ヤングケアラー支援 3提案
昨今、ヤングケアラー(家族の介護や看護をおこなっている18歳未満の子ども)への支援の必要性が注目されています。本市でも今年6月に市内中学、高校の全生徒への調査を実施しました。調査の結果、全体の4.51%にあたる1237人が家族の介護や看護に従事していることがわかりました。こうしたヤングケアラーを支援する政策を3点、議会で提案しました。
提案①児童支援担当教諭の配置(神奈川県藤沢市)
▶︎発見のとりくみ
神奈川県藤沢市では担任を持たない教諭で「みんなの先生」という位置付けの児童支援担当教諭を配置してヤングケアラーの発見にとりくんでいます。児童支援担当教諭は毎朝、校門や下駄箱に立ち、登校してくる子どもに声をかけながら洋服が汚れていないか・お腹を空かせていないかなど、子どもの様子を確認し、気になる子どもがいれば担任に報告し集団的な対応をおこなっています。本市でもこうした教諭を配置し、ヤングケアラーの早期発見につなげてはと提案しました。
提案②ヤングケアラーがいる家庭へのヘルパー派遣(群馬県高崎市)
▶︎支援のとりくみ
ヤングケアラーの発見だけではなく具体的な支援も必要です。群馬県高崎市は2022年度から中高生のヤングケアラーがいる家庭に無料でヘルパーを派遣する事業を開始しました。このとりくみは高崎市教育委員会が主導して実施しています。こうした取り組みを本市でも実施できないか提案しました。
提案③地域NPOとの連携
▶︎発見と支援のとりくみ
行政がおこなう支援には限界があります。そのため、必要に応じて地域NPOと連携していくことも提案しました。具体的に紹介したのは本市の精神保健福祉センターで勤務していた方が代表をしているNPO法人「ぷるすあるは」との連携です。 「ぷるすあるは」は、絵本やwebを通じて、親とこどもに寄り添う活動をしており、その取り組みの一つとして作られた「子どもの情報ステーション」ではヤングケアラーに特化したページを作成しています。また、ヤングケアラーに限らず、支援が必要なすべての子どもたちにとって必要な取り組みをとうったえています。こうした取り組みを踏まえて、子どもたちへの情報共有や支援のための連携を提案しました。
さいたま市の回答は
さいたま市は6月におこなったヤングケアラー調査を受けて、今後、ケアラー支援条例の制定や新規事業の検討をおこなっています。この提案を受けて、「情報収集をおこないながら本市事業のブラッシュアップにつなげていきたい」と回答しました。
また、NPO法人「ぷるすあるは」との連携は今年10月にスクールソーシャルワーカーを対象とした研修会を実施したことが報告され、さらなる連携強化を進めると回答しました。
ヤングケアラーの家族を丸ごと支える支援をさいたま市で
ヤングケアラーという言葉が議会ではじめて使われたのは2012年の東京都議会で日本共産党の藤田りょうこ(大田区選出)議員の質問でした。それから10年が経過し、ヤングケアラーの実態調査に各自治体がとりくむ中で、支援のとりくみが広がりつつあります。
本市がこれからおこなう予定の条例制定や支援について様々な提案をしながら文字通り「ヤングケアラーの家族丸ごと支える」支援につなげていきたいと思います。
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