たけにぼ にだいめ note 〜はじめに〜

本日よりたけにぼに関する様々な事をnote経由で発信していこうと思っております。こういうのはTwitterやFacebookではなかなか難しく、だからといって、ブログを開設するのも正直なところ、そういう性ではない。更に言ってしまえばYoutubeなんて誰が見るんだと思い、結果としてnoteに落ち着きました。

では何故、急にこんな事を始めたのか。まずはこの経緯についてしっかり書いていく必要がありますので、お付き合いいただければ幸いです。

・きっかけはやはりコロナ禍

やっぱりそうですよね。正直、これに尽きます。新型コロナウイルスの影響は本当に凄まじく、様々な事柄に対して凄まじき悪影響を及ぼしていますね。これに関しては改めて説明する必要はないと思いますが、私が生きてきた中でここまで日本が混沌という渦に飲み込まれ続けている様を見るのは初めてかもしれません。そして我々もその渦に飲まれてしまった組織なのです。売上はすっかり冷え込み、皆が皆、何らかしらの疑心暗鬼を抱き、ソーシャルディスタンスという名の下の牽制のしあい。確かに大事なのです。社会全体が一丸となって協力しなければ、この問題は一向に解決の気配すら感じさせてくれないのです。ただ、同時に私はこの問題に関しては「人間力」が常に試されているようにも思えるのです。

この人間力というのが新型コロナウイルスの問題の中で非常にややこしい存在でして、何故かと申しますと、まず人間らしい行動を取ると「3密」を守りにくくなるからです。まぁ、これに関しましては前述の通り「今、症状として表れていない感染者との接触をなるべく避けて、感染者数を減らしていく」という考えの元なので、理にかなっていると思います。ですがその反面、もし、貴方の目の前で急に倒れた方がいらっしゃった場合、どうするべきでしょうか。

これが本当に難しいのです。更にこの条件に更に難題を設けます。この質問、是非とも皆様と一緒に考えてみましょう。

問題:貴方が経営している店舗を利用しているお客様が急に倒れてしまいました。一体、どうするべきでしょうか

この問題は本当に頭を悩ましています。ですが、実は答えを出す事は簡単なのです。営業を自粛することです。人と人との摩擦のきっかけを作らなければいいだけの話です。ですが現状、この緊急事態宣言の開始日から終了予定日まで自粛できる店舗は数が限られていると思います。理由も明確です。全てはお金です。お店を継続し続ける為にはどんな状況であれど、お金が必要なのです。ですが、それを緊急事態宣言下ですとなかなか難しいのが現状であります。それも理由は前述しましたが、この問題は人と人が距離を取ることによって、なるべく感染者数を減らしていくという社会的な目標と飲食業の経営理念が噛み合わないのです。そうなるとこのコロナ禍のダメージを少しでも軽減する為には少しでも営業をするという選択肢を取らざるを得ないのが現状であります。しかしそれが悪循環を産むのも事実。それがこの見出しであります問題です。我々は営業という選択肢を取ることによって、このような問題を抱える可能性を常に持ち続けているのです。その時、一体、どんな回答をするのが正解なのでしょうか。ここが最初に申し上げた「人間力」だと思っております。

因みにこの問題、私も自問自答してみようと今、考えておりますが、正直なところ、その時になってみなければ分からないという非常に曖昧な回答になります。それも何故かと申せば、ここで「助けるでしょう」とか「人命第一です」などと書くことは「簡単」であるからです。宣言は本当に容易いものでして、大事なのは実行力であると私は常に考えております。が故に、ここでそんな自尊心を出すのは卑怯であると考えたため、敢えて濁します。答えを期待した皆様、ごめんなさい。私はそこまで自分を売るつもりはございません。ですが、営業中は常にそれが念頭にあります。まるで頑固な錆の汚れのようにです。出来事に対し正解で何が間違いなのかは全て結果のみぞ知るのです。しかし全てを含めてしまえば神はサイコロを振りません(=営業自粛が一番正しい答え)要は私はサイコロを振り続けている日々を過ごしているのです。

