YGG2次募集かんたんレビューその①
いつもご愛読ありがとうございます!
いつもは京サラ馬のレビューが多いのですが、明日YGGの2次募集が解禁されるということで、ザックリとですが各馬レビューさせて頂こうと思います。
普段に比べるとだいぶボリュームは少なくなると思いますがご容赦くださいませ。
評価基準は例によって、
①馬体や歩様は見てもわからないので自分では考えない。
②血統面(配合面を主として種牡馬成績・繁殖成績も含めて判断)
③牧場・厩舎についてはライン評価も込みで判断する。
④馬体については各種コメントを踏まえ、血統評価との相関性を重視する。
⑤連産や産次、母年齢、セックスバイアスは最終的に補正する。
としています。
評価はS+~Eまでの12段階評価としました。
Sクラス…GⅠ級
Aクラス…重賞級
Bクラス…OP級
Cクラス…準OP~1000万下級
Dクラス…500万級
Eクラス…未勝利級
5つの評価値の平均を出したのち、以下の2点を補正評価として加えたうえで総合評価と致します。
補正評価は+1でランク1つ分(BならB+に)となります。
[連産リズム補正]
これは高産次・連産についての考察として比較的信頼度の高いものとして、こちらのカミノアナログ氏の理論から拝借しております。
[セックスバイアス補正]
種牡馬の牡牝成績に関連して、補正を行っております。
また、総合評価に対して、募集金額・勝ち上がり率・獲得賞金期待値を勘案したコストパフォーマンス評価も採り入れ、最終的なオススメ度とさせていただいております!
こちらは独自の計算式に基づいておりますが、一口においては重要なファクターだと思っております。
それでは検証スタート!
【202206.チェストケハーツ2022】
1540万募集 牡 美・杉浦 ビッグアーサー×(ハーツクライ)
沼田照秋生産 5月7日生 880万購入(サマー) 母11歳時・5番仔・5連産
【血統・配合評価】
チェストケ冠ということは元々了徳寺さんの所有馬だったようですが、引退後しばらくして売られてるみたいですね。
現役時は未勝利。
産駒は2番仔のブレイクザアイス(父ラニ)がダ1700mで勝ち上がってます。
祖母アーチストの産駒もあまり走ってませんが、シンボリクリスエス産駒の2頭だけが何とかダート1800mで勝ち上がってるようにだいぶ硬さが勝っている印象ですね。
本馬の兄弟もゆるゆるTapit×サンデーのラニだけが勝ち上がっているのも納得のいくところです。
なので、ホントは柔らかめの種牡馬をつけた方がいいんですが、本馬の父ビッグアーサーはむしろNureyev≒Sadler's Wellsの硬さが前面に出やすい種牡馬でして、そこにさらにSadler's Wellsクロスとなるとかなり硬く出そうな印象です。
勝ててもダートで1勝というイメージで、個人的には推せない配合ですね。
血統評価[E]
【牧場・厩舎・ライン評価】
生産の沼田照秋さんは年3~4頭程度の生産。
1998年から生産記録ありますが正直目立った活躍馬はいません。
最近は仔分けもあまり行っていないようで、生産馬はリザーブ低めでほぼセールに出しています。
YGG-杉浦厩舎はこれが初預託。
なんで杉浦厩舎なんだろうか…全く意図が読めません(笑)
杉浦厩舎の直近10世代の勝ち上がり率は19%。
社台系もそこそこ預かっていてこれは相当悪いです。
成績も年々下降傾向で、見どころとしては『数はそこそこ使ってくれる』といった所ぐらいでしょうか?
正直他に思いつきません。
厩舎単独でもライン的にも評価しづらいですね…。
牧場・厩舎・ライン評価[E]
【馬体相関評価】
※10月23日時点
測尺時馬体重…440㎏
デビュー時予測馬体重…478㎏
管囲…20.0cm
遺伝子検査は中距離型と出ていましたね。
まあ兄弟親戚同様、ダ1800mがベターかなあという感じは確かにします。
軟らかさが欲しい母だとは書きましたが、この配合ならいっそ中途半端に出るよりは、マッチョになってくれた方が見込みはあるかも?
