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アメリカの歯科医師の年収

皆さん、こんにちは!

おそらく日本でも報じられていると思いますが、アメリカの物価上昇スピードは凄まじいものがあります。特に円安も相まってアメリカから学びに来ている留学生にとっては泣きっ面に蜂^^;;

さて、そんな中、アメリカではたらく歯科医療従事者の方々はどのくらいのものなのでしょうか?

日本では物価上昇に対して賃金の上昇が追いついていないと騒がれていますが、アメリカでは一体どうなっているのか。

もしかしたらみなさんが一番気になっているかも知れない年収について、今回は見ていこうと思います。(以下1$=150円とする)

歯科医師の年収

インターネットで調べたアメリカ全土の歯科医師の年収の中央値は$110,000-$360,000と幅広いレンジを取っています。

これは一般歯科医師から専門医を包括しているので、これほどの差が出ているのです。

ちなみにアメリカの一般歯科医師の年収の中央値は$155,040(約2300万円)(1)、専門医では$160,370-$208,000(約2400万〜3100万円)の範囲となっています(2)。これは口腔外科、矯正、補綴、歯周病など何の専門であるかによって変わってきます。

アメリカでは口腔外科医は6年のレジデンシープログラムを終えたあと医師としての資格(MD)も取得可能なので、これもまた日本とアメリカとの違いの一つです。口腔外科医への道は他の専門と比較しても一段と長く険しいので、その分その後の年収も高くなっています。

努力に応じてわかりやすく報酬が変化していくのはアメリカの社会のいいところの一つだと思います。

アメリカ一般歯科医師の年収の変化(3)


ちなみに日本の一般歯科医師の年収は令和4年の時点で737万円(4)となっていますので、アメリカと日本では現在の為替も相まって、約3倍以上の年収の違いがあるようです。

さらに、日本では開業医と勤務医の給料に関するデータはあっても専門医別のデータはほとんどありません。日本ではあまり専門医制度がアメリカほど確立されておらず。たとえ専門医としての資格を持ったとしてもあまり収入面において一般歯科医と差別化できる働き方をすることが難しいからです。

アメリカの歯科医師の勤務形態について


ADAによると、歯科医師の週平均労働時間は40時間以下で、週休二日が多くなっています。また色々なウェブサイトによると36時間が平均的となっているようです。大体8時から12時が午前中の診療で、 13時から17時まで午後の診療、金曜日は午前だけ、といった感じでしょうか?

日本の一般的な歯科医師と比べるとかなり就労時間は短い印象ですね。これで年収は日本の平均年収よりも3倍以上高いのですから、アメリカの歯科医師方が効率よくお金を稼ぐことできそうですね。

もちろんこれはあくまで全体の話なので、個人レベルでは全くこの限りではありません。

 アメリカの歯科医師求人

求人の最大手Indeedでは日常的に新しい求人情報が掲載されており、中にはかなり高収入なものもあります。

ただし、収入自体は低くても、福利厚生や教育環境がしっかりしたものなどもあるため、どういった歯科医院や医療施設に勤めるかは実際に見学をして、そこのドクターと話し合って細部まで検討して決めることになります。

この点は日本と同じですね。


カリフォルニア州での歯科医師求人の例


イリノイ州での歯科医師求人の例

歯科衛生士の年収

次に歯科衛生士さんの年収についてです。
U.S. Breau of Labor Statistics の調べによると、2022年 5月時点でアメリカ歯科衛生士の年収の中央値は$81,400(1200万円)となっています(5)。

一方、日本の歯科衛生士さんの年収については、2022年時点で約360万円ほど。こちらもアメリカでは約3倍以上の給料が支払われていることになります。

アメリカ歯科衛生士の年収の変化(3)

歯科衛生士さんの働き方について

大手求人サイトのIndeedによれば、歯科衛生士さんは一日8時間のフルタイムで、週に3,4日程働くのが一般的なようです。もちろん個人によってその働き方は全く異なりますので、あくまでも目安です。(6)

カリフォルニア州、コロラド州、オレゴン州では、歯科衛生士さんが特定の条件下で口腔内疾病の診断や、治療計画の立案をしてもよいとされています。(7)

