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中小企業診断士が気づいて実行した“非日常の置き換え”組織マネジメントの話
以前、フル在宅勤務に関するコミュニケーションについて試行錯誤している話を書きました。
この話を書いた後、共感のコメントやら、施策のヒントに関するコメントやらを多くいただきました。
ありがとうございました。
で、その後の話。
今年に入ってから、組織コミュニケーション施策のひとつとして、メンバーが集まりやすいコワーキングスペースに通うようになりました。
これが、ある条件下において、なかなか良い施策なんじゃないかと思えるようになってきたので、今回はそんな話を書いてみます。
◆ 月イチ訪問始めました
元々、昨年の秋くらいから、メンバーが自主的にコワーキングスペースに集まって仕事をしているのは知っていました。
オンライン会議をしていると、知っている声が、会議相手のPCから聞こえてきますからね、バレバレです(本人たちは隠してなかったけど)。
その後、減らないアイツの猛威がやってきたおかげで、年末から年明けにかけては、メンバーが自主的にコワーキングスペースに集まることもなくなっていました。
そんな時、集まってたメンバーたちが口々に言うのです。
「あの時はみんなで久しぶりに集まれて楽しかったのに」
「みんなでランチをすることがあんなに楽しいことだとは思わなかった」
そうか、メンバーがメンバーに会えることが非日常になったんだ……。
そんなこんなしているうちに、減らないアイツの威力が減ってきた風に思えたタイミングが到来。
私からの提案で、メンバーが集まりやすいコワーキングスペースに私が通うという、メンバー達からすると非日常的なことをやってみることにしたのです。
◆ 非日常の月イチ訪問効果
実施したのは今年になって2回。ペースは月イチ。
たった2回の実施ではあるのですが、得られた効果としては、次の3点があげられるのではないかと考えています。
①会議棲み分けの明確化
②気分転換になってる
③画面越しでは分からないメンバーの今がわかる
以下に詳しく書きます。
◆ 効果①:会議棲み分けの明確化
先日、三木リーダーの記事でこんな内容がありました。
私達の場合、メンバー間のやり取りは主にSlack、Backlog、GoogleHangoutsの3ツールを使ってます。
基本的にはこれらのツールを使った文字のやり取りで十分。
メンバーとのオンライン会議も、最小限にしていて、ほとんどが1時間/週1。
1年以上一緒に活動していて、自走できて、短期でのゴールなのかを明らかにできているメンバーなら、わざわざリアルで会わなくても、文字と画面越しでのやり取りで問題はありません。
しかし、この一年を通して感じたのは、画面越しでは伝わらない人間の雰囲気が求められる案件があるということと、そういう案件が出てきたときのリアルで会う重要性です。
例えば、中長期プランを揉みたいとか、「ここのネタに悩んでいるんです」といった内容あたりでしょうか。
ま、リアルで会ったとしても、紙とペンでごにゃごにゃ……みたいなのはありません。
あくまでもメインは、リアルに会話のキャッチボールをすることで、投げかけた言葉に対しての空気感を知ることですから。
実際、話をした内容はGoogleスプレッドシートとかJamboardあたりに書き込んで、いつでもシェアできるようにしています。
(こんな雰囲気↓)
【手応えを得た“イマドキ”の働き方①】
普段は文字とオンライン会議で。
相手の空気感を知りたい案件はリアルで。
現在のところ、うまく会議を済み分けられているなぁと感じます。
◆ 効果②:気分転換になっている
減らないアイツが出てくるまでは、普通に出社して、だいたい顔を合わせてということが日常で、スポットで在宅勤務をする等の理由で会えないということが非日常でした。
それが、今では、リアルで会えることのほうが非日常。
非日常に触れると、気分転換になりませんか?
