警告!テレワークブースの設置で「法律的に大丈夫なのか?」と思ったこと
こんにちは!小さな会社を経営している者です。
コロナ禍によりテレワークが流行ってきた昨今、時代の流れにあわせて、事務所にテレワークブースの導入を考えはじめました。
しかし、テレワークブースは100万円以上する高額な製品もあり、導入のハードルも高そうので、いろいろ調べてみました。調べてみたところ、
「このテレワークブースって、違法じゃないの?」
このように、法律やルールに抵触するブースもあるのではないか、という疑問にぶつかりました。テレワークブースの法律やルールについて、可能な限りリサーチした結果と疑問を書き記していきます。
さまざまなことを調べ、個人的にテレワークブースの設置で、不安や悩みをもったのは下記の4点です。
テレワークブース内でトラブル(災害や急病)があった場合、鍵の解錠は外から簡単にできるのか?
スモークフィルム等の貼付に関する法律はあるのか?
テレワークブースは建築基準法からみて違法な製品はないのか?
テレワークブースでの換気扇問題
このように端的にいうと、テレワークブースの安全性など「法律的に大丈夫なのか?」について調査してみた流れになります。
※参考ページ
総務消防庁
東京消防庁
建築基準法
テレワークブースの消防法に言及している記事
北海道Likers POST
テレキューブ
One-Bo
テレワークブースの設置に関する法律を調べた結果(消防法や建築基準法)
テレワークブースの設置で、法律があるのか調査してみたところ、総務省消防庁のページに以下のように記載されていました。
このようにテレワークブースを設置するのに、上記の法律に当てはまるように設置することが大前提となります。
次にテレワークブース本体に関する疑問を調べてみました。
テレワークブース本体の疑問・法律について調べてみた結果、設置不可はある?
ご存じのとおり、テレワークブースが世に普及し、まだ歴史は浅いです。(2022年8月現在)だからこそ、メーカーも把握していないローカルルールがあったり、消防署も実績が少なかったりと、「明確な指導ができない人も多いのでは?」と考えました。
万が一、地域ごとのルールに対応していないテレワークブースを導入し、事故があった場合、設置したあなたが責任を背負うことになります。
このようにテレワークブースを導入する際、ルールを守る必要があります。
ルールを守っていないテレワークブースを導入するわけにはいかないので、想定されるトラブルや法律・ルールについて調べてみました。
テレワークブース内で急病・停電になった場合、助けてもらえるのか?(鍵をかけているとき)
次にテレワークブースに付属している鍵についてです。鍵が付属しているテレワークブースも多くありますよね?
もしテレワークブース内で、利用者が倒れたりしたとき、
「どのような対応をして解錠するのか?」
という疑問です。
この場合、
「外からも解錠できる仕様が必要です。」
と、消防署にいわれるようです。消防署の指導からも、テレワークブースを選ぶ時は外からも、解錠できるテレワークブースを選んでおくようにしなければなりません。
もし監査がきた時、ルールを守っていないと、撤去されるなど罰則が科される可能性もあります。
このようにテレワークブースの設置を考えている方で、心配な方は最寄りの消防署に必ず確認しておいた方がよいでしょう。
テレキューブというテレワークブースの鍵は大丈夫?
まずは上の写真をご覧ください。私はテレキューブのブースを見て、
「外に鍵はついているけど、トラブル時は誰が解錠してくれるのかな?」
という疑問がでました。この疑問を直接、サポートに問い合わせしてみました。
とのやり取りがありました。前述のとおり消防からは、
と消防から答えをもらっていました。結果、
「もしもの際、テレキューブの中にいたら閉じ込められてしまうのではないか」
という疑問が残ったままでした。他社のテレワークブースも非常時、外部から解錠できる仕組みがあるのか謎が残ります。
スモークフィルム等の貼付に関する法律はあるの?
次にスモークフィルムの透過率について。世にあるテレワークブースは、ガラス張りの製品が多い印象です。ガラス張りの製品が多い理由は、おそらく開放感があるからでしょう。
そして、そのガラスにプライバシーの観点からか、スモークフィルムを張り付けているメーカーが多いです。
「でも、スモークフィルムが張られていることで、ブース内がみられないのは法律的に大丈夫なの?」
という疑問をもったので調べてみました。結論からいうと、
スモークフィルム等の貼付に関する法律はありません。
しかし、テレワークブース外から、目視でブース内が確認できるかどうかが問題です。理由はテレワークブース内で急病になったり、火災があった場合に対処できるようにするためです。もちろん木製の場合でもブース内がみられるよう、ガラスをつける必要があります。
ただし、法律はなくてもスモークフィルムを張り付けた場合、ガラスの透過率は地域の消防署により以下のような判断基準があります。(その地域によって異なります)
私が調べた範囲では下記のような基準がそれぞれの消防署にはありました(上から厳しめ順になっています。)
スモークフィルムを張ること自体がNG(日本橋)
内部の異常が外部から確認できるように配慮して貼り付ける
スモークフィルムの透過率85%以上が必要(大阪の場合)
このように地域によってスモークフィルム等の貼付に関する法律はないにせよ、地域ごとのルールがあります。ブース内が外部から、どの程度みられるのかが重要な感じです。フィルムなどの貼付ルールについては、必ず最寄りの消防署に確認するようにしましょう。
スモークフィルムに関する地域ごとのルールは?
