見出し画像

ウェブデザイナーのための、ワードプレス制作受託&運用保守受託の契約書ひな形と解説【WordPressサイト制作&運用や保守の同時受託用】【ひな形/商用利用可能】【メールでご質問可能】

ワードプレス制作&保守受託のための専用契約書のひな形

ウェブデザイナーさんが、ワードプレスサイト制作と保守をセットで受託する場合の専用の契約書です。

たとえばフリーランスのウェブデザイナーさんが、お客さんからホームページ制作のご依頼を受けて、①WordPressでサイト制作し、さらに②その後の運用や保守も継続的にカバーします、のような、サイト制作受託、保守受託(どちらか一方、あるいは両方)に最適な、ウェブデザイナーとお客さんとの間の業務委託契約書です。なお、フリーランスに限らず、法人のデザイン事務所などであってもご利用可能な内容です。

なぜ契約書を作った方がよいか

一般的にウェブサイトの制作は、お客さんから依頼を受けた時点ではまだすべてのデザインや仕様が決まり切っていないことがよくあります。お客さんのイメージをうかがっても、最初から完璧に決められるわけではないし、下書きや仮のデザインができてから、お客さん側の気持ちが変わることもあるでしょう。こうした特徴から、コミュニケーションをとっているつもりでも、デザイナーとお客さんとの間で「認識のすれ違い」がおこりやすい仕事といえます。

そのため、契約書で事前にどういう条件でお仕事をさせていただくのか、はっきりさせておきたいところです。

契約書作成に不慣れでもすぐに最適な契約書を完成できる


このひな形を使えば、任意の項目に少し手を加えることで、オリジナル契約書がすぐにできあがります。また、具体的なサイトの詳細は、別紙「仕様書」に記載する形式にしてありますから、一度つくりこんでおけば、以後は複数の案件に使いまわすことが可能です。このように、使い勝手の良いテンプレートになっています。


この記事の要点

この記事の要点
・ウェブデザイナーが、ワードプレスサイトの制作と保守をひとつの契約書でどちらか、あるいは同時に受注する際の契約内容です。
・契約書には基本的な条件が規定されており、デザインや保守サービスの具体的な内容など「受注の詳細」は別紙仕様書で記載するタイプです。この構成により、お客さんや案件が違っても、仕様書のみをカスタマイズして契約書を繰り返し使いまわすことができます。書き方に迷うことが多い「仕様書」ですが、記載サンプルがついているため誰でも正確な仕様書が作成できます。
・一般的にウェブ制作では、イメージやサービス内容の思い違いが起こりやすく、当事者双方にとってストレスになりがちです。契約書で修正回数や保証内容などを明確に伝えることで、少しでもトラブルを予防することを目指します。
・ひな形はWordファイルでダウンロードすることができますので、すぐに契約書の編集にとりかかれます。


■このひな形に含まれている条項

このひな形には次の条項が含まれています。別紙となる「仕様書」の詳細サンプルも付属していますので、書き方で迷う心配はありません。万が一わからないことがあったり、契約書の作成が初めてのために締結の要領に不安があったりした場合は、専用のご質問フォームからご質問いただけます。

【このひな形に含まれる条項】
第1条 定義
第2条 業務内容
第3条 納期及び契約期間
第4条 報酬
第5条 納品及び公開
第6条 契約不適合責任
第7条 ID管理
第8条 非保証
第9条 権利非侵害の保証
第10条 コンテンツの著作権
第11条 免責
第12条 秘密情報の取扱い
第13条 個人情報
第14条 契約解除
第15条 期限の利益喪失
第16条 契約の終了
第17条 損害賠償
第18条 遅延損害金
第19条 再委託
第20条 不可抗力
第21条 権利義務譲渡の禁止
第22条 合意管轄

別紙「仕様書」
(記載例として詳細な内容を入れてあります。実際のサービス内容に応じて修正してお使いください。)
【仕様書の項目】
1.ドメインについて
(1)ドメイン名
(2)ドメイン取得
(3)WHOIS情報
(4)契約期間

2.レンタルサーバ契約について
(1)レンタルサーバ
(2)サーバ容量
(3)PHP バージョン

3.制作業務について
1)WordPress導入
2)プラグイン導入
3)ページ制作
4)データ転送・動作確認
5)ページ制作完了後の業務
5. 保守業務について
(1)WordPress運用・保守
(2)セキュリティ対策
(3)バックアップ
(4)監視

【免責事項】

あらかじめご注意いただきたいことを書きます。契約書のひな形は一般的な形式や構成を示すものであり、ご自身でカスタマイズしていただく必要があります。特定の法的状況や個々の取引に適用されるべき内容を保証するものではありません。契約書のひな形はあくまでも参考資料であり、法的助言や専門的な意見を代替するものではありません。
また、ひな形は法的助言の代替にはなりません。作成代行サービスとは異なりますため、個別の条文の書き方(条文作成)についてのお問い合わせにはお答えできません。
よって、ご自身の責任でカスタマイズし、使用してください。誤字脱字、表現上の間違いや矛盾を含むすべての内容の誤り、及び契約書のひな形に関連する利用者の行動や取引の結果について、ひな形の利用による損害や損失について、当方は責任を負いません。