ただ、現状はかなり薄く見えるので、評価はあまり出来ません。
管囲が20あって今後そこそこは馬格出そうなのは救いですね。
馬体相関評価[E+]
【補正要素】
連産リズム補正…-1(5連産牡馬)
セックスバイアス補正…±0
露骨にダートっぽいので牝に出ていたらマイナスでしたが、牡馬ならこの評価で良いと思います。
母は若いですが5連産の牡馬ですのでちょっと評価下げたいですね。
補正評価[-1]
【総合評価】
血統・配合評価[E]
牧場・厩舎・ライン評価[E]
馬体相関評価[E+]
補正[-1]
総合評価[E]…未勝利クラス
【コストパフォーマンス評価】
募集額…1540万
6歳末まで走った場合の必要経費…1540+60×12×5=5140万
総合評価に相応する予想生涯獲得賞金(手当や奨励金も含む)…[E]500万(未勝利クラス級)
未勝利の場合の最大損失額(3歳9月抹消時)…2489万
総合評価に相応する勝ち上がり率期待値…[E]5%(両親補正無し)
一口当たりの損益期待値…▲¥56,571-
出資オススメ度[E]
出資決めてる人には申し訳ないですが、現状推せるポイントがほぼありません……。
特に思い入れがあるとかそういうのでなければ、この金額なら他にもっと良い馬いるんじゃないでしょうか。
【202207.エスコフィオン2022】
1430万募集 牡 美・牧 ハービンジャー×(ディープインパクト)
エトルタファーム生産 5月7日生 770万購入(サマー) 母8歳時・3番仔・3連産
【血統・配合評価】
母エスコフィオンは社台ファームの生産。中央勝ちはありませんが、園田で3勝を挙げました。
引退後当初は社台ファームで繋養されていましたが、2頭生産後、ハービンジャーの種がついた状態で繁殖セールにて330万で売却されています。
名牝系Courtly Deeに連なるマチカネハツシマダの産駒ですが、初仔は競走馬登録されず、2番仔は血統登録もされていないので産駒のデキは良くなかったんでしょうね…。
そのためか社台F内での期待は高くなかったようで売られたものと考えられます。
父ハービンジャー×ディープインパクトはヒンドゥタイムズなどがいるパターン。
意外とこの配合は1800型が出世している傾向があって、それは母方のどこかにSpecialとかDamascusなどの前駆型マイラーの血で固めないと緩くなりすぎるからだと考えています。
本馬はマチカネハツシマダがCourtly Deeの牝系でかつPrivate Accountを持っていますからこのパターンに合致します。
というかヒンドゥタイムズと大枠はかなり似てますね。
マチカネハツシマダの牝系は大きく出ないと走らない傾向があるようですが、ハービンジャー×ディープインパクトはむしろ大きすぎないほうが結果を残しているので、あんまり気にしなくていいんじゃないでしょうか。
元々緩さが勝った配合なので、たぶんあまり大きくなるとキャパシティオーバーになるんだと思います。
言うなれば、この配合の場合は芝馬なのは間違いなくて、その場合発現してほしい血はPrivate Accountというより母父のディープインパクトやShareef Dancer≒Yousefiaの柔らかさだと言えます。
馬格はそこまで気にしなくていいという論拠はこのあたりです。
ただ、配合自体は良いのですが、やはり上2頭が競走馬になれていないというのは気掛かりですよね。
若い牝馬なのでまだまだ可能性はありますが、その分多少差っ引いて評価しています。
血統・配合評価[B]
【牧場・厩舎・ライン評価】
生産のエトルタファームは2020年開場の新しい牧場です。
ただコンサイナーとかは元々やってたみたいですね。
現3歳の唯一の生産馬は未出走で引退していますが、現2歳はノーブルスカイという馬が新馬戦で3着に好走しています。
代表の栗山学氏はリフレーミングなどの馬主で、U・M・Aあたりとの関連ありそうだなと思ったんですが、ちょっと調べても分かりませんでした。
厩舎は美浦の牧厩舎。
YGGからの預託は初めてですが、この世代は同じく2次のシゲルゴホウサイ22も同厩舎の預託となっています。
