DMリースCS10/22in中野 準決勝 トップ轟轟轟VSめーがね
アビス・レボリューション第3弾「魔覇革命」の発売からひと月。環境の中心となったのは【水闇自然ジャオウガ】だった。
詳しい解説は公式メタゲームブレイクダウンを参照願いたいが、多彩なメタクリーチャーを大量展開した上で《CRYMAX ジャオウガ》で全てを吹き飛ばすこのデッキは「魔覇革命」で2種の強化パーツを獲得。
以前にも増して強力なデッキとなり環境を席巻。ひと月にわたってオリジナルCS入賞数の20パーセント以上を占め続けた。
だが10月21日、環境に新たな風が吹き込んだ。「頂上決戦!!デュエキングMAX 2023」の発売である。
毎年競技シーンにインパクトを与えてきた「デュエキング」。それが今年もやってきたということで、様々なプレイヤーが新カードの研究にあたったのは言うまでもないことだろう。
環境の変化に合わせ、プレイヤーは様々な対応を試みる。新カードを主軸にデッキを組み上げる者、既存のデッキを強化する者。「最強」を目指す試行錯誤の道のりは千差万別で、だからこそ面白い。
そんな中開催されたリースCS10/22in中野 準決勝では、「デュエキングMAX」発売翌日にふさわしいマッチアップが実現した。
片や、環境の覇王【水闇自然ジャオウガ】を駆るトップ轟轟轟。
片や、新カードを取り入れた【火水光ライオネル.Star】を操るめーがね。
最強と最新が、今激突する。
Game
先行:トップ轟轟轟
トップ轟轟轟は《Disジルコン》《若き大長老 アプル》とチャージしての≪幻緑の双月≫で1マナ加速。順調な滑り出しを見せる。
対するめーがねは2ターン目までをマナチャージのみで過ごす。2ターン目にマナに置かれたのは新カードの《パンドラの記憶》だ。
先行3ターン目、トップ轟轟轟は《キユリのASMラジオ》を使用。どうやら《天災 デドダム》《同期の妖精 / ド浮きの動悸》《幻緑の双月 // 母なる星域》が捲れたようだが……暫く考えた後に《天災 デドダム》のみをバトルゾーンへ。
トップ轟轟轟「あれは≪ボン・キゴマイム≫を探しに行ったんですが、(上から五枚の内に)無かったので…… あまり横に並べすぎると《飛翔龍 5000VT》が怖いので、1体だけにしました」
試合後にトップ轟轟轟が答えてくれたように、軽量クリーチャーを一掃する《飛翔龍 5000VT》は【水闇自然ジャオウガ】の天敵だ。1コスト《5000VT》+《エヴォ・ルピア》などを決められてはひとたまりもないだろう。先を見据えてあえて展開しない、冷静な選択が光る。
ターンが回っためーがねは《T・T・T》で3ドロー。相手の展開に動じず、着々とリソースを抱え込む。
とはいえ、4ターン目を迎えたトップ轟轟轟のマナは既に6枚。CRYMAXに至るまで、秒読みの段階だ。
そして、トップ轟轟轟は迷わなかった。
《Disメイデン》を召喚したかと思うと≪母なる星域≫を唱え、マナから《CRYMAX ジャオウガ》を引っ張り出す!
お互いのシールドを吹き飛ばす《CRYMAX ジャオウガ》。あまつさえめーがねの選んだシールドには《スロットンの心絵》の姿があった。これにはめーがねも渋面を隠せない。
間髪入れずシールドに攻撃する《CRYMAX ジャオウガ》が、めーがねの手札2枚を奪い去る。
一体でシールドゾーンを空にする攻撃力の高さ、2枚のハンデスによる防御・切り返しの予防。おまけに除去耐性まで持ち合わせた圧倒的フィニッシュ性能。環境を蹂躙した鬼の王が、めーがねに襲い掛かる。
だが、しかし。《CRYMAX ジャオウガ》は強力ではあるが、絶対の勝利を約束するカードではない。直接ブレイクする3枚のシールド、そのリスクだけは背負わなければならない。
逆転のチャンスは、いつだって暗闇の中に。
それが、デュエル・マスターズだ。
シールドトリガー、《スロットンの心絵》発動!
まさかの2枚目の《スロットンの心絵》から、《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》がバトルゾーンへ。《T・T・T》で蓄えた手札を存分に生かし、《スロットンの心絵》→《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》→《ブランド-MAX》、とクリーチャーが増えていく。一瞬にして戦力差がひっくり返った。
ブロッカーによって攻撃を阻まれたトップ轟轟轟、無念のターンエンド。
返す刀でめーがねは《エヴォ・ルピア》を召喚、《 <鬼羅.Star>》→《エヴォ・ルピア》→《キャンベロ <レッゾ.Star>》とさらに盤面を増強して一斉攻撃をかける!
《ブランド-MAX》2体による連続攻撃まで引っ提げた《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》が、「最強」を打ち破った!
WINNER:めーがね
めーがね「【水闇自然ジャオウガ】はめっちゃ見てます。《エナジー・Re:ライト》とか入れてた枠を《パンドラの記憶》にして、《飛翔龍 5000VT》を使いやすくしました」
デッキ選択から【水闇自然ジャオウガ】を意識したというめーがね。今回は活躍の機会がなかったものの、《パンドラの記憶》+《超次元の王家》のパッケージで高速で山札を掘り進めることが可能になっている。
これにより《T・T・T》に依存しない戦い方が取れるようになった【火水光ライオネル.Star】は各地で続々と入賞を果たしており、今後の競技シーンでの活躍が予想される。それにわずか1日でたどり着いためーがねの目利きはかなりのものと言えるだろう。
一方、トップ轟轟轟のデッキ選択理由はシンプルに「一番強いから」とのこと。
トップ轟轟轟「同型など、出して勝つ対面が多いので《アーテル・ゴルギーニ》は4枚入れてます」
結局この週も、CS入賞数最上位は【水闇自然ジャオウガ】であった。未だ「最強」の座が揺るがない中、自然と増えるであろう同型対決を見越したチューニングを施したトップ轟轟轟。環境への理解度の高さが伺える。
日々移り変わる競技環境。メタゲームを観察し、自分だけの「最強」を追いかけ続ける、そんな二人のプレイヤーの強さを垣間見た一戦であった。