【ひな形を使うメリット】

この契約書ひな形は、実際の業務で使用された生きた契約書を基に作成されたオリジナルのものです。同じひな形は他には存在しません。

一般的な内容ではなく、特定の場面を想定して作成された、そのシチュエーションに特化した内容となっています。ぜひ、あなたのビジネスにお役立てください。

■ひな形本文

以下がワードプレスサイト制作、保守、運用業務委託契約書のひな形です。ひな形はWordファイルでダウンロードできます。適宜アレンジしてお使いください。
---

タイトル
WordPressサイト制作及び保守契約書
本文
委託者: クライアント名 (以下「甲」といいます。)と受託者:〇〇〇〇(以下「乙」といいます。)とは、甲のウェブサイトを乙が制作し(以下「制作業務」といいます。)、以後も継続的なウェブサイトの運用、保守、更新、セキュリティ管理等(以下「保守業務」といいます。)に関して、次の通り契約(以下「本契約」といいます。)を締結します。
(注:本契約書は、WordPressなどによるサイトの制作と更新やメンテナンスなどの運用代行、保守作業を、ひとつの契約としてまとめて締結することを想定したものです。)

第1条(定義)
本契約書上で使用する用語の定義は、次の通りとします。
(1)ウェブサイト:本契約に基づき、甲の指定するドメイン下に作成される、コンテンツをインターネット上に表示するための文書、画像、動画などの情報を集約したオンラインのプラットフォームを指します。一般に「ホームページ」と呼ばれることがあります。本契約においては、WordPressを用いて制作します。
(2)ページ:本契約に基づき制作される、ウェブサイト内の個々の文書やコンテンツを指します。HTML、PHPなどの形式で作成され、ブラウザで表示される単位の情報ページです。
(3)コンテンツ:ウェブサイトに掲載される文章、写真、画像、イラスト、映像などの情報成果物であって、閲覧者に情報やエンターテインメントを提供するために使用されます。
(4)仕様書:ウェブサイトの制作に際して、ページ構成やデザイン、機能の仕様、セキュリティ対策、運用・管理方法などについて詳細に記載した文書を指します。
(5)バックアップ:ウェブサイトのファイルやデータを定期的に複製し、データの消失や損失に備えることを指します。重要な情報やコンテンツの保護のために行われます。
(6)更新作業:甲の指示又は甲乙間の協議に基づいて、ウェブサイトの内容を更新したり、新しいページを作成したりする作業を指します。新しい情報やコンテンツを追加し、ウェブサイトを最新の状態に保ちます。
(7)サーバ:ウェブサイトのデータやファイルを格納・管理するためのコンピューターシステムを指します。ウェブサイトの表示やアクセスに必要な機能を提供します。
(8)ドメイン:ウェブサイトのアドレスを示す名称で、インターネット上でウェブサイトを特定するための識別子です。例えば、「www.example.com」のような形式です。
(9)プログラム:ウェブサイトに組み込まれ、閲覧者の入力した情報を処理する機能を持つソフトウェアを指します。問い合わせフォームや検索機能などが含まれます。
(10)ブラウザ:ウェブサイトの情報を取得し、閲覧者がウェブページを表示するためのソフトウェアを指します。主要なブラウザにはGoogle Chrome、Mozilla Firefox、Microsoft Edgeなどがあります。

第2条(業務内容)
 本契約に従い、乙が甲に対し提供する「制作業務」及び「保守業務」の詳細は、別紙「仕様書」の通りとします。
(注:詳細な業務内容は別紙(仕様書)に記載して添付する形としています。末尾の別紙案に記載してください。仕様書というタイトルでなくても、サービス概要など、御社独自のタイトルにしてかまいません。制作業務、保守業務、といった業務の名称も、御社の独自の呼称にしていただいてもかまいません。例;本件受託業務、本件メンテナンス業務、運用代行、〇〇保守サービス等。ただし、契約書全体で用語を統一することに注意してください。)

第3条(納期及び契約期間)
 「制作業務」の納期は、令和○○年○○月○○日(又は「別途甲乙合意した日まで」)とします。ただし、ウェブサイトに記載する文章や画像等の提出が遅延するなど、甲の責に帰すべき事由によって、やむを得ず乙の作業が遅れたり、不能となったりした場合には、その影響の限りにおいては、乙は制作業務の納期が遅れたことに起因する一切の責任を負わないものとします。
2 納品により制作業務が完了した後は、乙は、ウェブサイトの更新作業やその他必要な業務である「保守業務」に移行するものとし、本契約の有効期間は本契約締結の日から、保守業務の開始日から1年間(又は「〇カ月間」など任意に定めます)が経過した日までとします。但し、甲乙双方より特段の申し出がなければ、自動的に1年間延長されるものとし、以降も同様とします。
(ホームページの納期と、その後の保守業務の契約期間を定めています。保守業務は期間で契約するので、本例では仮に、ホームページが完成してから1年間を保守契約の期間としています。この期間は契約によって異なるので、任意に決められます。たとえば6カ月間等でもかまいません。)

第4条(報酬)
甲が乙に支払う報酬は次の通りとします。
(注:料金体系は任意ですが、認識に違いがあるとトラブルになりやすいので、できるだけ明確に分かりやすく記載しておくことが望ましいです。金額をここに直接書きたくない場合は、第一項に「報酬は別紙に規定する」とすることもできます。)
---

契約書のひな形 ウェブサイト制作及び運用保守契約

ここから先は

6,674字 / 1ファイル

¥ 14,800

期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

もしこの記事が少しでも「役に立ったな」「有益だな」と思っていただけましたら、サポートをご検討いただけますと大変嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。