機感は抱いていた〜
異変は1月から既にありました。具体的に申せばマスクが妙に無くなってきていることや、お客様の妙な変化などです。恐らくこれはもしかしたら大ごとになるだろうなと思い、様々な先手を考えました。1番はアルコールの調達です。最初はスプレーボトルタイプを食券機の前に設置していたのですが、1月だったというのもあるかもしれませんが、当時は殆どの消毒に対し非協力的だったのが印象的で、頭を抱えました。そこで私、知恵を絞って、自動でアルコールを噴露してくれる機械を探したのですが、そこも既に転売屋の巣窟になっていたのが現状でして、更に悩ましかったのが、配送日時が異常にかかる物しかなかったのです。それでも何とか自動噴露機は手に入り、これでお客様も手を消毒してくださる、と淡い期待を抱いたのですが、やはり当時は新型コロナウイルスがここまで牙を剥くとは誰もが思っていなかったのでしょうか、消毒にはあまり協力的ではなく、何処かで楽観視していた部分があると思います。勿論、私もこの状況を完璧に想定していた訳ではありません。私も何処か軽い気持ちを抱いていたのも事実としてありました。その医学的理由なき根拠として思っていたのがSARSです。SARSが流行していた当時、日本はそこまで敏感になっておらず、私がまだ、中学生くらいの頃でしたので、報道に対する意識の無さもあり、更には緊急事態宣言というものも発令されなかったのもあってか、連日中国から届く映像にまで日本は至らないのではないかと考えていた節もあります。
1月がやけに印象的でしたのが、中国から届く映像の内容でした。私は営業終了後、すぐにyoutubeでANNがLiveで配信しているニュース映像を見ていたのですが、この映像内容が真実なのかデマなのかが二転三転しておりまして、困惑していた覚えがあります。特に興味深かったのが、中国の地下鉄で「私は武漢からやってきた 席を譲れ」と書かれたプラカードを片手にして電車に乗る男の報道でした。
正直、これがパフォーマンスなのか、それとも真実なのかは私としてはあまり興味はなく、それよりも「もし日本にも新型コロナウイルスが上陸してしまった場合、このようになってしまうのではないか」という恐怖が正直、ありました。
更に印象的だったのが、北海道のとあるらぁ麺屋さんが「中国人の来店を禁止を促す張り紙を店舗前に貼り付けた」報道です。
これは同じ業種だからというのもありますが、当時は差別的な表現として社会問題として取り扱われてたのを記憶しております。ですが、この一ヶ月後に「様々な国が入国禁止処置」の対応をします。そこから考えられることは「このらぁ麺屋は状況を早期的に判断した」だけの話でもあるのです。そう、私が申し上げたいのは「情報の真相」ではなく「感情論での判断が目立つこと」が気がかりだったのです。
実際、1月はまだ「机上の空論で笑い合うような時期」だったように思えます。それは当然です。映像という中でしか起こりそうもないまるでドラマのような内容が中国で現実として起こっていると言われましても、実際に目で、耳で、肌で感じなければ初めて実感することは出来ません。だからこそ、心の余裕がある感情論で物事を判断していたように思えます。まぁ、私がよく言う人間力の度合いに近いものもあります。
・2月 〜嫌な予感は的中〜
そしてずるずると二月に突入します。相変わらず衛生用品の異常な高値販売の問題は解決の目処が立っておりません。ですが私は最悪の状況を想定して、アルコールだけの備蓄は続けておりました。そして消毒意識は若干高くなってきた気配はあったのですが、それでも私が思ってた程の効果もなく、手でポンプアクションをしなければならないスプレータイプのままでも良かったのではないかと思う程、当店の利用者の消毒意識は低かった記憶があります。私は本当にそれが不思議でした。何故かと申しますと、飲食店は衛生学もしっかりと学ばないと「人の体内に吸収されるもの」を作っているからこそ、致命的なミスは読んで字の如く、致命的なことになるという危機的状況に陥ると考えているので、そこの勉強は日々、欠かさずやっております。だからこそ、雑菌の繁殖場所も大体見当がつくのですが、当店は食券機が設置してあります。そして当店に入店する際はドアノブを握る必要があります。基本、不特定多数の方が触るものは用心すべきであるという考えが大事だからこそ、地味に増えつつある新型コロナウイルスの感染に対しての意識が甘いのではないかと考えておりました。ですが、強制は決してできません。そこは例え、危険な行為であると分かりつつも、お客様に求めてしまってはいけないラインとも自覚しておりました。だかこそ、飲食店としての立ち位置が難しいと思ったのです。
そうした中、国内は水際対策を練り始めます。特に印象的だったのがクルーズ船の停泊です。これに関しては私が述べれることはあまりなく、今だに何が正解で何が不正解だったのかという論争が止まないですが、唯一、思ったのが「崎陽軒のシュウマイ弁当がクルーズ船の人たちに届けられなかった」ニュースが印象的でした。
