【芝居台本①】キラキラした世界に憧れる眠り姫
この世の中の朝というものは、とても気持ちが良くって、
カーテンの隙間からキラキラ輝く眩しい光は
自分が住んでいる世界とは別物かのように美しい。
学校へ行くこどもたちの声や、ゴミ収集車の音、
毎朝早起きの鳥たちのさえずりが遠くで聞こえる。
またこの世界の一日が始まるようだ。
昼過ぎに目が冷めて、寒さに負けて、また眠りにつく。
そして夕方目が冷める。
なんだかもったいない時間を過ごしたかのように感じるのはなぜだろう。
わたしが望んでいる世界は夢の中だけな気もする。
でも、何を望んでいるのかも、何に期待しているのかも分かりはしない。
ただ眩しいキラキラとした世界をただ呆然と眺めていたいだけなのかもしれない。
そしてまた眠りにつく。
カーテンの向こうのキラキラ輝く別世界にときめくために。