社内でも自宅でもない、第三の場所での仕事。
慣れ親しんだメンバーとのリアルでランチ。
「どこで何を食べる?」と考え話をしているだけなのに、メンバー達の顔が生き生きとするのです。
※ここのハンバーグ美味しかったですよ♡
あと、私になりに非日常の演出(?)もしています。
PCでカタカタしながら移動しているという理由や、人との接触が緩やかだといいよねという理由もつけながら、特別車両(?)で移動しています。
この回はロマンスカー。
字面では分かりにくいかもしれませんが、盛り上がっているでしょ?
「あいつ、ロマンスカーに乗ってきた! 意味不明ww」
みたな気持ちを持ってくれたら、こっちのもんです。
私が関わっている部門とは異なるところのメンバーと「「あいつ、ロマンスカーに乗ってきた!」みたいになってくれれば、それだけで会議冒頭のネタになるじゃないですか。
シメタもんです。
また、場所が社内じゃなくコワーキングスペースだというところもポイント。
社内だと話しにくいことってありません?
社内だと良いアイデアが出にくいことってありません?
気分転換という意味では、社内じゃないこともポイントなのです。
【手応えを得た“イマドキ”の働き方②】
敢えて非日常を体験する→気分転換に
集まる場が社内じゃないところがポイント
◆ 効果③:メンバーの今がわかる
何年も一緒に活動しているメンバーとばかり仕事をしている私でも、画面越しで分からないメンバーの悩みってあります。
そういうの、オンラインだと、本当に苦しくないと出てこなかったりします。
でも、リアルで会ったランチの時なら出やすいもの。
※ここのハンバーグも美味しかったです♡
在宅時間が長いメンバーほど、自分が作っていない料理の味を楽しむのも、非日常。
いつもとは違う場だからこそ、「姐さん、あのですね……」なんていって、心の中を出してくれます。
こういう時に出てくる言葉って、解決が必要なものばかりじゃありません。
聞いてくれるだけで、承認欲求が満たされて、「諸々あるけれど頑張ろうか」と思ってくれるメンバーも少なくないです。
そんなところから、社内改革に繋がる小さな芽が生まれることもあります。
一緒に働く期間がまあまあ長く、自走できるメンバーたちであれば、月に一回くらいの頻度で充分、メンバーのリアルを知ることもできるし、メンバーの心身と業務の微調整は可能です。
【手応えを得た“イマドキ”の働き方③】
メンバーのリアルを知るなら月一のリアル活動
◆初めましてメンバーがいると……
ここまで読んでいただいてお分かりのように、この手法(?)が通じるのは、
減らないアイツが登場する前から一緒に仕事をしていたメンバー
&
自走できるメンバー
であることが前提です。
減らないアイツが登場した後に入社するようなメンバーがいると、こうはいきません。
とはいえ、手応えを得た今回のこの組織マネジメントを使える中小企業は少なからず存在するはずです。
メンバーたち&昼の仕事に怒られない程度に、支援先企業にもノウハウ提供していきます。
◆ 自分の周りからなら変えられる
私は中小企業診断士です。
支援している企業や創業者も多くいます。
でも、動くのは私一人。時間も能力も限界があります。
だからといって、「自分ひとりじゃ無理」と諦めるのではなく、自分の半径1メートル範囲内でOKなので、できることをやっていくことが、次に繋がるのではないでしょうか。
完璧じゃなくていい。
自分の半径1メートル範囲内が変われば、そこから相乗効果が生まれ、次の新しい半径1メートルになる。
私は今年も、できる限りのことをコツコツと積み重ね、次の新しい半径1メートルを作っていきます。
そんな半径1メートル、作っていきたいと思いませんか?
◆ おまけ
そんな私が今せっせとつくているのは、セミナー資料。
中小企業診断士向けの理論政策更新研修テキストをコツコツと作っています。
今回は初めてオール武井セレクトで、Instagramを活用した支援の話を中心にお届けします。
私の中では初歩的なことなので“初級編”みたいなネーミングにしていますが……。
中小企業支援・創業者支援の中で、Instagram関連の相談にうまく対応しにくい中小企業診断士の人がいれば、お勧めしたい内容です、はい。
(5/15(土)です)
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