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天界への電車

東京。下北沢。

真夜中1時。

駅のホームにぽつんと立ちすくむわたし。

最終電車がやってくる。


風がビュンビュン吹いた。

息ができない。

このまま死んでしまったらどうなるんだろうとか考えてた。

電車がきた。

「扉の周りを広く開けてお待ちください。」と駅員が何十回、何百回、何千回言っているであろうセリフを棒読みで繰り返す。

電車の扉が開いた。
疲れきった顔が目の前にあらわれる。

満員電車の隅っこで立ちながらパソコンを開いて仕事をする外国人。

そんなに追い詰められる世の中ってなんなの?

大きな音を立てて、急に電車が止まった。
なだれのように次々と倒れ込む。

倒れても全然痛みなんか感じなくて、

誰かの名前をよびたいけど、呼びたい名前が分からない。

隣の人のイヤフォンから別れうたが聞こえてきて、泣きたいんだけど泣き方がわからない。

何もない自分は透明人間なんだって

でも透明人間にもなれない自分って
何者なんだって

分からないからこれからも叫び続ける。

誰なのか分からない名を。

わたしは、このままどこに向かうんだっけ?

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