論理と思考
ダイヤモンド・ハーバードビジネスレビュー(2016年4月号)の野矢先生(東京大学大学院教授)のインタビューを読みました。その感想を書きたいと思います。
大きな枠での私の理解をまとめると、
①論理とは、前提に含まれる(与えられた)条件・情報を最大限に使い、演繹や機能を使って成り立っている事(=推論を含まない、必要条件と十分条件)
②思考とは、与えられた情報だけでは”どうしても説明できない、解決できない”問いや課題に対して、仮説を立てる事
という事になりました。そして、思考をしながらも、情報を集め、できるだけ論理的に説明・証明をしようとしていると。図にすると以下のようなイメージになります。
上記内容で理解したときに、私の頭の中には二つの事が思い浮かびました。
一つ目は人工知能(AI)のことです。
この”論理”の部分(出来るだけ多くの情報を集めて、解析し、成り立っている事を証明すること)は、人工知能が得意とするところではないか?
この必要条件と十分条件の解析を高速に、正しく行えるのが人工知能であり、ビッグデータの先にあることでは無いのか?と考えました。
逆に、”思考”の閃きや思いつきは、人間らしさであり、推論という予想するレベルを超えた、湧いてくる能力は最後まで人間にのみ残る力では無いかと思いました。
二つ目はICT教育(プログラミング教育)のことです。
小学校の低学年などでは”論理”の部分の基礎を行い、楽しく”論理の基礎的な考え方(十分条件や必要条件の使い方)を学び、小学校の高学年から中学校にかけては、”思考”を行うような、前提に含まれる情報だけでは解けないような問題を始め、そこから「自ら仮説を立て、それを検証するための情報を集める」という行為をすることによって、トンリと思考のループを経験するような学習を、ICTを活用することによって、より短い時間で多くの思考検証が実践できるようになるのではないかと考えました。
野矢先生の”論理”と”思考”を分けて考える、というインタビューを読ませて頂いただけで、これだけ頭の中がスッキリと整理されたのは本当に嬉しいです。このようなインタビューに大変感謝したいと思います。
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