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水質検査の事
7月16日
リンと散歩から戻り、朝飯を済ませて少しのんびりしていると父親から電話が掛かってきた。今日、池の水の調査をすることになったと言う。
僕が留守でも構わないというので、父親に任せることにした。どうしても家の中に入る必要があるなら、母親が鍵を持っているので問題ないだろう。
リンとサカエダさんに、そのことを伝えてから家を出た。
仕事帰りにヨネヤとカネダさんと三人で少し飲んでから帰宅すると、郵便受けに封筒が入っていた。
それは池の水の検査結果で、より詳細な検査結果は後日になるが、簡易検査では特に問題はないということだった。検査の日付、天気、気温や水温、採取時間からPHなど、細かく記載されている。
封筒の中には、父親の筆跡のメモが入っており、特に問題はないようだが詳しい結果が分かるまでは口にしない方がいい。というようなことが書いてある。
これは、僕のことではなくリンのことを心配している。
リンに、池の水を舐めてみるのはもうしばらく待ってくれと言ってみる。リンは父親の書いたメモの匂いを嗅ぐのに真剣になっていて、あまり聞いていないようだった。