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京サラ2022年募集馬検証その⑧ ~ツバキエンジェルの22編~

皆さんこんにちは!
そしてお久しぶりです(笑)
第8弾はデビューを控えた京サラ22世代一番槍、グランカメリアことツバキエンジェルの22です。

既に満口で募集締め切りとなっているので、評価は募集当時を基準とし、その上で締め切り直前の時点での評価を最終的な評価値とします!

評価基準は例によって、

①馬体や歩様は見てもわからないので自分では考えない。
②血統面(配合面を主として種牡馬成績・繁殖成績も含めて判断)
③牧場・厩舎についてはライン評価も込みで判断する。
④馬体については各種コメントを踏まえ、血統評価との相関性を重視する。
⑤連産や産次、母年齢、セックスバイアスは最終的に補正する。

としています。
評価はS+~Eまでの12段階評価としました。

Sクラス…GⅠ級
Aクラス…重賞級
Bクラス…OP級
Cクラス…準OP~1000万下級
Dクラス…500万級
Eクラス…未勝利級

5つの評価値の平均を出したのち、以下の2点を補正評価として加えたうえで総合評価と致します。
補正評価は+1でランク1つ分(BならB+に)となります。

[連産リズム補正]
これは高産次・連産についての考察として比較的信頼度の高いものとして、こちらのカミノアナログ氏の理論から拝借しております。

[セックスバイアス補正]
種牡馬の牡牝成績に関連して、補正を行っております。

また、総合評価に対して、募集金額・勝ち上がり率・獲得賞金期待値を勘案したコストパフォーマンス評価も採り入れ、最終的なオススメ度とさせていただいております!

こちらは独自の計算式に基づいておりますが、一口においては重要なファクターだと思っております。

それでは検証スタート!

【⑤ツバキエンジェルの22】
父イスラボニータ×母ツバキエンジェル(母父フォーティナイナーズサン) 牡・母4歳時・初仔
栗・吉田厩舎 グランデファーム生産 1200万募集(提供馬)

【父馬から見た血統評価】

父イスラボニータは優秀な種牡馬であったフジキセキの最晩年、最終世代の代表産駒で、皐月賞を勝っています。

そもそも父のフジキセキはそれはそれは優秀な種牡馬だった訳ですが、何が特に優秀だったかというと懐の深さでした。

初年度の1996年産こそパッとしなかった(とはいえ後にエアピエールが佐賀記念勝ったりしてる)ものの、2世代目には皐月賞やマイルCSで2着したダイタクリーヴァを出します。

そこからはダート王者カネヒキリやら、○外で高松宮記念を連覇したキンシャサンキセキやら、芝中距離でG1戦線を賑わせたドリームパスポートやらストレイトガールやらコイウタやらミラクルレジェンドやら…と、とにかく芝ダート、距離の長短、牡牝を問わず活躍馬を輩出し続けます。

そして先述の通り、最終世代の2011年にイスラボニータを出すまで15年間(!)トップサイアーの1頭として君臨しました。

母ミルレーサーがLe Fabuleux×In Reality×Cornish Prince×Princequillo×Count Fleet×Hyperionという当時の主流血統からは外れていながらも、欧米双方の効果的な血脈を代々に有していて、かつNorthern Dancerを1本も持っていないというのが、この馬の懐の深さの所以だったのでしょう。

そのせいか、これだけの幅の広さを見せながらも配合には至って忠実で、カネヒキリは母父Deputy Minister、キンシャサノキセキはPleasant Colony×Lyphard、ストレイトガールは母父タイキシャトル、ドリームパスポートは母父トニービン、ダイタクリーヴァは母父サクラユタカオーと、とにかく母の特徴を表現する種牡馬でありました。

さて、当のイスラボニータはというと、母イスラコジーンがCozzene×Crafty Prospector×Far Northという累代。

Prince JohnがMilan Millを、In RealityがWar Relic≒Eight Thirtyをと、フジキセキの重要な血を刺激していて、Cozzeneの柔らかさをIsla Mujeresの持つパワーで補完するという綿密な配合でした。

そして、フジキセキ系の種牡馬はこれまた自身の血統に忠実で、カネヒキリはダートの中距離馬ばかりだし、キンシャサは牡馬のパワー型短距離馬ばかりだし、最もフジキセキに似た相似配合のダノンシャンティ(母シャンソネットがMark of Esteem×Glorious Songという異系色の強い血脈)は、芝でもダートでも短距離でも中長距離でも活躍馬出すし、とにかく解りやすい産駒傾向があります。

イスラボニータはというと、やはりCozzene由来のともすれば非力にもなる柔らかさをよく伝えていて、ダートも一応こなせますが上級条件にいくのはやはり芝のマイル~中距離が多い傾向にあります。

ただ、やはり非力な傾向はあって、母方には欧州型だったり米系パワー型野血を
持ってくるパターンが良く成功しています。

母ツバキエンジェルは3代母のダボナアンビションが素晴らしい配合で、現代の日本の芝路線で有用な血をふんだんに持っているのですが、それをFar Northやノーザンテースト≒Vice Regentだったり、Tom Rolfeだったりのパワー血脈で支えています。

母父のフォーティナイナーズサンがかなりパワー寄りでイマイチ結果が芳しくないのが懸念点ではあるものの、イスラボニータ産駒の走らないパターンア概ね非力すぎる(緩すぎる)ことが多いので、決してマイナスではないでしょう。

母父フォーティーナイナーズサンで最も芝で活躍したミズリーナ(中央2勝)が、これまた非力すぎるきらいのあるグランプリボス産駒というのも好印象です。

父視点の血統評価[B+]