美味しいですよね、崎陽軒のシュウマイ弁当。やっぱ、料理人だから食べ物関係のニュースにアンテナが張りがちです(笑)
そして、個人として特に印象的だったのが3月に全国民が激震したニュースに繋がるのですが、1月のテーマは「感情論上の判断」について色々と書きました。そしてにだいめはそれを何故、警戒していたのか。実は当店でもこんな出来事が起こったのです。それはある日のことなのですが、泥酔したお客様に閉店時間なので帰宅してほしいと促したところ「俺はコロナウイルスだから帰らない」と駄々をこねられたのです。その時の私は「あーあ、遂に出会っちゃったか……」という気持ちしかありませんでした。そう、この言葉を使えば相手をねじ伏せれると「事件や状況に悪手を用いる人」が出てくることが不安で仕方がなかったのです。これが要するに感情論上の判断だと私は思っております。
1月は中国ではこのような出来事が日常茶飯事にあったと思います。そして中には「日本でこんな感染の流行が起こったとしても、ここまでモラルが低下することはないだろう」と語る人もいました。私はその意見を聞く度に「そんなことはない」と根強く思っていたのです。人は考える生き物ではありますが、その考えるという行為はとてつもなくエネルギーを使います。慣れた考えであればあるほど、エネルギーの消費率は少ないかもしれませんが、慣れてない考えを生み出さなければならない時ほどのエネルギーの消費率は尋常ではありません。だからこそ、何も考えずに何かを生み出せる俗に言う「流行語」という共通認識みたいなものに頼りがちになるのが私の考えでもあるのですが、私はそれが「コロナという単語にも十二分に可能性はある」と嫌な予感を抱いていました。そして更にはそれを悪い形で使う人もこれから増えてくるだろうなとも思っておりました。その最悪な形が3月で書こうと思っていた通称「コロナばらまき男」事件でもあるのですが、私は例えどの国籍であったとしても、人間の皮を被った化け物は何処にでも存在するという持論があるからこそ、いずれ日本でも1月の中国の映像のようなことは起こるに違いないだろうと思っておりました。それがまさか、こんな早い段階で出会うとは……。心底、ショックを受けたものです。ですが、幸いこの話は2月の上旬でもあり、ここまで感染率が高い状況でもなかったのが不幸中の幸いってところでしょうか。
けど、毎日検温してましたけどね。今もですが(笑)
・3月 〜飲食店を震撼させた事件〜
「新型コロナウイルス陽性の男性が市の要請を無視して意図的に飲食店を利用した男性」の報道です。俗に言うコロナばらまき男です。これが引き金となったのか、当店の利用者は劇的に減りました。
男のモラリティに関しては私は何度も「感情論の判断」や「人間力」で語っておりますので、割愛させていただきますが、それ以上に怖かったのが、今後、他の飲食店でもこのような事件が起こる可能性を示唆してしまったということです。ここで漸く他の飲食店も水際対策を考え始めたように思えます。これはあくまでも私の意見ではありますが、少し遅いような気もしました。
遂に本格的に牙を見せはじめた感染流行の影に潜む「人間」というテーマです。私が敬愛する映画監督にジョージ・A・ロメロというゾンビ映画の巨匠がいるのですが、その方の映画のテーマは「どんなことがあっても常に怖いのは人間である」というのが根底にあるのです。
この新型コロナウイルスの様々な事件の背景にも常に人間力が乏しくなってしまった方が怒りに身を任せた事件が目立ちつつあります。ゾンビ映画もそのように何かをきっかけに正気を保てなくなり、結果、倫理観や道徳観から真逆な行動を取りはじめるキャラクターが物語に抑揚をつけてくれるのですが、この出来事はドラマではないからこそ、早くエンディングを迎え、次のシナリオへと向かう必要があります。ですが、事実は小説より奇なりとはならず、この物語に色をつけてくれる登場人物はこれからも多く登場するかもしれません。
そして飲食店はこの出来事をきっかけに怯えています。「もし、私たちの店がコロナの震源地になってしまったらどうしよう」と。無理もありません。連日「〜店でコロナ感染者」という報道が加熱し続ける昨今、明日は我が身かもしれないという考えは私にだって常に念頭にあります。だからこそ、私の最初のnoteの挨拶が全てなのです。私は土日以外サイコロを振り続けています。そしてそれは私の周りの人たちを食べさせる為の行為でもあります。きっとそれは周りの飲食店の皆様……、いや、飲食店以外でもやられてる方は大勢いらっしゃいます。そんな皆様方は毎日がそんな気持ちで過ごしているに違いありません。これはドラマではないからこそ、今一度、冷静な客観視や怒りに身を任せた感情論、更には軽率な発言は一切、控え、この問題を1日でも早く改善するつもりで協力し合わないと、きっと明日はないでしょう。私はそんなモラリティが欠如されてないお客様が来店してくださるだろうと毎日祈りながら営業している訳です……。
というわけで、以上、とりあえずは3月まで、私の身の回りで起こった流れをこちらに記録しておきました。次は4月ですが、とりあえず、今回はここまでです。
続きはいつの日か……