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出産後子どもがNICUへ。「辛い」といえないのが辛かった
こんにちは。
初マタ◯高のisです。
帝王切開で出産をしましたが、その後すぐに子どもNICUに入りました。
新生児一過性多呼吸と診断されました。
手術を終えて病室に戻り夫と過ごしているといろいろな処置を終えた子が運ばれてきました。
その時になんだか唸っている?感じがして、「こりゃーギャン泣きする子かもしれないねぇ」なんて夫と呑気に会話していたのですが、その後子が処置室に戻ってからしばらくしてお医者様より
「お子さんですが少々呼吸が苦しそうで、おそらく新生児一過性多呼吸だと思われます。設備の整った病院のNICUで診てもらうほうが良いと思うのですが」
と打診がありました。
唸っているのは決して子の気質ではなくなんと呼吸が苦しかったらしい!!
通常の出産では産道を通るときに肺が圧迫されてホルモンが分泌されて、誕生してから肺が動くようになるそうなのですが、帝王切開の場合産道を通らないのでしばしば肺が正常に機能しないことがあるのだとか。
「一過性」とあるように処置をすればほとんどが回復するよくある症状とのことです。
運ばれていく我が子を動けず見守る私
先生からの打診に「最善策でお願いします」と返答をし、救急車が到着し次第運ばれていくことになりました。
救急車が来る前に再び私のところに運ばれてきた我が子。
私はまだ麻酔が効いていて動けないので看護婦さんが私の腕枕に子を寝かせてくれて、写真を沢山取ってくれました。
運ばれてくるときには泣いたり唸ったりしていた我が子でしたが腕に寝かせたら静かになって
「何かありました?」と言いたげなホゲ顔をしていました。
看護師さんたちが「ママパワーだね!」と言ってくれています。
帝王切開時の呼吸障害に関しては事前にある程度把握していたので驚きはしていなかったのですが、やっぱり自然と涙が流れていきました。
少しして救急車のサイレンの音が近づき、子は運ばれていきました。
最も安全な場所にいることは理解している。
新生児一過性多呼吸は基本的には「処置をすれば数日で回復する」そうです。
なので看護婦さんたちは口々に「大丈夫ですよ」「安心してくださいね」と励ましてくださいました。
私自身も、今は私のそばにいるよりも設備の整った病院でしっかり診てもらったほうが安心安全だと理解しています。
今の医学は本当にすごいですし。
だから不安でいる必要はなくて、むしろ帝王切開後の身体の回復に専念ができるというメリットもあります。
私の母も「考え方を変えれば身体を休めることができるんだから良かったじゃない」といいます。(私自身NICUに入っていたらしいので母は慣れている)
なので私もみんなに励まされるたびに「子どもは今一番安心なところにいますもんね!」と言っていました。
しかし。
どうにか早期離床をして歩けるようになって子がいる病院に面会に行ったとき。
私の子は心電図が繋がれ、点滴が繋がれ、口にミルクを流すための管が繋がれ、呼吸のための機械が鼻に繋がっている状態でした。その姿がとても衝撃的でした。
だって、
そしてとても儚く見えてそのままお空へ返ってしまいそうで、その場で泣き出しそうになるのをなんとか堪えました。
不安への共感が欲しかったと気づく。
面会を終えて自分の産院へ戻り病室で休んでいると、隣の部屋から元気な赤ちゃんの泣き声が聞こえてきます。
そして「どうして私のそばには赤ちゃんがいないんだろう」「本当に産んだ?」という気持ちになりました。
そしてNICUで見た自分の子の姿を思い出して涙が溢れてきました。
大丈夫であることは分かっていても不安で仕方がなかったです。
今にでも看護師さんから急に「isさん!!今病院から連絡があって・・・!」と悪い知らせが入るのではないかと気が気ではありませんでした。
でも「大丈夫ですよ」と励まされると、自分自身のそういった「辛い」「不安」という気持ちに対して脳内で「そう言ったらきっとこう励まされるんだろう」と想像してしまい、口に出すことができませんでした。
だから強がって前向きなことしか口にすることができず、それがとても辛かったです。
「もし何かあったらどうしようと思うと不安で辛い」
という励ましに対して
「一過性のものですから大丈夫ですよ」
と返答されたら、私にとって「不安な気持ち」を否定されているように感じて余計に辛い。だから不安を口にできませんでした。
後に一人の看護師さんに「なんでも話して良いんだからね」「一人で考えちゃわないで」と優しく問いかけていただき、そこで初めて「もし子が息をしなくなっちゃったらどうしよう」「今が一番安全なことは分かってるのに」と言葉に出して泣くことができました。
看護師さんは
「お母さんだもん、不安だよね」
「それがお母さんの気持なんだもん」
と優しく受け止めてくれて、ここで初めて私は「共感してほしかったんだ」と気づきました。
親になるということ、励ましと寄り添いは違うことを学ぶ
今回「親の気持ち」というものを学びました。心配って尽きないですね。
そして「励まし」と「寄り添い」は違うんだなと学びました。
私もやってしまいがちなのは「こういう良い点もあるじゃない!」と視点を変える提案。
これは私の母がそうでした。良かれと思ってしていることなんですけどね。
当事者だっていろいろな角度から考えるわけで、外野からの視点を変える提案って結構余計なお世話でもあるなとちょっと反省。
無事退院しました。
結果的に子はみなさんが仰っていたように数日で回復して私の退院から約1週間後に退院となりました。
今は元気にミルクを飲み、足りない!と泣いています笑
退院したら退院したで今度は別のことでの心配は尽きませんが、みんなこういう気持ちで子育てをしているんだと思って今の瞬間瞬間を楽しんでいきたいと思います。