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人身事故を回避せよ。私が「五輪中止」を求める理由。

 みなさんは、事故を起こすとわかっている車に乗りたいでしょうか?
 普通は、だれだって乗車拒否します。
 しかし、今、そんな車を政府が運転し、「安心・安全だから」とみなさんを説得し、車におしこみ、思いきりアクセルを踏み込んでいます。

 事故の被害者は国民だとわかっていながら…。この車の目的地はもちろん「東京五輪の開催」です。


 この間、IOC(国際オリンピック委員会)関係者から信じられない発言が続きました。

 コーツ調整委員長(緊急事態宣言下の開催について問われ)「もちろんYESだ」
 バッハ会長「(五輪開催のために)誰もがいくらかの犠牲を払わなければならない」
 パウンド委員「菅首相が中止を求めても、大会は開催される」

 どの発言も、開催国である日本国民への配慮はもとより、大会に参加するアスリートに対しても配慮のない発言です。
 しかし、こうした一連の発言に、菅首相は、なんら抗議もせず「安心・安全な五輪に全力を尽くす」と繰り返し答弁しています。 
 安心・安全の主語はだれなのか。安心・安全のために「中止」の選択肢はないのか。だれもがいだく疑問への回答はいまだにありません。

 「安心・安全」を語るのは政府だけではありません。
 さいたま市も政府方針に合わせる形で、聖火リレーを7月8日に氷川神社~さいたま新都心公園までの3.4㎞の区間でおこなうことを発表しました。市HPの市長コメントには「安心・安全にできるよう万全を期していく」と記載されています。
 一方で、さいたま市と同じく、競技会場を有する千葉県は「地域住民の安心・安全を考えて、聖火リレーは全区間で中止する」(熊谷知事)と発表しました。
 国でも地方でも、安心・安全のために政治家がどう主張するか問われています。
 
 そもそも、ワクチン接種がすすめば、安心・安全な大会を開催できるのでしょうか。
 コーツさんなら「もちろんYESだ」と答えるでしょう。(開催のためならなんでもYESと答えそうですが…笑)
 しかし、「YES」と判断するには必要な条件があることを忘れてはなりません。
 ワクチンの効果が発揮されるには、世界の大多数が免疫をもった状態である「集団免疫」が必要不可欠です。
 しかし、世界保健機構(WHO)は、ワクチンが世界に行き渡るには、まだまだ時間がかかるとして「今年中の集団免疫は達成できない」と断言しています。
 日本国内に目を向ければ、医療従事者の確保も困難です。五輪に必要な医療従事者は1万人とされていますが、国内どこでも不足しており、さいたま市議会でも新型コロナ対策を提案した際「医療従事者が足りず、実施できない」との説明が度々なされています。
 こうした状況下で、医療従事者を地域から引き離すことは、私にとって「市民の命を危険にさらす」ことと同義です。

 もはや、市民が安心・安全な状態での五輪開催は不可能です。五輪の中止をただちに決断し、新型コロナ対策に力を傾けるべきです。
 事故を避けるにはブレーキを踏ませるしかありません。国政でも市政でも、私たちは、この立場で議会論戦を展開していくことを宣言します。

日本共産党さいたま市議会議員 たけこし連

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