成績は概ね20勝弱で推移していて、勝ち上がり率も水準の33%ですから日高色の強い厩舎のなかではマシと言っていいでしょう。
芝でも勝ち鞍ありますが、どちらかと言えばダートの方が得意そうで、使い出しはそこそこ早いですが意外と数は使いません。
というのも、この厩舎馬房のわりにかなり頭数預かってるんですね。
特に勝ち上がるまではそこそこ使うけど、そこからは結構慎重に使うと言うった印象です。
外厩でやりくりするタイプだとは思いますが、1頭単位で見ると言うほど数使ってくれるわけではなさそうです。
個人的にはこの血統なら関西が良かったなというのが1つと、どうも牧厩舎の方針と嚙み合わない気もしているので、悪い厩舎ではないですがそこまで高い評価は出来かねますね…。
ライン評価は判断しかねますが、世代トップクラスに期待してる馬なら牧厩舎ではないだろうなというのは言えると思います。
牧場・厩舎・ライン評価[D+]
【馬体相関評価】
※10月23日時点測尺時馬体重…429㎏
デビュー時予測馬体重…466㎏
管囲…20.0cm
血統評価のところにも少し書きましたが、この配合なら馬格はむしろ大きく出過ぎないほうが良いと考えているので、デビュー時予測460kg台というのはベストに近いと思います。
管囲もこの馬格なら十分でしょう。
コメントではストライドの大きさにも言及されていて、割と血統のイメージ通りの馬に出てるんじゃないかと思います。
馬体相関評価[B+]
【補正要素】
連産リズム補正…+1(3連産牡馬)
セックスバイアス補正…±0
若い牝馬ですし3番仔ならプラス評価としたいです。
ハービンジャーは若干牡馬が優勢ですが、有意差があるほどとは思いませんのでセックスバイアスの補正はありません。
補正評価[+1]
【総合評価】
血統・配合評価[B]
牧場・厩舎・ライン評価[D+]
馬体相関評価[B+]
補正[+1]
総合評価[B]…オープンクラス
【コストパフォーマンス評価】
募集額…1430万
6歳末まで走った場合の必要経費…1430+60×12×5=5030万
総合評価に相応する予想生涯獲得賞金(手当や奨励金も含む)…[B]11000万(オープンクラス級)
未勝利の場合の最大損失額(3歳9月抹消時)…2379万
総合評価に相応する勝ち上がり率期待値…[B]50%(両親補正無し)
一口当たりの損益期待値…¥35,910-
出資オススメ度[B]
芝中距離戦線となるとどうしても社台系とぶつかることになるので、リスキーさはあるかと思います。
ただ、配合自体は上級も狙えると思うので、この値段なら推奨出来るのではないでしょうか。
【202208.シゲルゴホウサイ2022】
990万募集 牝 美・牧 ドレフォン×(パイロ)
中央牧場生産 4月1日生 庭先購入 母10歳時・2番仔・2連産
【血統・配合評価】
母シゲルゴホウサイはシゲル冠で、本馬も母馬所有者は森中さんになっています。
細かい経緯はわかりかねますが、先代がお亡くなりになったので庭先で売ったということでしょう。
先代の時なら「デキが悪いから売ったのでは」と邪推するんですが、娘さんの馬主業へのスタンスは完全に撤退方向(現2歳のJRA登録馬なし)ですから、悪く受け止める必要はなさそう。
シゲルゴホウサイ自身はダート短距離で中央3勝。
牝馬ながら7歳まで走り(はよ引退させたれw)パイロ産駒らしく息の長い活躍でした。
牝系はラダンスーズに遡り、その仔タケノダンサーからはタケノベルベット、リーゼングロスなどの活躍馬が出ています。
本馬はマーサレッドの枝ですが、マーサレッドも現役時代2歳時に4勝を挙げるなどの活躍を見せました。
新馬ではリキサンパワー、阪神3歳牝馬S(当時)ではドミナスローズ以下を下して最優秀3歳牝馬(当時)に輝いているので、知名度はそこまで高くないかもですが意外としっかり強かった馬です(失礼)。
牝祖のラダンスーズはSon-in-Lawを5*5×4*5で持っていて、タケノダンサーもチャイナロック産駒でRustom Pasha3×5ですからそれを継続しているのですが、そこからルション×ボストンハーバー×パイロという累代ですからそのSon-in-Law比率は徐々に薄まっています。
