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シャラポワが引退表明しました。

怪我の影響もあり、ランキングも大きく落としている事もあると思いますが、この大会を最後に引退しますという事前のアナウンスはなく、結果的に最後の試合は2020全豪のべキッチ戦(スコアは3-6 4-6)ということになりました。勝負に対するプロフェッショナルな姿勢を崩さない彼女らしい引き際だなと本当に感じました。

彼女がプロサーキットを回り始めたのは2001年。私がフルタイムのツアーコーチをしている時の2003年、森上亜希子選手のコーチをしていた時に初めてシャラポワと対戦しています。マイアミが終わってからのアメリカのクレーコートシーズン初戦の大会チャールストンのファミリーサークルカップでした。当時彼女は15歳。ランキングは予選からのスタートです。メディアからもファンからの注目も当時から高かったです。

我々としてもこの選手に負ける訳にはいきませんでした。話題の選手とはいえ、まだテニスも粗削りな状態だと感じていました。しかし結果は5-7 7-5 4-6。森上選手がファイナルセットはリードしていたのですが、劣勢でも強打を続けてくるシャラポワに打ち切られてしまった試合でした。

シャラポワを語る時にこの試合は絶対に外せないのです。何故ならばこの試合は彼女にとってターニングポイントそのものだったからです。言い換えればこの試合で打ち切って勝利したからこそ今日までのプレースタイルが構築されていったのではないかと思う程です。実際にこの後予選を勝ち上がり、マテビッチに敗れたものの、次週のサーキットでは優勝。フレンチの予選も勝ち上がり、日本のジャパンオープンでの初優勝もこの年です。

今では当たり前になっていますが、他の選手とは練習せず、コーチやヒッティングパートナーのみと練習するスタイルは彼女が始めたと思います。(賛否あると思いますが)

今日までのWTAツアーを象徴する存在だったのが彼女ですが、バーティーやヘニンなどスライスを駆使する新しいスタイルがトップに変わりつつあります。しかしこれからもハードヒットが主体のいわゆる「シャラポワスタイル」は継承されていくでしょう。異なったスタイルが混在するからこそ観る者は楽しいですからね。

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