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リーガルリリー『Light Trap Trip』京都磔磔

 2022年4月23日。京都磔磔へリーガルリリーのライブを見に行ってきました。ライブの感想を一言で表すならば、「リーガルリリーというバンドが、京都磔磔の空間で、とても素敵で素晴らしいライブを行った。」という、とてもシンプルなものに行き着くのかなと思います。(語彙力の問題である。)

※以下ではライブでのセットリスト、演奏曲にも触れていますのでご注意ください。

リーガルリリーについて

 リーガルリリーを知ったのは3~4年くらい前。個人的にandymori以降、新しいバンドを見つけることが止まっていたのだけれども、ふとしたことで、またバンドを探してみようかなと思い始め、きのこ帝国を知り、羊文学を知り、といった流れの中でたどり着いたような気がする。

 最初に聴いたのがリッケンバッカー。当時私はサブスクをしておらず、YouTubeで知ったせいもあるかもしれないけども、以来、リーガルリリー=リッケンバッカーというイメージがずっとあった。良い曲だけど、その時にはじゃあ別の曲も!とまではいかず、何となく、それ以降は積極的には追っていなかった。

 その後、Twitterで羊文学好きな方々をフォローしていくとよく出てくる名前がいくつかあって、そのひとつがリーガルリリーだった。「そうかー、そうなのかー」と思って聴いてみたのがライブ映像の『1997』

 「ニルヴァーナみたいじゃん」という感想。分厚いベースの入り方、間奏の後半からドラムが畳かけてくるところ、ギターの子が楽しそうにぴょんぴょんするところ、とにかくかっこよく、一気にバンドへの興味が強まった。

 ライブを体験してみたいなと思っていた矢先に、2021年ミナミホイールで初めてのライブを見ることができた。30分の極短いセットだったけど、とても濃密な時間で、そのときの高揚感をもっと味わいたくて、その後も羊文学たちとの対バンで広島、12月はギターボーカルのほのかさんの誕生日企画ライブで立川と、西へ東へとライブを見に行き、気づけば初めて見てから8ヶ月ほどで5回のライブを経験することになる。まあ、簡単に言えばバンドにハマったわけです。

Light Trip Trap ツアー 京都磔磔

 2022年1月に発売されたアルバムのリリースツアー終了あたりで発表されたのが今回のLight Trip Trapツアー。京都磔磔でやると知り速攻で先行抽選を申し込み、無事にチケットを確保。当日はホクホクした状態で、家を出たときからリーガルリリーの自作プレイリストを聴きながら会場に入り、整理番号が早い目の幸運もあって二列目中央付近にスタンバイする。

 場内SEは音楽ではなく、川のせせらぎと虫の声が静かに流れていて、この時点でライブへの期待がさらに高まってくる。「絶対に蛍狩りやるよね」という期待。

 思い出・記憶に残るライブってどういうものだろう?と考えたとき、その要素はいくつもあるのだろうけど、音が鳴る場所、空間の雰囲気というのがともて重要なものだと思っている。磔磔では、出演者は後方にある2階楽屋から階段を降りて、拍手を受けながら観客の横を通ってステージに立つことになる。これがともて良いなあと思っていて、「私たちと同じ場所から現れてステージに立つ」ことで、演奏が始まる前から一体感を味わえるのではないかなと思っている。

 当日のセットリスト、きちんと覚えることはできていないのだけど、Spotifyで当日のものと思われるものをプレイリストにされている方がいて、それを使わせていただいたのがこちら↓↓

 セットリスト感謝です。(多分、あってると思うのですが。)

 「Cとし生けるもの」から全曲とそれ以外の初期の曲も交えた構成。最新アルバム以外からの演奏曲が違うのもあるけれど、冬のワンマンツアーとはまた違う印象のライブだった。曲間のMCも極力少なめで1曲1曲の力強さが身体に入り込んでくる。

 ライブでの『東京』になだれ込む前の高揚感がめちゃくちゃ好きだ。「くるぞくるぞ、次は東京だ!」とワクワクする。身体が自然と揺れる。そのあとの『きれいなおと』は序盤に持ってくるとは思ってなくてゾクッとした。『1997』の分厚いベースの入りは本当にかっこよく、間奏のところで楽しそうにギターをかき鳴らすほのかさんもかっこよく(当日は裸足で演奏されていて、何か可愛かった)、パワフルにドラムを打ち鳴らすゆきやまさんもかっこいい。つまりはかっこいい。

 中盤、開演前に流れていた川のせせらぎと虫の声が大きく聞こえてくる。ほのかさんが語り出す。『蛍狩り』が演奏される。ポエトリーリーディングから後半の轟音ギターパートへの流れ。もの悲しいけど美しいこの曲、ライブで見るたびに好き度が上がっていく。

 『ジョニー』『うつくしいひと』『9mmの花』これらの曲を、いまこの時期に聴くこと。何かが胸に打ち込まれてくる気がした。楽しんで良いのかな?と一瞬ためらうけど、いや楽しもうよと、すぐに気持ちを切り替える。

 『教室のドアの向こう』『教室のしかく』『セイントアンガー』ライブ終盤、「楽しいけど泣く」とでも言えば良いのか、素敵な時間がもうすぐ終わってしまうと言う予感。まだまだこの時間が続いて欲しい。

 ドラムの入り方で『リッケンバッカー』と分かる。これまでのライブ経験でほぼ最後の曲という認識を持っているので「嗚呼終わってしまう」と思いつつも、この曲の持っているエネルギーにぐんぐんと引き込まれていく。初期の代表曲(いまでも代表曲?)をこうしていつまでも演奏してくれるのはともて素敵なことだと感じる。

 本編最後は『Candy』この曲大好きだ。ドラムの入りが最高。1月のリリースツアーでも感じたけど、ライブで聴くと魅力がさらに増して、とても前向きな気持ちになれる。

 メンバーがいったん2階へと戻っていく。当然、アンコールを求める拍手を送る。しばらく休憩?(会場の熱気が凄かったと思う)してからメンバーが再度、私たちと同じ場所からステージに立つ。「もう1曲だけ」と言って演奏されたのが『せかいのおわり』

 ライブで聴くのは初めて。というか、サブスクでもきちんと聴いたことないかもしれない。けども「かっこいい!」と身体がすぐに反応する。会場にいるTwitterでフォローしてる方はおそらく良い意味で発狂してるだろうなと思いながら最後の曲を楽しんだ。

 大満足の2時間弱。磔磔の中は熱気が凄くて、終演後外に出たときに外気の心地よさを感じた。「あー、ライブハウスから外に出た」感、かなり久しぶりな感覚。

 まだまだ制約がありつつも最近は段々とライブが戻ってきているように思う。声は出せずともひとつの場に集まった演者と観客が一体となって最高の空間を作りだしていく時間に立ち会えたことがとても嬉しく思う。


京都磔磔


 おしまい。


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