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仕事にも【パフォーマンス】という概念を

※この写真は去年まで選手やってたスキーの写真

アスリートは、大事な大会や試合で最高のパフォーマンスを出すことが求められる。そのために、厳しいトレーニングを積む。トップアスリートになればなるほど、トレーニングがハードだということは容易に想像がつくけど、その一方で彼ら・彼女らは「休む」ということも同じぐらい重視している。

当たり前だけど、トレーニングし続けると疲労は蓄積するし、ほっとくと怪我にもつながるし、最悪選手生命にも関わってくる。そうならないために、ハードなトレーニングと同じぐらい休むことや、コンディションを整えることが重要になってくる。

つまり、来る日も来る日もずーっとトレーニングをし続けることは「トップアスリートでも無理」ってこと、大坂なおみも、本田圭佑も、タイガー・ウッズも、ルイス・ハミルトンも無理。

パフォーマンスのために「休む」

一方で、ごくごく普通の「仕事している僕ら」って、来る日も来る日も働いてません?もちろん、僕らにも休日があるし、仕事の日も24時間働いてるわけではない。ご飯食べたり、お風呂に入ったり、寝たり。

だけど少し自分自身を思い返すと、睡眠が足りてなかったり、休日もどこかで仕事のこと考えたり。体も頭を”OFF”にする「休み時間」を作れているかと聞かれると、自信持って”YES”と言えないのが僕自身ですが、これって実は「来る日も来る日もトレーニングしてるアスリートだな」と思っていて。つまり

良いパフォーマンスが発揮できず
トレーニングの質の低下や怪我の危険性を抱え
ひいては選手生命に悪影響を与えかねない

そういうアスリートの状態になっているってこと。もしこんなアスリートがいたとしたら、たぶんコーチからは「このままだとマズイよ?」と諭され、アスリートとしての心構えからもう一度考え直す必要に迫られる、そんなレベルの話だと思う。

”働く”という切り口で考えても、これと同じ状態になっている人はおそらく多く、僕自身もその一人。ただ問題は、当の本人にその自覚がないということ、つまり気づいていない。それに気づかず、ただの平凡な働く人=僕が、良いパフォーマンスを発揮できる可能性はゼロだと思う。

実際に、朝は頭が回らずぼーっとしたまま、午後は眠気との格闘、頭フラフラなのに残業、休みの日もなんかダルイ。こんな状態で、良いパフォーマンスを発揮できるわけないし、いいアイデアを思いつくわけもない。

休まないという【選択】をしたのは自分

僕自身は、そんな「オーバートレーニング」のような状態で仕事に臨んでおり、そしてそのことにもうっすら気づいていた。

もう無理、頭フラフラ、眠い、だるい。なのに、そんな状態でも僕は働いてた。そのことを思い出すと「なんでそこまでして働くんだろう」と昔の自分の行動に疑問を抱いた。その理由は、本当に恥ずかしいんだけど

周りのみんなもやってたから

これに尽きる。なんて主体性のないやつなんだ、と言われても返す言葉がない。全くもってその通りです。

周りのみんなも休まず働いてる、夜遅くまで残業してる。でもみんな間に合わせるために頑張ってる。それは知ってる。その中で僕だけ帰って家でのんびりしてるのって、その行動ってどうなん?

そういうやりとりが頭の中で繰り広げられて、結果的に右に倣えで、周りに合わせて働いてた。あとは、たぶんきっと何も言われてないんだろうけど、自分だけ早く帰ると「あいつだけ早く帰りやがって」みたいに思われるのも怖かった。

そういう恐怖心があったことも、右に倣えの選択を助長することに繋がっていた。大の大人が、周りの目を気にして「あはは、みんな頑張ってますもんね、、」と言って、周りに合わせていた。

ただ冷静に考えると、これは自分自身で"休まない"という選択をしたわけであり、誰かに「休んだらダメだよ」と言われたり、ましてや強制されたわけでもなかった。このことに気づいた時に「自分のせいだったんだ」と思った。

人と違う選択には勇気が必要

人生は選択の連続、という言葉があるように、僕は毎日のように”休まない”という選択をしていた。だけど、そこには当然”休む”とか”早く帰る”とか、他の選択肢もあったはず。その選択をしなかったのはなぜかと聞かれたら、それは「怖かったから」という側面もかなり大きい(さっきも言ったなこれ)

みんなが”休まない”という選択をしている中で、自分は”休む”という選択をするのはやっぱり怖い。何が怖いのか?それは周りの視線だと思う(これもさっき言ったな)

だから、他の人とは違う選択をすること、つまりマジョリティではなくマイノリティになるということは、いくらかの勇気がいるってことなんだと思う。

その勇気が僕にはなかった
だから休めなかった

僕は周りの視線をずっと気にしながら生きてきたんだなと思う。それは決して悪いことではないんだろうけど、一方でそれは僕をちょっとずつ苦しめてたんだと思う。その一つが、低パフォーマンス状態=頭フラフラでも働く、という形で現れていたのかもしれない。

だけどやっぱり、どこかでパフォーマンスが低い状態で働くことへの疑問が燻っていて、それがある時「いややっぱこれおかしいでしょ、帰ろうよ」と思うようになり、それが”休む=人と違う選択をとる”ことの勇気へと繋がったと思う。

勇気を持って休むことがパフォーマンスの源

体も脳も心も、動かすためにはエネルギーがいる。そのエネルギーは無尽蔵ではなく何らかの形で補充する必要があり、補充する時は活動を止める必要がある。

走ってる時には食べないし
寝ている時には考えない
お風呂に入ってる時には踊らないし
マインドフルネスの時は無になる

だから休む必要がある。休まないと充電にならない、よく休み、よく働く。当たり前すぎるほどシンプルだけど、物事の本質はいつだってシンプルだと思う。それにしても、こんな当たり前のことに気づくまで、僕はものすごく時間がかかった。

だけど、気づいただけでもラッキーだったのかもしれない。働いていると、日々のタスクや目の前の業務に忙殺され、自分が疲れているのかどうなのか分からなくなる。そのまま働き続けることがいかに危ないか。その時に「勇気を持って休むことが大事」と知っているだけでも、自分自身の心の支えや拠り所になると思う。

疲れたら休む。疲れる前に休む。疲れが取れるまでしっかり休み、休んだらまた頑張る。体も頭も心も全てこの原則に当てはまるし、アスリートも、エンジニアも、多くの働く人たちもみんな一緒。それが明日のパフォーマンスに繋がる。

だからみんな、今日は早く帰ろう。ゆっくり休んで、よく寝よう。

今日はここまで。

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