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ブックオフ トレカフェス2023 in Shinagawa DAY1 予選第一回戦 ZweiLanceVSルナカンタ【デュエマ】

2023年11月18日、東京流通センター。

かつてグランプリの舞台にもなった由緒正しい会場で、新たな戦いの幕が挙がろうとしていた。

参加者250人超・二日連続開催の大規模CS、ブックオフ トレカフェス2023である。

その初日の予選第一回戦、まさしく一発目の試合の準備をするプレイヤーが二人。

一人はZweiLance。もはや説明不要の強豪プレイヤーにしてインフルエンサーだ。今回はフェアリー/AYNとともに、招待選手として参加している。

もう一人はルナカンタ。初戦からビッグネームとぶつかることになったわけだが、その表情に緊張の色は見られない。静かに闘志を燃やしているようだ。

初戦で勝ちを収めてスタートダッシュを決めるのは果たしてどちらになるのか。

「レッツ、ブックオフ!」の掛け声とともに、デュエマ・スタート。


Game

先行・ZweiLanceによる《天体妖精エスメル //「お茶はいかがですか?」》チャージでゲーム開始。。現在の環境でこのカードを採用するデッキと言えば……そう、【水闇自然ジャオウガ】だ。

それを証明するかのように、2ターン目のZweiLanceの動きは《アーテル・ゴルギーニ》チャージからの≪天体妖精エスメル≫召喚。《飛翔龍 5000VT》がマナゾーンに置かれた。

一方のルナカンタはというと、《「光魔の鎧」》《水雲の聖沌 5u170n》とマナチャージ。こちらは【ヘブンズ・ゲート】、なかでもギャラクシールドを取り入れた形のようだ。

3ターン目を迎えたZweiLanceはド定番の《天災 デドダム》をきっちり召喚。マナを5マナまで伸ばすことに成功した。

これにより手札に《幻緑の双月 // 母なる星域》、マナゾーンに《CRYMAX ジャオウガ》さえ用意できれば、4ターン目に≪母なる星域≫から《CRYMAX ジャオウガ》を呼び出すことが可能となる。【水闇自然ジャオウガ】の誇る強力な押し付けムーブだ。

はやくも切札の降臨をちらつかせ始めたZweiLanceだったが、ルナカンタも負けじと≪ギャラクシー・チャージャー≫で応戦。

【ヘブンズ・ゲート】を大きく強化したこのカードで《星門の精霊アケルナル // スターゲイズ・ゲート》《電磁魔天イエス・ザナドゥ》を手札に加え、4マナに到達する。こちらも次ターンには≪スターゲイズ・ゲート≫から横展開をしようという構え。

両者ともビッグアクションを控えたこの状態。だが、ひとたび動き出した時の破壊力ではルナカンタの【ヘブンズ・ゲート】が上回る。≪支配の精霊ペルフェクト≫に《∞龍 ゲンムエンペラー》、《闘門の精霊ウェルキウス》に《神聖龍 エモーショナル・ハードコア》……能力もパワーも強烈なブロッカー軍団の降臨を許してしまえば、【水闇自然ジャオウガ】のゲームプランは破壊されてしまうだろう。

当然、ZweiLanceはそのことを理解している。詰めるなら、今しかない。

4ターン目、まずは《CRYMAX ジャオウガ》をマナチャージ、《天災 デドダム》を召喚。間髪入れずに≪母なる星域≫、鬼の王が今、立ち上がる!

お互いのシールドを墓地に送ったのち、ZweiLanceは《CRYMAX ジャオウガ》での攻撃を選択。捨てさせた2枚の手札は《支配の精霊ペルフェクト//ギャラクシー・チャージャー》に……《「絶対の楯騎士」》。T・ブレイクがルナカンタを襲う。

ルナカンタ「考えます」

シールドを捲る手が、止まった。それは「解答なし」のサインなのか、それとも「解答あり」を意味するのか。

開かれたシールドは……《護天!銀河MAX》!

手札からの表向きシールド装填とクリーチャー1体の手札送りを選択できる呪文の登場に、さしものZweiLanceも顔を強張らせたかに見えた。追加のS・トリガーやギャラクシールドをセットされてしまえば、このターン中の決着は一気に遠ざかる。


が。


ルナカンタ「………デドダム手札で」

ルナカンタの手札に、解答となるカードは無かった。否、直前まではあったそれは、既に墓地に置かれていた。

《CRYMAX ジャオウガ》攻撃時の手札破壊によって、手札で唯一の「答え」だった《「絶対の楯騎士」》がピンポイントで撃ち抜かれていたのだ。

あまりにも致命的な一手によって、【ヘブンズ・ゲート】、陥落。

≪天体妖精エスメル≫のダイレクトアタックで幕引きとなった。

Winner:ZweiLance


ルナカンタ「クラジャがなければなあ……!」

紙一重で守り切れなかったルナカンタは、まさに【水闇自然ジャオウガ】を意識して【ヘブンズ・ゲート】を使用したという。だからこそ、だろうか。なおのこと悔しそうな表情を見せた。

ルナカンタ「普段は【水闇自然<ナーガ.Star>】とかを使っているんですが、今回は【ヘブンズ・ゲート】で。【水闇自然ジャオウガ】にも(トリガーを)踏ませたら勝てますし、≪ボン・キゴマイム≫が効きにくいのも快適です」

基本的に【水闇自然ジャオウガ】は勝ち筋を《CRYMAX ジャオウガ》に依存しており、S・トリガーのリスクを覚悟してT・ブレイクを決めなくてはならない。そこを突いたチョイスという訳だ。

【水闇自然ジャオウガ】が強いなら、それに勝てるデッキを使う。ルナカンタの選択は、メタゲームを攻略する上での一つのアンサーと言えよう。

一方のZweiLanceのデッキ選択理由も「【水闇自然ジャオウガ】が強いから」。ただしこちらは、「強いから自分で使う」という別ベクトルの回答であった。

ZweiLance「以前よりCSに出てないので、傾向を見て選ぼうと思って。芯のある強いデッキにしようと思ったら、どう考えてもジャオウガ(笑)」

強いデッキを使えば、勝てる。これ以上なくシンプルなロジックだ。

だがその論理を成立させるためには、プレイヤー自身のスキルもまた欠かせない。誰しもが同じ最強デッキを持ち込んだとき、「誰が一番うまく使えるか」が、重要なファクターとなる。そこに自信があるからこその選択なのだろう。

最後に、好調なスタートを切ったZweiLanceに意気込みを聞くことができた。

ZweiLance「実はこの規模の大会で優勝したことがないんです。自分の中で結構目標ではあるので……今日は最後まで楽しみたいと思います」

その後、ZweiLanceは無事決勝ラウンドへと進出。優勝こそ果たせなかったものの、3位という好成績を収めた。

惜しくも敗れてしまったが、この日【水闇自然ジャオウガ】を使用したプレイヤーのなかでは最高の順位であったことを書き添えておきたい。


特別公開!ZweiLanceの【水闇自然ジャオウガ】

《天体妖精エスメル //「お茶はいかがですか?」》 ×4
《幻緑の双月 // 母なる星域》 ×4
《同期の妖精 / ド浮きの動悸》 ×2
《若き大長老 アプル》 ×2
《天災 デドダム》 ×4
《ボン・キゴマイム // ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》 ×4
《Disジルコン》 ×3
《Disメイデン》 ×2
《キユリのASMラジオ》 ×4
《アーテル・ゴルギーニ》 ×4
《CRYMAX ジャオウガ》 ×4
《飛翔龍 5000VT》 ×3

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