・忘れてしまいがちな人間力

コロナ禍の中でよく目にするのはこの人間力の度合いだと私は思っております。正直、これに関しては「悲しい」などとは思っておらず、寧ろ「面白い」と思っております。まぁ、面白いという言葉は様々な角度から捉えることが出来るタチの悪い部分がありまして、このような書き方だけで終えてしまうと間違った捉われ方をされてしまいそうなので、敢えて補足を入れますと”笑える”という意味ではなく”勉強になることが多い”という意味で面白いと思っています。私、どうしても人間を観察するのが癖でして、こういう状況下に置かれた際に人はどんな判断をするのかという思考回路を読み解く悪趣味を持っています。正直、らぁ麺屋を本気でやるにはこれくらいの技術がないと駄目です。薄利多売な商売が故に、多種選択は常に存在します。だからこそ、その答えをしっかりと出し続けない限り、中途半端で終わってしまいます。それには経験が大事であり、必要不可欠な存在なのです。だからこそ、経験のしたことのない人間の思考回路とは見ていて実に面白いものがあります。コロナ禍による人々の対応なんかもそれに近いのですが、同時に私として思うことは人間力が失われしまった人たちも多くなってしまったという部分であります。だからこそ、危機的状況という最中ではあるのは確かではあるのですが、だからこそ一回自分自身を俯瞰で見る力(=私はそれが人間力だと思っています)が大事なのかと思います。

・正直、騒ぐのは簡単。楽しむのは困難。

騒ぐことは非常に簡単であります。「困った!」「どうしよう!」「政治家は何をやっている!?」これは本当に簡単な言葉で、且つ自身に溜まったフラストレーションを発散することも出来ます。ですが、こんなの一時的な劇薬にしか過ぎず、また必ずフラッシュバックします。これがあまりよろしくない輪廻へとなっていくように私は考えております。なので、私は考えません。そういう時は与太郎(=落語で言うところの間抜け役)を演じる柔軟性も大切なのです。実際、私はこの事態に陥って気づかされる事の多さに改めて自分自身がどれだけ甘い存在だったかというのを身に沁みました。しかし、それは結果として私自身の成長へと繋がるきっかけでもあったと考えております。が故に、日々が楽しいのです。毎日が発見であり、経験であり、挑戦である。毎日が危険と隣り合わせだからこそ初めて理解できる境地なのです。もちろん、この事態は早く終息していただきたいのが本音ではありますが、このような気概も持っていないと人間力が溶けてしまいそうで怖いというところもあったりします。まぁ、言ってしまえば強気な臆病者ってところでしょうか(笑)

・では、気付かされたこととは何ですか?

そうですよね、それ知りたいですよね。こんだけ風呂敷を広げておいて、それを披露せずに今日は解散! ってのはないですよね。分かります。まぁ、単純なのですが、お客様との絆です。当然な話なのですが、正直、薄利多売な商売の悪いところって「流れ作業が多いが故にそれを忘れがちになる」というところがあります。面白いですよね、人間って。こうして当然なことをこの様な状況にならなければ強く意識が出来ないんですから。本当に情けないというか何というか……。まだまだ私も甘い人間だった、と深く反省しております。ですが、ここから少しだけ私、言い訳をさせていただきたい(笑)

よくこういう話の続きとしてお客様から「頑張ってください」と声を掛けてくださった〜などのエピソードが流れると思います。ですが、私は確かにそのような話も本当に有難いのですが(よくTwitterやFacebookでも激励は頂いておりまして、感謝の気持ちで返信しております)それよりも胸に響くのはこんな事態であったとしても毎日何事もない顔で来店してくださって何も言わずに帰るお客様がいらっしゃるということなのです。私はその方のお姿を拝見するだけで、自分自身を再度奮起し続けております。正直、感謝しかありません。

この言葉にせず、毎日、お顔を見せてくれる。そしてこんな状況下でありながらも当店にお金を使い続けてくださるお客様には頭が上がらないです。正直、この手の話は結果、お客様に甲乙がついてしまうので、あまり好きではないのですが、私はそのお客様が毎日ご来店される姿を見て気付かされたのです。あぁ、私は何て当然な気持ちを遠い過去へと置いていってしまったのだ、と。情けないですよねぇ。ここまでにならないと気付かされないとは……。

・なので、私はそれから楽しむことにしました

ということです。何事も取り敢えずは楽しんでみて、ダメだったらダメでそこを人間力でどう乗り越えていくか考える。ただ騒ぎ、ただ不安になり、ただ落ち込むだけでは馬鹿馬鹿しいです。だからと言って、論理無しに「コロナに負けない!」と騒ぐのも私は同じだと考えております。大事なのは人間力というのを如何に溶かすことなく、正気を保ち続けることが出来るかどうかということです。それは即ち、自分自身が他人にどう映っているかを自身で解釈できるかというところに似ています。今回たけにぼで公式にnoteを始めたのもそのようなきっかけとしてあったりします。言わば、にだいめのコロナ禍による記録みたいなものです。ウチも本当に苦しいのが現状ですが、それをどう楽しむか。そしてそれがどう自分自身の未来に還元するか。言わば公開実験みたいなものです。皆様もこの実験の結果がどうなるのか一緒に楽しんでもらえたら幸いです。