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サービスロボット産業の2023年統計データ(国際ロボット連盟)
前回は、国際ロボット連盟(IFR)が発表した ”World Robotics 2024”から産業用ロボットの統計データをまとめましたが、今回はサービスロボット産業についてです。
無料版で公開されている内容は限られているので、簡単に見てみます!!
全体の台数
新規に販売されたサービスロボットは、業務用で使われるものが、前年の15.8万台から+30%の20.5万台と今年も大きく伸びています。一方で、民生用は、前年比+1%の410万台と数は大きいが、成長はちょっと一段落というフェーズのようです。
産業用ロボットは年間54万台というデータでしたので、業務用でみれば、サービスロボットはざっくり半分くらい、民生用で見れば約10倍くらいの数が出ていると言えることができます。
分野別
分野別でみると、
・物流/搬送:11.3万台(前年比+35%)
・ホスピタリティ(飲食など):5.4万台(前年比+31%)
・農業:2.0万台(前年比+21%)
・業務掃除:1.2万台(前年比+4%)
・医療・ヘルスケア:6200台(前年比+36%)
となっています。
用途としては、物流関係が一番多く、物流、飲食などホスピタリティ、ヘルスケアが前年比30%以上増えるという高い成長を示しています。一方で、業務用掃除の成長が4%と低くなっているのは、ちょっと気になるところ。
地域別企業数
![](https://assets.st-note.com/img/1728860397-MRwK6g7uZo3r1HC0SQI8mxUD.png?width=1200)
地域別のメーカー数を見てみると、
1位:アメリカ(199社)
2位:中国(107社)
3位:ドイツ(83社)
と、やはりアメリカ・中国という2つの大国がこの産業を引っ張っていることがわかります。日本はというと、惜しくも4位(67社)となっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1728860397-UwAtvdIcjx0FCEkrgo9K6bXp.png?width=1200)
一方、産業別のメーカー数は、
1位:物流・搬送(316社)
2位:業務掃除(126社)
3位:医療・ヘルスケア(109社)
となっています。先ほどの、産業別の販売台数では、物流は1位(11.3万台)、業務掃除は4位(1.2万台)、医療・ヘルスケアは5位(6000台)ということだったので、掃除、ヘルスケアといった領域は、販売台数の割にはプレイヤーも多いという領域(特に掃除は成長率も低い)となっており、若干レッドオーシャンに近い状態かもしれません。
地域×産業というところで見てみると、その原因が少しわかります。
アジアの比率が高い産業は、業務掃除、警備、ホスピタリティ(飲食など)となっており、おそらくここでいうアジアはほぼ中国と思われるので、掃除のプレイヤーが多いのも中国勢が大量にいるという状況と予測されます。
一方で、農業はヨーロッパが強く、アメリカはどの産業も満遍なく、というのは、なんとなく実感ともあっています。
将来
今後については、産業用ロボット以上にヒューマノイドロボットについて言及しています。書いてあることは、まぁ一般的な話が多いですが、生成AIによる性能向上、安全などの標準化の必要性などが今後大事になってくるでしょう、とのことです。
というわけで、二回にわたり国際ロボット連盟の統計を振り返ってみました。中国景気の勢いが鈍化しているということで、産業用ロボットやサービスロボット分野の掃除ロボットの販売台数が伸び悩んでいるようにも見えますが、業界全体としては、まだまだ成長しているなぁという統計でした。
では、また~!!
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安藤健(@takecando)
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