覚えていない母
昼過ぎ、母から電話がかかりました。
いろんな話をした中で、
「だいぶん、(部屋の)温度をどうしたらいいか分かってきたの」
と母が言いました。
おそらく、エアコンを何度くらいにしたらちょうどいい、
というようなことが分かってきたのでしょう。
考えてみれば、実家にいるときは全て父がしていましたから(^_^;)
(父は気温にも敏感だったので)
そこでふと思い出して言いました。
「そういえばお母さん、家にいるときは山ほど服を着てたよね。
けど施設の中はどこも暖かいから、たぶん着る服が減ったんじゃない?」
すると母が驚いたように言いました。
「え??私、そんなに着てたかしら??」
今度は私が驚きました。
「え??お母さん、覚えてないの??」
「覚えてないわ。私、そんなに着てたの?」
「山ほど着てて2倍くらいになってたわよ。
長女と次女に聞いても、絶対たくさん着てたって言うわよ」
「そうだったかしらねえ??」
あまりにもたくさん着ている母を見て、
私と娘達は「ハイジみたい」と言っていました。
『アルプスの少女ハイジ』で、ハイジが初めておじいさんの家に行った時、
服をたくさん着ていたので丸々していた、あのイメージです(^_^;)
(若い方は分からないでしょうね💦)
それを覚えていないとは・・・(-_- )
さらに母が、
「最近、眠たくてよく寝ているのよねえ・・・」
と言いました。
「お母さん、あのね、前からしょっちゅう寝てたわよ。覚えてないの?」
「ええ??覚えてないわ」
「いつも丸々した洋服とこたつに埋まって、よーく眠ってたじゃない」
「あら、そうだったかしら??」
「長女と次女に聞いたら、絶対『寝てた』って言うわよ」
「そうかねえ??」
これも全く覚えていないようです・・・(-_- )
夜、娘達にこのことを伝えました。
すると、
「起床⇨朝ごはん⇨朝寝⇨お昼ご飯⇨昼寝⇨おやつ⇨夕寝⇨夕ご飯だった」
と長女。
「気づいたらうたた寝してたよ」
「数独やってるな〜って思ったら寝てたよ」
と次女。
さらに長女からは、
「じいじから『そろそろばあちゃん起こしてこい』って何回言われたか」
という証言も・・・(^_^;)
服に関しても、
「着膨れとは、ばあばのためにある言葉だった」
と長女。
「まるまる着込んでたよ」
と次女。
「証言」は集まりましたが、母はなかなか認めないでしょうね(^_^;)
都合の悪いこと?を全然覚えていない母は
幸せな人だなと思ったのでした・・・。