【芝居台本②】あんたに、わたしの何が分かるってんだい。
最近傷ついたことがあるのだ。
それは、「キミは無理をしている。見ていて疲れる」という言葉をかけられたというもの。
わたしはお調子者で、常に人を笑わすようなコトをしてしまうのだけれど、それがわたしが無理くりやっているように見えるのだとか、、
しかし、私はもちろん無理をしているわけでもなく、
嫌々やっているのではなく、
むしろこれが「わたし」なので、もはやわたし自身を否定されたようなものだ。
しかし、そこでへこたれるような人間ではない。
わたしは勇気を振り絞って言ってやった。
「あんたに、わたしの何が分かるってんだい!!」と。
その言葉はこの世にポツンと生まれた瞬間、自分でもびっくりするほどずっしりとしたものだった。
悔しさと、悲しさと、ちょっとした怒りが合わさってすごくすごく重みのある音。
わたしは相手に遠慮して、か弱く、か細いしゃがれた声で言ったのだが、言霊がそれを許さないと言わんばかりに、わたしの想いの全てを「言葉という文字」「声という音」に乗せて解き放った。
その全ての想いが相手に伝わったのかは分からない。
でもそれでいいんだと思った。
その瞬間、わたしは自由になれた気がして、大きな空に大きな声で叫んでみた。
「あんたに、わたしの何がわかるってんだい!」と。
風がふわっと優しく吹いて、雲の動きが早くなった。
どこからともなく、梅の花びらが舞い散る。
「わたしは、桜より梅が好きだなぁ」
なんて何年か前に大切な人が言っていたような。
春の香りがする。
あれからもう、3度目の春が来る。