いくつかの地域の消防署に、
「スモークフィルムの張り付け」
について聞いてみました。その結果が以下のとおり。
日本橋消防署 ⇒ 一切の貼り付け物に対しNG(もちろんスモークフィルムもNG)
品川消防署 ⇒ スモークフィルムはNG
新宿消防署 ⇒ 他の多くの消防署で許可をもらっている貼り方に加え、縦一列3~4センチすき間を空けるのが条件で許可取得
大阪市消防署 ⇒ 透過率85%以上あればOK
上記の結果を踏まえて、それぞれの消防署管轄に置かれているテレワークサービスを調査してみました。
スモークフィルムのルールを聞いた地域にあるテレワークブースを調査
まず有名なテレキューブ、One-Boが設置されている場所を調査してみました。
◆テレキューブが設置されている場所
◎品川消防署管轄(スモークフィルムNG)
太陽生命品川ビル 2階
五反田第一生命ビルディング
品川シーサイドパークタワー 1階
上3つは、スモークフィルムNGといわれた品川消防署管轄です。いくつかの消防署に聞いた結果、スモークフィルムNGが一番厳しい規制かなと感じました。
テレキューブの公式ページを調べると、上の写真のようにスモークフィルムが張り付けているのがわかります。
品川消防署より、テレワークブースにスモークフィルムはNGといわれています。ですので、
「消防法に抵触してはいないのかな?」
という疑問があります。
◆One-Boが設置されている場所
◎品川消防署管轄(スモークフィルム完全NG)
テレワークブース品川
◎新宿消防署管轄(縦一列3~4センチすき間を空けるのが条件で許可取得可能)
新宿イーストサイドスクエア 1階 Westオフィスエントランス
新宿フロントタワー 1階(西新宿)
セブン‐イレブン ハイアットリージェンシー東京店(西新宿)
西武鉄道 高田馬場駅 改札内 3階橋上コンコース(高田馬場)
前述のとおり、品川はスモークフィルムNGです。新宿は条件付きでスモークフィルムの許可を出してくれます。
しかしスモークフィルムのオン・オフのスイッチが標準で付いているテレワークブースもあります。スモークフィルムがNGの地域はスイッチを常にオフにしておけば問題ないのかもしれません。
スモークフィルムNGルールの地域で、スモークフィルムが標準でついているテレワークブースの設置がOKなのでしょうか?法律はないにせよ、地域のルールは守られていないと不安が残ります。
室内の高さは建築基準法を満たしているのか?
次にテレワークブース内の高さについてです。テレワークブースが居室とみなされる場合は、居室(ブース室内)の高さが2,100㎜以上必要と、建築基準法で定められています。
また、ここが難しいところなのですが、テレワークブースが居室とみなされるのは天井がついていることが前提になります。さらに建築基準監督署(地域)によって「居室か家具」かの判断が分かれるのです。
テレワークブースを居室ではなく、家具として利用できる場合は高さの制限はないとのことでした。
そして、この見解は地域により異なります。大阪ではテレワークブースを家具とみなすので、テレワークブース内の高さは問題ありません。しかし、東京都や横浜市はテレワークブースが居室とされるので、ブース内の高さ2,100㎜必要です。
高さが2,100㎜未満のテレワークブースの製品も調べてみました!その結果が下の製品です。
PERSONAL BOOTH ⇒ 1,920mm
Framery O ⇒ 2,000mm
Easy Booth(株式会社CONOC) ⇒ 1,900mm(外寸)
Priws ⇒ 2,050mm(外寸)
OHACO(オハコ) ⇒ 2,000mm(外寸)
これらの製品は、高さが足りないので、
「設置する地域によっては、建築基準法に違反するのでは?」
という疑問があります。大手企業も参入しているので、問題ないのでしょうか?そのあたりのカラクリが解明できていません…
ちなみに消防署からは、天井の高さによる規制はありません。防災の観点から人命優先で指導が行われています。
テレワークブースの換気扇問題
最後に、テレワークブースの換気扇問題です。
テレワークブースの中にずっといると、少なからず息苦しさというの感じる気がしました。
カラオケブックスにずっといると、少し頭がぼーっとするのと同じ感覚ですね。
これが実際にテレワークブースではどう対策を取られているのかが気になりました。
結論:テレワークブースの違反は多いの?
テレワークブースの設置についての地域ごとのルールを調べてみた結果、
「ルール違反している製品もあるのでは?」
という疑問が残った状態です。このように疑問に残ったのは大きくわけて以下の3点です。
緊急時、テレワークブース外部から解錠してくれるのか?
スモークフィルムの付け方は地域によりルールが違うけれど、守られているのか?
テレワークブース内の高さが居室として2,100㎜以上と定められている地域があるけど守られているのか?
独自にリサーチした結果、上のような疑問を解決するために、各所に問い合わせを実施し感じたこと、それは
「テレワークブースの歴史も浅く、このように地域によるルールがあることを知らない人も多いのではないのではないのか」
ということです。
テレワークブースは密室にもなるわけで、人命にも関わることなので、しっかり地域ごとのルールを浸透させてほしいですね。
私たちにできることは、ただひとつ。それはルール違反をしていないテレワークブースを導入すること。しっかり確認した上で導入しなければなりません。