さいたま市が経済動向調査を発表！ 地域経済の最新トレンドからみる課題は
1. はじめに：経済動向調査の概要
さいたま市は、2024年6月に市内の経済動向調査を実施し、9月2日に公開しました。
この調査は、市内企業の経営動向や地域経済の現状を把握し、適切な支援策を検討するための基礎資料として重要な役割を果たします。
結論から言えば、調査では、市内の景況感は厳しい状況が続いており、特に小規模事業者にとっては依然として多くの課題が残されていることが明らかになりました。
本記事では、この調査結果を基に、さいたま市の経済現状と今後の課題、さらに必要とされる支援策について検討していきます。
2. 現在の経済状況：回復に停滞感
調査結果によると、市内企業が感じている経済の「良し悪し」を示す、景況感DIはマイナス18.3で、前期（2024年1～3月期）のマイナス15.1からさらに3.2ポイント悪化しました。
前年同期（2023年4～6月期）のマイナス16.5と比較しても1.8ポイント悪化しており、さいたま市の経済が依然として厳しい状況にあることが明らかです。
業種別に見ると、不動産業は若干改善しましたが、その他の業種では悪化が目立ちます。特に飲食店業では、景況感DIがマイナス31.5と大幅に悪化し、建設業はマイナス11.4、製造業はマイナス24.1と厳しい状況が続いています。さらに、売上高に関する指数も悪化しており、2024年4～6月期はマイナス8.5で、前期から5.0ポイント低下しました。
これらのデータから、さいたま市の経済は全般的に停滞・下落傾向が顕著で、特に小規模事業者にとっては非常に厳しい状況が続いていることがわかります。
3. 小規模事業者の現状と課題
さいたま市内の小規模事業者が直面している最大の課題は、「売上・受注の拡大」です。調査では、全体の40.5％がこの課題を挙げており、特に深刻な状況にあります。
加えて、「人手不足」が31.3％、「人材育成や社員教育の不足」が24.4％と続き、人材に関する問題も経営の大きな障壁となっています。
さらに、原材料価格の高騰は、特に製造業や飲食業にとって深刻な打撃を与えていることも明らかになりました。
例えば、飲食店業界では、食材費の高騰が経営に直接的な影響を及ぼしており、約8割の事業者が「現在、影響が出ている」と回答しています。仕入れ価格が上昇しているにもかかわらず、販売価格への転嫁が難しい状況が続いています。特に、価格転嫁率が2割未満にとどまる事業者が多く、利益率の低下が避けられない現状です。
製造業でも、原材料の価格高騰が深刻で、鉄鋼や化学製品などの主要原材料の価格が高止まりしているため、多くの企業がコスト増に直面しています。全体の53.8％の企業が「現在、影響が出ている」としており、その影響は経営全般に広がっています。
こうしたコストの上昇分を販売価格に転嫁できているのは、一部の大企業に限られており、多くの小規模事業者は価格転嫁に苦慮している状況です。
このように、小規模事業者は売上の維持・拡大が難しいだけでなく、コスト管理の面でも非常に厳しい状況に置かれており、経営の安定が一層困難になっています。
4. 今後の見通しと懸念
調査によると、さいたま市の景況感DIは2024年7～9月期にマイナス20.2まで悪化すると予測される一方、10～12月期にはマイナス16.8とわずかに改善する見通しです。ただし、この改善は一時的なもので、持続的な経済回復には程遠い状況です。
特に小規模事業者にとっては、売上の回復が見込めない中、原材料価格の高騰や人手不足といった長期的な課題への対処が急務であり、適切な支援策が求められています。
5. 小規模事業者への支援策の必要性
調査結果から、小規模事業者が直面する厳しい経営環境を打開するために、迅速で効果的な支援策が必要なのは明らかです。
特に、原材料価格の高騰に対する補助金の提供や、雇用支援策の強化が求められています。また、デジタルトランスフォーメーション（DX）導入による業務効率化の支援や、地域経済を活性化するための施策も必要になってくるでしょう。
加えて、資金繰りが厳しい事業者には、無利子無担保の融資を提供することで、経営の安定を支援も必要です。
今後の議会論戦でも、この分析をもとに、市内業者を守り支える支援を具体的に提案していきたいと思います。
要望や実態の声などありましたら、お気軽にご連絡ください。
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さいたま市議会議員 たけこし 連
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