『花束みたいな恋をした』感想
個人的には、前半良くて後半ちょっと残念でした。。でも、ここまで議論したい欲を刺激された作品も多くないので、以下感想を書き連ねてみました。
まずは、良かった前半。描写が秀逸なのは、六本木IT界隈と、武蔵野サブカル界隈の価値観の違いである。
両者は決して仲良くなることができないのである。自称映画マニアが好きな映画を『ショーシャンクの空に』と答えた時の二人の反応からわかるように。その逆もまた然りである。
しかし中盤、麦が就職して以降は、書店で『人生の勝算』を読むくらいには六本木IT界隈の価値観に染まっていってしまう。
が、武蔵野サブカル界隈の人間はどう頑張っても六本木IT人間にはなれないのである。だから麦は無理してるんだろうな、幸せになれなそうだな、と思い悲しくなってしまった。
でも、次々出てくるサブカルワードの数々、武蔵野界隈の人からしたらこういうの出しときゃ喜ぶでしょみたいな、軽くあしらわれてる気がして逆に嫌われる感じがするんですが、どうなんでしょう笑
あと、トイレットペーパーの使い方が秀逸でした。二つ買って一つずつ持って返し忘れちゃうヤツ。
続いて、納得行かなかった後半である。
絹がいい子すぎる。もっと感情的になったところを見たかった。これでは麦が変わった(社会に染まった)から二人の関係が終わったことになるくない?もっと絹のほうにも変わってしまった点はなかったのだろうか(あったらごめんなさい)
でも、クライマックスの涙は、忘れていた自分たちの初心を思い出して悲しくなったのかなとか、これからあのカップルがくっついてでも私たちみたいに別れるのかなって想像したら泣けてきちゃったのかなとか、色々考えされられて良かったです。
でも、『駅前のパン屋行けばよくない?』って返すのは絶対ダメでしょ麦くん。