外国語は、使わなければ忘れる
年末年始に香港・日本に滞在して、1月第1週の終わりにロンドンに戻ってきた。第2週に入り、時差ぼけが治らないまま私と妻は仕事、3歳の息子Yも保育園通いを再開した。
保育園の先生からYについて、「今週は(私の子どもが)英語の発話にいつもより苦労していた」と言われた。3週間ほどイギリスを離れ、英語を使っていなかったことが理由だと思う、とのこと。
ロンドンの生活では、子どもに対して日本語で話しかけるのはほぼ私だけだ。妻にとって日本語は母国語ではないし、我々はロンドンにいる他の日本人コミュニティとのつながりもない。
Yは、ここ2,3か月ほど、日本語よりも英語の方に慣れ、私が日本語で話しかけても英語で返事をすることが多くなった。私が日本語の本を読み聞かせしようとしても、英語の方が馴染みやすいのか、英語で書かれた本を好むことも多い。久々に日本に滞在したときは、Yも自然と日本語を使うことが増え、日本語に対して日本語で返すことが増えた一方で、少し英語が出づらくなったということなのだ。
その後、たまたま帰国子女学校関係のサイトを読んでいたら、こんなことが書いてあった。
「日本に帰国した直後から、海外で学んだ言語の忘却は始まります」。
言語運用能力を維持するには、特定の言語を使い続ける環境の必要性を改めて考えさせられた。このままずっとロンドンで生活すれば、Yの英語はネイティブとほぼ同等になると思うが、家庭だけで少し使う今の状況では、逆に日本語を使うことは難しくなっていくかもしれない。なので、4月からは、Yは週末に日本語を学ぶ学校に通う予定だ。それでも、読み書きを学ぶ段階になったときにどうするかは、とても悩ましい。
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