ですが、本馬の父ドレフォンはSon-in-Lawを5本持っているんですね。
ここにきてタケノダンサーのSon-in-Lawの血をリバイバルする意義は大いにあると言えます。
というのも、本馬の累代はマーサレッドから見て3代続けてマイラーが付けられており、そこにスプリンターのドレフォンですから、スピード面の不安よりも底力の面で不安があります。
どうしても血統の字面だけでは一本調子な印象は否めませんよね。
だからこそ、欧州ステイヤーであるSon-in-Law、ひいてはタケノダンサーの血をここで再活用するというメリットがあると言えます。
Yarn≒Preachの全姉妹クロスは近年特にダート界で威力を発揮していて、勝ち上がり率も高く、ハイレベルでスピード能力の発現を見せています。
元より、BulldogやWar Relicの影響が強く、アメリカンパワーに寄っている印象の強い血統構成なので、軟質なYarn≒Preachのスピードを取り込むのは大いにプラスに働くと言えるでしょう。
もちろん、短距離血統が続けて付けられている点は懸念材料の一つではありますが、それでも母のシゲルゴホウサイがまずまずの活躍をみせたのも、タケノダンサーの持つ欧州の血が活きた結果ではないかと思うし、それこそが牝系の活力と言える点だと思い高い評価をさせて頂きました。
血統・配合評価[B+]
【牧場・厩舎・ライン評価】
生産は中央牧場。グァンチャーレなどを出してはいますが、2013年産以降は中央での勝ち鞍はありません。
預託生産が多く、本馬も実質的には預託生産なのでそこは評価しづらいところです。
厩舎は牧厩舎で、上記エスコフィオン22と同厩となります。
詳細はエスコフィオンの項を見てもらえればと思いますが、どちらかと言えば本馬の方が厩舎の起用方針に合致しているのではないでしょうか。
2歳夏から使ってもらいたい血統ではあるので、そこは大いにプラスと見ていいのではないでしょうか?
牧場・厩舎・ライン評価[C]
【馬体相関評価】
※10月23日時点測尺時馬体重…431㎏
デビュー時予測馬体重…440㎏
管囲…19.0cm
ダート短距離馬と考えるとかなり馬格が心許ないですね…。
ドレフォン牝馬産駒の活躍傾向を見ても、概ねデビュー時点で460㎏は超えています。
管囲が19なのであまり大きくなりすぎるのも不安材料になりますが、様子見出来るのであれば成長を見守りたいところではあります。
ただ、母のシゲルゴホウサイはデビュー時が406㎏でありながら、4歳時には430㎏台、引退する頃には470㎏台まで成長した馬なので、そのあたりに目を瞑ってゴーサインを出すのもアリかもしれません。
コメントを見る限りではドレフォンが強く出ているとのことなので、であれば馬格が欲しいところではありますが、、、。
馬体相関評価[D+]
【補正要素】
連産リズム補正…+1(2連産牝馬)
セックスバイアス補正…-1
勝ち上がりに関してはともかく、重賞馬輩出率などの点で牡>牝のバイアスがやや見られますので上記評価としました。
補正評価[±0]
【総合評価】
血統・配合評価[B+]
牧場・厩舎・ライン評価[C]
馬体相関評価[D+]
補正[±0]
総合評価[C+]…準オープンクラス
【コストパフォーマンス評価】
募集額…990万
6歳末まで走った場合の必要経費…990+60×12×5=4390万
総合評価に相応する予想生涯獲得賞金(手当や奨励金も含む)…[C+]8000万(準オープンクラス級)
未勝利の場合の最大損失額(3歳9月抹消時)…1939万
総合評価に相応する勝ち上がり率期待値…[C]50%(父補正+5%)
一口当たりの損益期待値…¥14710-
出資オススメ度[C]
オススメ度はCに留まりましたが、勝ち上がりは高い確率で見込めるのではと考えています。
金額も含め、ローリスクローリターンで長く楽しみたい方にはオススメできる1頭ではないでしょうか?
ここまでありがとうございました!
続きは後ほど!!