【母馬から見た血統評価】
母ツバキエンジェルは未出走。
兄弟で最も活躍したのが短距離戦線でオープンまで行ったクラウンアイリス(父ロドリゴデトリアーノ)です。

牝祖ダボナアンビションはヒダカサイレンスやサスガなどを出した優秀な繁殖ですが、近年はややその影響力が衰えていると言わざるを得ません。

ただ、父の項でも述べたように現代でも優秀な血をふんだんに持っているので、このダボナアンビションの要素を上手く呼び起こせば再興も十分可能なポテンシャルがあると見ています。

ダボナアンビションの要素は大きく分けて2つ。

①ボルキロの代表格であるSeattle Slew。
②Striking=BusherとMiz Clementine=Two Leaの2つの米パワー系全兄弟クロスです。

まず①についてはSeattle Slewは同じくボルキロのMillicentが脈絡。

そして、②についてはCozzeneが持つBlue CanoeがJet Actionとニアリーの関係になります。

更にはDanzigやCrafty Prospectorの持つCrafty Admiralやフォーティナイナーズサンの母母母父Quadrangleなども非常に似通った血脈で、このように、代々薄っすらと②の部分を継続しています。

牝祖ダボナアンビションのポテンシャルを引き出す素養は十分にある配合だと思いますね~。

母視点の血統評価[A]


【配合総評】
父、母どちらの視点から見ても非常に優秀な配合です。
さすが衣斐さん(笑)

何といってもイスラボニータ最大の弱点である緩さを補完できているのが好印象ですね。

1600もこなせる1400型。
ダートもこなせる芝馬と見ます。

血統総評[A]


【牧場評価】
生産はグランデファーム。
2018年産から一気に生産規模を拡大し、この世代で5世代目。
代表産駒はクイーンSを勝ったドゥーラです。

代表の衣斐さんは血統への造詣が非常に深く、期待はしていますが生産牧場としては特段の協調材料はありません。

ただ、今やグランデファームにとっては京サラって上客だと思うんですよね。
この世代、元々は2頭提供の予定でした(イエロースター22は募集取り下げ)。

上客の京サラに2頭提供して2頭ともハズレなんてことビジネス的にあるんでしょうか?

個人的には少なくともどっちかは”アタリ”でしょ?と思っちゃいます。

50%の確率でアタリ(あくまでもグランデファーム基準ではありますが)が引けると考えれば、悪くない博奕だと思います。

元々ローレルやターフなどクラブにも一応当たり入れることもある牧場なので、多少評価引き上げてもいいんじゃないかなーと思っています。

牧場総評[C+]


【厩舎評価】
吉田厩舎は年間10~20勝の中堅厩舎。
過去にスーニやゴルトブリッツ、ピイラニハイウェイ、ボレアスなどを出しているように露骨にダ>芝の厩舎です。

ストライド型のダート馬育成に定評がある、というかなぜかそういう馬に育ってしまうみたいな印象がありますね。

ちなみに名牝クロウキャニオンの産駒でダートで重賞を勝ったのはボレアスだけです(笑)

そこから推察すると、ツバキエンジェル22も芝馬に見せかけてゆくゆくは平安Sとか勝っちゃたりするんでしょうか、、、。

厩舎評価だけだとちょっと高くは評価しづらいのですが、グランデー吉田は実は結構勝ち上がり率が高いです。

グランデF産ー吉田厩舎は過去5頭いて3頭が勝ち上がり。

グランデオーナーズからもグランデやグランデサムライも出ていて、オープンクラスはいないけど、結構打率は高いです。

ライン面としては高評価つけていいんじゃないかなーと思いますね。

厩舎評価[C+]


【馬体相関評価】
測尺時馬体重…546㎏
デビュー時予測馬体重…560㎏

いや、デカすぎwww
ダートなんかなあ、、、。

馬体相関評価[C+]


【補正要素】
連産リズム補正…+2(初仔牡馬)
セックスバイアス補正…±0

補正評価[+2]


【総合評価】
父血統評価[B+]
母血統評価[A]
牧場評価[C+]
厩舎評価[C+]
馬体相関評価[C+]
補正[+2]

総合評価[A]

配合的にはダートもこなせる芝馬って印象なんですが、馬体の感覚や厩舎的にはダートなんかなあというミスマッチ感は正直ありますね。


【コストパフォーマンス評価】
募集額…1200万
6歳末まで走った場合の必要経費…1200+60×5=4800万
総合評価に相応する予想生涯獲得賞金(手当や奨励金も含む)…[A]17000万(2重賞級)
未勝利の場合の最大損失額(3歳9月抹消時)…▲2149万

総合評価に相応する勝ち上がり率期待値…[A]60%(両親補正無し)

一口当たりの損益期待値…¥129,208

出資オススメ度[S]


総合的に判断して、配合面が秀逸でかつ優秀なラインということで相当オススメできる1頭です。

牡馬で1200万というのもお手頃で、とりあえず1勝してくれれば概ね採算が見込めるんじゃないでしょうか。


[以下、2024.4追記]

まさかのダイレクト入厩www
頓挫もなく順調だとは思っていましたが、早期デビューが見えてきたことで更に評価を上げていいと思い2口追加の合計3口出資となりました。

そもそもグランデファームは過去の育成馬でも早期デビュー組に良績が集中していて、基本的に順調なら遅くても9月までにはデビューしていることが多いです。

グランデ育成×早期デビューということでかなり期待できる1頭なのではないでしょうか。


レビューは以上となります!
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