合同会社の解散手続きを自分でやってみた 解散公告編
前回は「会社を自分で解散する方法」のうち、「会社の解散登記まで」を書きました。今回は解散に必要というわけではないですが、清算に必要な手続きである債権者保護のための官報公告(解散公告)についてまとめておきます。
なお、僕はこの道の専門家ではありません。この記事は僕が自分で調べたことのまとめと、それに基づいて登記した体験談です。記事にある解説文を含めて法的に正しいかどうかはわかりません。ですのでこの記事を参考にしたり真似するにしても自己責任でお願いします。法律や手続きについて質問を受けてもお答えすることはできませんし、この記事を読んで読者が行った結果について僕は一切の責任を負わない点をご了承のうえ読み進めてください。
さっそく行ってみましょう!
前提条件。僕が解散した会社
ここで書く会社は僕と奥さんが作った会社。個人輸入ビジネスをするために作りました。細々やっていましたが、諸事情で別法人を作ることになり、休眠となったこの会社を清算することにしました。会社はこんな状況です。
合同会社
社員(出資者)は僕と妻。代表者は妻。清算人は僕。
解散時点で累積赤字。しかし、役員借入金を債務免除されると債務超過ではない状態。
事業はすでにストップ状態
総社員の同意による解散(存続期間の満了などでは無い)
解散後すぐに公告し2か月後に清算する
清算人は妻が代表者印として使っていた印を使い続ける。
解散までに必要な手続き
『 』は僕が作成した書類。( )は調べてわかった期限
解散すべきか検討する
総社員の同意→『解散決定書』の作成
清算人の選任と承諾→『清算人選任決定書』と『就任承諾書』の作成
解散と清算人の選任の登記(解散から2週間以内)『登記申請書』
印鑑届出書の作成、そして登記申請
債権者への官報公告の手配→解散に必要な訳ではないが、その後に続く清算に必要 ←←←今回はココ!
解散事業年度の確定申告(解散から2か月以内)『確定申告書』
税務署、県税事務所、市役所税務課に対して異動届の提出(遅滞なく行うとあるので、5と一緒に行った)『法人異動届(各提出先の様式)』
税金の納付
公告が必要ってどういうこと?
会社の活動に関する法律である会社法は、会社を清算するためには債権者に対して清算する旨を伝える必要があることを規定しています。しかもその伝え方も「官報に公告する」方法で行うことにしています。
定款で公告の方法を「電子公告」にしていても、解散のときは官報で公告しないといけません。なんか変なルールですよね。。。
裁判所のウェブサイトにも以下の記載があります。こちらは株式会社についてですが、合同会社を含む持分会社についても同じ条文が会社法にはありますので同じ扱いとなります。
ポイントをまとめると以下のようになります。
必ず官報で公告する
債権を持っていることが明らかな債権者には個別に通知する
公告の掲載日から2か月以内に申し出る旨を書く
ポイントの最後の点があるので、少なくとも解散から2か月は清算できないことになります。
官報に載せる方法
上で見た通りこれは避けては通れない部分なので手際よくこなしていきましょう。官報に載せる方法はとてもシンプルです。ただし、申し込んでも2週間くらいは掲載されないので、時間に余裕をもって取り込みましょう。
1. 掲載申し込み先
「解散公告」で検索すると株式会社兵庫県官報販売所のウェブサイトがトップに来ます。そのほか、全国官報販売協同組合などいくつか官報掲載を依頼できる先があります。どこを通じて掲載しても文面も費用も変わりません。
HOME > 法定公告 > 会社の解散・清算に関係する公告 > 解散公告
このように進むとWEB申込などのフォームがあります。
HOME > 官報公告 > 入力フォームで申し込みの方 > 解散公告
こちらも申し込みフォームがあります。
2. 官報掲載費用
官報掲載費用は全国一律です。1行3,263円(税抜)です。解散公告の場合、最低の行数は9行で29,367円(税込32,303円)です。
官報の体裁ルールがあり、下の例が掲載可能な最短行になります。僕は費用を抑えるために行数を減らして申込みをしたのですが、あっさりと拒否され、この形に修正されました。なので、無駄な抵抗はしないのが時間の節約です。
3. 申し込みをした後は
申込みをして2日くらいすると、官報販売所からメール連絡がきます。大まかに以下の内容です。
文面はこれで良いか?自己流で書いても体裁ルールに即した文面が提示される。それでOKであれば、その旨返信すること。
その文面だといくらなので、いつまでに支払うこと
入金が確認できたら掲載日の連絡をすること
掲載日に官報を一冊送ってくること
メールに文面に問題がない旨を返信して、入金が確認されると、掲載日の通知が来ます。僕の場合は入金の翌日が入金確認日で、そこから2週間後の掲載となりました。そして、掲載日には自分の公告が載った官報が一冊送られてきました。
そして、掲載日から二か月経過したら清算の登記が可能となります。
以上が官報での解散公告の方法でした。
では、また!