インゼルサラブレッドクラブの明日はどっちだ!?(前編)
皆さんこんにちは。
昨日、インゼルの2022年産新規募集馬が発表されましたね~。
今年のラインナップは、
ノーザンF…8(6→6)
社台F…4(2→3)
三嶋牧場…2(3→1)
杵臼牧場…2(1→2)
チャンピオンズファーム…2(0→2)
桑田牧場…1(1→1)
○外…1(5→4)
の20頭となりました。
円安の影響か○外が大きく減り、ノーザンや社台への依存度が更に上がった印象です。
【インゼルはなぜ初年度大コケしてしまったのか】
2021年の9月、キーファーズの松島氏が代表のインゼルサラブレッドクラブが新設されるとの情報が競馬界の注目を集めました。
ノーザン産や社台F産を筆頭に、○外も多数揃えながら比較的安価なラインナップは一口界隈の話題を席巻し、新設クラブでありながら満口ラッシュを叩き出しました。
そんな話題を集めに集めたインゼルの初年度成績は、
勝ち上がり率…47.4%
2勝馬率…5.3%
募集価格超過率…10.5%
勝ち上がりこそまずまずしたものの、大コケとぶった斬って差し支えないほどの惨憺たる状態となっています。
なぜインゼルはここまで初動で大コケしてしまったのでしょうか?
【初年度募集馬検証・日高牧場編】
後出しジャンケンはあまり好きではないのですが、私はインゼルの人気にかなり懐疑的でした。
その最大の理由は他でもない、社台グループ、特にノーザンファームへの依存度の高さにあります。
とは言っても、サンデーRや社台RHに長年携わっていた湯日さんというスタッフも入閣しているらしかったので、さすがにここまでひどいのは予想外で、当の私も「まあそんなに活躍はしないだろうけど重賞の1つぐらいは何とか勝てるかな」と思っていました(笑)
インゼル設立時のインタビューを見たことがあるのですが、『なぜこの価格で募集できるのか?』という質問に対して、募集馬購入の経緯を「インゼルの理念に共感してくれた各牧場から庭先で売ってもらった」的なニュアンスのお話を運営の方がされていたのを覚えています。
いや、あの、、インゼルの法人立ち上げたの2020年の7月ですよね?
セールで買えるタイミングいくらでもあるのになんで庭先なんですか?
まあ庭先メインの三嶋や社台はギリわかります。一旦置いときましょう。
まず、杵臼。
杵臼さんは庭先で良い馬売ってるのって泥懇の馬主さんぐらいで、あとは仔分けかセールばかりです。
ペプチドの沼川氏は2000年からの付き合いだし、ヴィーヴァの芹澤氏にしたって2004年からです。
松島さんそれまで1頭も買ってないんですよ?
理念がなんだかは知りませんがそれで庭先でいい馬くださーいってさすがに虫が良すぎませんでしょうか?
杵臼産のクリダームは新馬勝ってインゼルの初日出しましたけど、むしろ十分すぎるぐらいで、2頭ともクズ馬売られてても文句言えないですよ(笑)
次に、白井牧場。
白井さんはほとんどが仔分けで、やはりその他の賞金上位はセールかユニオンに出てるので、取引履歴の無い松島氏ではこっちも庭先だと期待薄。
一方、三嶋牧場は逆で、セールをほとんど使わず庭先での取引をメインにしています。
しかも松島氏との過去の取引履歴もありました。
母ユイフィーユは仔分けなので、事実上の庭先は2頭。
このうちのどちらかが当たりでもおかしくなかったのですが、、しかし三嶋さんもやはり重要顧客がたくさんいます。
重鎮・松本好雄(メイショウ)を筆頭に、小笹公也(テーオー)、猪熊(バローズ)&石川達絵夫妻、野田夫妻、山田信太郎(ぺスカ)…と枚挙に暇がありません。
そして何より三嶋牧場に預託されている繁殖のほとんどが実は仔分け(非牧場名義)なんですよね。
おそらく8割ぐらい仔分けが占めるんじゃないでしょうか。
なので生産頭数は多いんですが、実質売りに回せる馬はかなり限られてるんですよ。
三嶋は非社台にしてはそこそこの規模の牧場ですが、それでも重賞馬は仔分け含めても年に2頭ほど。
仔分けを除いた中から当たりを引くとなればさらに確率は下がってしまいますよね。
ちなみにこれは完全な余談というか小ネタなんですが、ぺスカ冠の山田氏は最近こそ2頭ほどぺスカ冠をつけていない馬がいますが、過去にグレートコマンダー(2014年)という無冠名の馬を所有していました。
この馬名の意味…『名将』なんですよね(笑)
なのでこの馬実は松本さんとの共同所有だったのかなーと思ってます。
本業も山田氏が水産業者で、松本氏が船舶エンジンの製造なのでどことなく繋がりがありそうです。
さて、話は戻って最後に桑田牧場。
桑田さんはそもそも売りに対してかなりシビアで、桑田牧場の自己所有馬はめちゃくちゃ成績良いんですね。
この値段で売るぐらいなら自分とこで走らせよう!という意識がかなり強い牧場です。
インゼルに限らず桑田牧場の生産馬は打率もコスパも悪いので出資はお勧めしません(笑)
【初年度募集馬検証・○外編】
では5頭いた○外はどうでしょうか。
実は松島さん、割と○外の打率は悪くありません。
キーファーズ名義で走った○外7頭のうち、4頭が中央で勝ち上がり。
その内1頭がオープン、2頭が準オープンまで行っています。
「おっ、これだけ見たら○外悪くないんじゃね?」と思うかもしれません。
ですが、この出世した3頭のうち2頭は森厩舎、つまり森調教師マターのマル外だということになります。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、森先生は独自の○外ルートを持っています。
つまり、森ルートとそれ以外には大きな隔たりがあるということになります。
しかし、初年度にインゼルで募集された5頭のマル外に森厩舎の馬は1頭もいませんでした。
そうなると、過去にキーファーズで最も稼いだのは四位厩舎のタイミングナウ。
四位厩舎は森派馬主ともチャンピオンズファームとも関係薄そうなのでこれは非・森ルートでしょう。
総獲得賞金は5860万です。
そもそもインゼル初年度の○外5頭の募集額は最も安い馬でも3900万。
最高値のオーサムリザルトは8000万です。
こう見るとかなり厳しい期待値だということがわかるのではないでしょうか?。
【初年度募集馬検証・社台グループ編】
ここまで読んでもらって、日高系と○外の期待値がかなり低いことはなんとなーくわかってもらえたと思います。
つまりですね、最初にお話ししたように社台グループ、特にノーザンで当たりを引かないと結構どうしようもないなという結論はここから至るわけです。
「いや、そんなゴチャゴチャ言われんでも募集馬見たら分かるし、そもそもノーザンで当たり引ければ全部解決っしょw」
そう思った皆さん。そうなんです。ノーザンで当たりを引ければすべて解決だったんです。
ですが、私はノーザンから当たりが入る確率は極めて低いと考えていました。
少し長くなってしまったので、続きは後編に持ち越しとしようと思いますが、とりあえずこれのために作ったリストだけ貼って続きは後ほど、、、としたいと思います。
※色分けについて
色分けはGⅠ3勝以上または8大競走優勝馬(金色)、その他のGⅠ優勝馬(銀色)、重賞勝ち馬(銅色)、重賞勝ち無し(白色)としています。