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模型の魅力を自分なりに語ってみる(長め)

一応、地元で模型サークルの主宰をやっています。
模型専門店がない地域とはいえ、一応地元のショッピングセンターや家電量販店などでキットを購入することも出来るし、専門的なパーツとかは今の時代、ネットで購入するのが当たり前になっていることを考えると、送料にさえ目をつぶればさほど不自由はないものです。

とはいえ、ホビーショップが無い地域に住んでいるということは、「模型を作るという趣味に出会う(刺激を受ける)」機会がなかなか無いのとほぼ同意義。
今の時代、PC、スマホ、専用機と様々なガジェットでゲームが楽しめる時代に「模型やっています」と語れる人は僅かだと思う。

一方で「模型は面倒くさい」というイメージを払拭したのがガンプラ。
今じゃ塗装も接着剤も不要で(もちろん、素組みという前提で)、初心者でもじっくり時間をかければ綺麗に形にできるし、組んでからも存分に遊べる。しかもその完成度は年々高まっているのだから、凄いとしか言えません^^;

自分が主宰している模型サークルでもメンバーの大半がガンプラ派なので、飛行機やってる人ってほんと数人。語り合える人が少ないのは寂しいなぁと思います。

自主開催した模型展示会で来場したお客様に「飛行機模型って何が面白いの?」と真顔で聞かれたことがあります。小馬鹿にしたような言い方ではなくて、本当に素朴な疑問に思っているようだったので、その時初めて真剣に考えましたね。
自分にとっては単純に「飛行機が好きだから」って思っていただけなので、その時何と返したかは今となっては覚えていません。

うっすら覚えているのは「飛行機模型って一番難しいジャンルだと思うので、完成したときの達成感というか満足感がハンパなくデカいんですよねぇ」って言ったことくらいかなぁ。以前、とある模型誌で似たようなことを書いているモデラーさんがいましたが、自分もすごく共感したなって記憶があります。模型作りって、ずばり「作る」という作業を楽しいと思えるか、「面倒くさい」って思うかのどちらかですよね。

自分なりの主観…みたいなこと

■AFV(戦車、ミリタリー)。
自分的にはAFVって油絵に近いなぁって思います。
戦車系ってやっぱり単品よりもジオラマとかストーリーの中のキャストだなって思います。自分も一度挑戦したけど「表現する力」というのかなぁ、とにかく作品から音とか匂いとか温度みたいな「五感」を刺激する力が求められるような気がしましたね。作り手とそれを鑑賞する側。両方の息遣いというか「熱」を表現する技量を求められるジャンルだという認識です。

■オートモデル(車、バイク、レースカーなど)
車は自分も嗜むジャンルなのでなんとなく分かるんですが、真の意味での「ミニチュア」とはこのカテゴリーなんだと思う。ジオラマよりは実車への造詣とか、憧れとかを形にする喜び。もちろんセンスはそれなりに要求されるけれど、プロモデラーって呼ばれる人たちの作品なんてほぼ実車だしね^^; (バイクも同じ)

■船(艦船)
ウォーターラインと呼ばれる洋上モデル(主流は1/700)のようなルーペを使って組むようなものから、組み上げると1メートルを超えるモデルまで幅広いラインナップが揃う。大きなモデルになると、そこそこ広めの作業スペースを必要とするので艦船ファンは「建造」って言葉を使っているようですが、なるほどです^^;
船のジャンルって大半が軍艦(大戦中の艦船〜現用艦)だったりするし、肝心の対象物は沈没したり解体されてしまっているものがほとんど。しかもアメリカとか日本の艦船の場合、特に旧日本海軍の艦艇なんてほとんどが沈没しているし、カラー写真なんて終戦後にアメリカに記録されたごく僅か。当時の姿を再現するのは僅かな資料と、推測、研究、考証によるものだから、艦船ファンはそこに思いを馳せながら、失われた実艦の姿を模型で再現するという楽しみがあるのだと思う。

■ガンプラ(他のアニメものも含む)
もう奥が深いとかそういうレベルじゃない^^; 何せ実物が無い。
あたかも実機があるかのような考察で作り込む面白さ。
AFVのように、ストーリーとして描く世界観。
自分が理想と思える造形を追求する楽しさ、ifの世界、オリジナルの改造。
とにかく100人いれば100人が思うモビルスーツの理想形なり、果てのない「正解」を追求する面白さはガンプラならではのものではなかろうか。

じゃあ、飛行機模型の魅力って何なの?

…じゃあ飛行機模型の面白さってなんだろうか。
うーん、やっぱり語るには少々難しいなぁ。

パイロットや整備員といったストーリーとしての脇役を添えて
ジオラマに仕立てようと思えばAFVに通じるものがあるかな。

大戦機を作ろうと思えば、日本は敗戦国だから実機のカラー写真に乏しく、
そういった意味では艦船に近い考察力が必要になる時もあります。

車とかバイクを作っていると、「素材感」的な表現が求められますが、金属むき出しの部分、高温にさらされた「焼け」の表現、ゴムや複合材の表現、経年劣化の表現、塗装面の処理など、飛行機にも似たような表現を使う時があります。

船と飛行機ってジャンルは異なるんだけど、細部表現に「エッチングパーツ」を使う頻度が高いってことでは似た部分があるかも。
特に艦載機を作る場合は艦船の資料をよく見ますし、飛行機モデラーが艦船の専門誌を購入するってケースも割と多いらしいです。

ガンプラと飛行機ってどうなん?って感じがするんですけど、
例えばガンプラに「実際に存在したら?」と考察するうえで、飛行機(戦闘機)は非常に参考になるらしいです。「〇〇作戦に投入された時の機体…」とか、実機の開発経緯とか、進化(アップデート)の経緯などはガンプラの世界では当たり前の考察材料です。プラモの世界でも、スジ彫りの技術とか、細部ディティールのありかたとか、戦闘機というモチーフは魅力的に見えるらしいです。

とまぁ、長々と書きましたが、飛行機(ここでは戦闘機を前提にします)は、空想のメカではないので、専門誌などで実機の姿を見ることが出来ます。
しかし、そもそも戦闘機は国防の軍機。実機を目の辺りにできる機会は各地で開催されている航空祭程度なので、たまーに上空を飛んでいく実機の音に妄想が掻き立てられるというか、想像する楽しみがあります。そういった意味ではなんとなくガンプラに近い部分もあるのかもしれません。

そして、パチパチとランナーから部品を外して接着剤で組み上げたところで、プラの素材色と透明部品の違い程度しかありません。
しっかり組んでゴールを目指すなら、合わせ目を消して、塗装して、マーキングデカールをちまちまと貼っていく必要があります。
「合わせ目を消す」ために必要な道具があり、マテリアルがあります。
「塗装する」ためには、どんな性質の塗料を使うのか、筆で塗るのか、エアーブラシ(スプレー)で塗装するのか。そもそも塗装には専用のツール、塗料を別に揃えなければいけません。若干の投資が必要になります。
そして何よりテクニックが求められます。

そして塗装が終わったら、仕上げとしてちまちまとマーキングデカールを貼り込んでいく。台紙から剥がしてペタッと貼るシールとは違い、水につけてマーキングフィルムを台紙から剥離させ、所定の場所に貼るという繊細な作業が求められます。

「飛行機模型って難しい」と言われる所以はそういった工程の多さと、求められるテクニックの数が多いから、ということなのでしょう。

模型に興味がある、飛行機に挑戦してみたいと思ったモデラーの皆さん、
ぜひ一度飛行機模型の世界を体験してみてはどうでしょうか。
ここで長々と書いた意味、絶対わかると思いますよ^^







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