更に、一部の州(アラスカ、ミネソタ、メイン、バーモント)では、追加のトレーニングを完了した歯科衛生士は(歯科セラピストと呼ばれることがあるそうです)、縫合の除去、クラウンや詰め物の設置、そして乳歯の抜歯といった処置を行って良いとされています。(8)

その他にも歯科衛生士さんができることには週によってかなり異なるようです。

各州における歯科衛生士の許可業務と監督レベルに関する歯科衛生士実施法の概要
(文字が小さくてすみません^^;)

歯科衛生士の求人

同じくIndeedからです。
歯科医師と同じくたくさんの募集があります。

ワシントン州での歯科衛生士求人の例


テキサス州での歯科衛生士求人の例

歯科技工士の年収

さて最後に歯科技工士さんの年収になります。
U.S. Breau of Labor Statistics の調べによると、2022年 5月時点でアメリカ歯科技工士の年収の中央値は$46,050(700万円)となっています(9)。

一方、日本の歯科技工士の年収は2022年の時点で約385万円であり、アメリカの歯科技工士は日本の歯科医師の約2倍弱の給料をもらっていることになります。

アメリカ歯科衛生士の年収の変化(3)

歯科技工士さんの働き方

こちらも求人情報サイトIndeedからの情報になりますが、アメリカの歯科技工士の殆どはフルタイムで働いており(週40時間)、歯科補綴装置や義歯を作製するためのラボで働いています。

アメリカでは日本と違って、歯科技工士になるために特別な資格は必ずしも必要ありません。アメリカ歯科医師会(ADA)は歯科技工の質の底上げのために、CDT(Certified Dental Technician)の資格を取得することを奨励していますが、CDTを持っているのは技工士全体の約20%ほどであり、
多くの歯科技工士はOJT(On the Job Trainingー職場での実践を通じて業務知識を身に付けること)で技術を身につけます。なので、日本の技工士のように体系的な講義や訓練を受けているわけではなく、日本よりも技工士間にさらに知識や技術の差があります。

日本の歯科技工士学校でしっかりと学び、国家試験を合格した日本の歯科技工士の技術力は世界中の歯科医師から大変評価されています。

日本の歯科技工士さんはアメリカではかなり優れた知識と技術を持った技術者として働くことが可能です。

歯科技工士の求人


ニューヨーク州での歯科技工士求人の例


フロリダ州での歯科技工士求人の例

まとめ


アメリカでは歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士の賃金が一般的に高く、年収も高額と言えます。ただし、高い年収と同様に高い生活費も考慮しなければなりません。

また、これらの賃金差は技術や知識の違いに起因するものではありません。日本の歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士がアメリカに行けば、同等かそれ以上の実績を上げることは充分に可能です。

優れた日本の技術者がアメリカで活躍することで、より多くの人々が国際的に活動することは歯科界にとって有益な結果をもたらすことが期待されます。

次回はどうやってアメリカで歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士になるのかについて解説していきたいとおもいます!

お楽しみに!!


参考

1.アメリカの一般歯科医師の年収中央値(https://www.bls.gov/oes/current/oes291021.htm)

2.アメリカの専門医の年収中央値(https://www.crosscountry.com/blog/dentist-salary-report-2023)

3.アメリカ一般歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士の年収の変化 (https://www.bls.gov/oes/tables.htm)

4.日本の歯科医師の年収(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E8%96%AC%E5%89%A4%E5%B8%AB&layout=dataset&toukei=00450091&tstat=000001011429&metadata=1&data=1)

5.アメリカの歯科衛生士の年収中央値(https://www.bls.gov/oes/current/oes291292.htm)

6.歯科衛生士の勤務時間(https://www.indeed.com/career/dental-hygienist/faq)

7.特定の州で歯科衛生士ができること(https://www.verywellhealth.com/how-to-become-a-dental-hygienist-1735972)

8.追加のトレーニングで歯科衛生士ができること(https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/0033354917698114)

9.アメリカの歯科技工士の年中中央値
(https://www.bls.gov/oes/current/oes291292.htm)


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