坊っちゃん劇場『鬼の鎮魂歌』を観て
愛媛県東温市の坊っちゃん劇場にて、『鬼の鎮魂歌』を鑑賞しました。
桃太郎伝説と言えば、日本各地にゆかりの地があるものの、今作は岡山が舞台。後で色々調べてみると、劇中の設定や桃太郎と温羅のセリフにその伝承に基づいたものがたくさんありました。
温羅『俺は雉になって…』
桃太郎『お前が雉になるんなら俺は鷹になって…』
温羅『お前が鷹になるんなら俺は鯉になって…』
桃太郎『お前が鯉になるんなら俺は鵜になって…』
のくだりとか全然意味わかんなかったんですがそういうことね。
中盤、桃太郎がある決断(AかBか)をする場面がやってくるのですが、僕はてっきり桃太郎が主人公だと思っていたので、Aを選択すると思ったのですが、実際にはBを選択したので、「あ、これは鬼が主人公の話なんだ」と気づきました。どうりで、タイトルが『鬼の鎮魂歌』となっているものです。
「歴史は勝者によってつくられる」というように、勝者は自分を正当化するために、敗者を悪として物語を作ります。似たものだと出雲政権説がありますよね。大国主大神の国譲りの話は、出雲政権の物語を大和政権のそれとがっちゃんこした証拠ではないか、という。
民間伝承を、歴史を上書きされたであろう敗者の立場から再構築し、今風のミュージカルにアレンジしてお届けする…とても面白い舞台だなーと思いました。
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