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どうしたらアメリカで歯科医師として働けるの? 3-Residencyプログラムを卒業する

皆さんこんにちは!

今回はアメリカで歯科医師として働く方法第3弾!、Residency プログラムを卒業するについて解説していきます。

何を隠そう私自身このルートを通りましたので、他のルートに比べてもう少し実体験をもとに解説することができます。

Residencyプログラムって何?

そもそもResidencyプログラムとはなんぞや?
ということなのですが、簡単に言えば医療分野における大学院課程のことを言います。

歯科学校を卒業し、歯科医師となったあと更に専門線を磨くべくさらなる教育を受けるのがResidencyプログラムなのです。

多くのResidencyを終了した学生はそれぞれの専門を管轄するBoardと呼ばれる組織において実施される専門医試験をうけ、無事に合格することができれば、ボード認定の専門医として宣伝をすることができます。

以前「アメリカの歯科医師の年収」の記事で解説しました通り、アメリカでは専門医制度が日本よりも整備されており、専門医はその分野だけを治療することが可能であり、収入も一般歯科医師よりも高いことが多いです。

専門医制度

アメリカでは現在12の専門分野が歯科医師会(ADA)によって認められており(1)、それぞれ

  1. Dental Anesthesiology

  2. Dental Public Health

  3. Endodontics

  4. Oral and Maxillofacial Pathology

  5. Oral and Maxillofacial Radiology

  6. Oral and Maxillofacial Surgery

  7. Oral Medicine

  8. Orofacial Pain

  9. Orthodontics and Dentofacial Orthopedics

  10. Pediatric Dentistry

  11. Periodontics

  12. Prosthodontics

歯科大学を卒業したあと、これらのいずれかの分野においてResidency Programを終了すれば、その分野の専門医となることができます。
また、それぞれの分野の専門医協会によって実施される専門医試験に合格すれば、正式に専門医として働くための免許を習得することもできることから、これを目指す卒業生も多くいます。

さて、ではどうしたら専門医プログラムに入れるのか。
日本からアメリカの専門医プログラムに申し込む場合、一般的に次の手順が必要になります。

日本から歯科のレジデンシープログラムに応募する際の一般的な手順は以下の通りです。

1. 学歴要件:

  • 学位: 歯科医師免許を取得していることが必要です。通常、Doctor of Dental Surgery(DDS)またはDoctor of Dental Medicine(DMD)が必要です。

  • 翻訳と証明: 英語圏以外の国からの学位であれば、学歴書類の認証翻訳が必要になることがあります。さらに、一部の国では、学歴評価機関(例:ECEまたはWES)による学位の評価が求められることがあります。

2. 国家試験 (NBDE/INBDE):

  • 試験: 米国に応募する場合、INBDE(NBDE Part I & II は2022年以降廃止されました) の合格が必要です。これらの試験は歯科に関する知識を評価し、ほとんどのレジデンシープログラムで必要とされます。

3. 英語能力の証明:

  • TOEFL: 多くのレジデンシープログラムでは、TOEFL(Test of English as a Foreign Language)などの英語能力試験の合格証明が必要です。非英語圏の応募者にとって、競争力のあるスコアが重要です。

4. 大学院申請プロセス (PASS):

  • 申請サービス: 米国では、ほとんどのレジデンシープログラムがPostdoctoral Application Support Service(PASS)という中央申請システムを使用しています。

  • 必要書類: 申請書、履歴書、パーソナルステートメント、推薦状、試験スコアの証明書(NBDE/INBDEおよびTOEFL)を提出する必要があります。

5. 面接および申請締切:

  • 面接: 多くのプログラムでは、選考プロセスの一環として面接が行われます。たいてい対面面接やオンライン面接に参加する必要があります。

  • 締切: レジデンシープログラムの申請締切は学校に異なります。通常、プログラム開始の数か月前に申請が締切られることが一般的です。

6. レジデンシーマッチングプログラム (National Matching Service):

  • マッチング: 申請を完了すると、レジデンシープログラムと応募者がそれぞれの希望順位を記入するマッチングプロセスに進むことがあります。

はい、手順がたくさんありますね(^^;)

ちなみに私の卒業したプラグラムの場合、世界各国からの100人以上の応募者の中から4.までの書類プロセスで約100人ほどに絞られ、さらにそこから面接に来るのは10名ほどに絞られていました。

試験の内容は、上記の面接(課題論文の批評を含む)以外に模型上の歯の支台歯形成や、ワックスアップもありました。ちなみにその後、実際にレジデントやファカルティ(教授陣)を交えて昼食を食べるのですが、そこでも人柄などが見られており、審査基準のひとつとなっていました。

そこで、晴れて合格した3人が次の年の一年生レジデントとして学生生活をスタートすることになります。


書類審査を通過した後送付された、面接のInvitation letter。


模型を形成後、ワックスアップの練習(技工士さんや先輩の先生方に何度もみてもらいました^^)


実際に面接の前日に、課題として出された論文(対策メモ付き)


次回は4.ファカルティとして働くについて解説していきます!

お楽しみに!!

  1. アメリカの12歯科専門医分野(https://ncrdscb.ada.org/en/recognized-dental-specialties

  2. 学歴要件(https://www.adea.org/GoDental/Nontraditional_paths_for_foreign-trained_dentists.aspx)

  3. 国家試験 (https://jcnde.ada.org/en/inbde)

  4. 英語能力の証明(https://www.ets.org/toefl/)

  5. 大学院申請プロセス(https://www.adea.org/PASSapp/)

  6. レジデンシーマッチングプログラム(https://www.natmatch.com/dentres/)

  7. ライセンスおよび認定(https://www.ada.org/en/education-careers/licensure)


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